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入院付添費について(裁判基準)


1 赤い本
 医師の指示または受傷の程度・被害者の年齢等により必要があれば職業付添人の場合には実費全額,近親者付添人は1日につき6500円が被害者本人の損害として認められる。ただし,症状の程度により,また,被害者が幼児・児童である場合には,1割から3割の範囲で増額を考慮することがある。

2 青い本
 職業付添人の場合には実費全額。近親者付添人の場合は入院1日につき5500円から7000円。

3 自賠責
 原則として12歳以下の子供に近親者等が付き添った場合に1日につき4100円とする。(入院中の看護料)
 その他は必要かつ妥当な実費とする。

4 解説
(1)付添の必要性については,医師の指示が明確であれば明確ですが,現在では医療機関において完全看護制度が前提となっているため,医師による要付添の証明はなされないことが多いです。

(2)重篤な脳挫傷・脊髄損傷,上肢・下肢の骨折などで身体の自由がきかない状態の場合には付添費用を認める裁判例が多くなっています。退院後のリハビリ移行を円滑にする目的,精神機能に与える効果,などを理由に付添費用を肯定する例があります。

(3)幼児・児童の場合には,低年齢で親が必要という事情から症状にかかわらず付添の必要性が認められることが多いです。

(4)危篤状態など家族が医療機関に待機することが当然と思われる状態の場合には特段親族による看護の必要性がない場合であっても付添費用を認める事例があります。

(5)入院付添の場合には,何のために付き添ったのかということが裁判で争いになることがあります。入院付添をしないとこのような問題点があった,入院付添をしないとこのような不都合があった等,入院付添が必要だった理由をできるだけ詳しく主張・立証することが重要です。また,入院付添費については,保険会社側から自動的に提案があるわけではありませんので,被害者側でできるだけ積極的に請求をすることが重要です。

5 事例
(1)遷延性意識障害(併合1級)の家事従事者(男・66歳)につき,入院中の病院は完全看護で付添に医師の指示があったとは認められないが,集中治療室に入っていた事故後約2ヶ月間は面会し,その後は主に妻や次女が仕事がないときはずっと,仕事のあるときは終わってから付添をした場合に,被害者の症状に照らして付添が必要であったとして,入院全期間(637日),日額6500円,合計414万円余を認めた。

(2)植物状態の被害者(男性・17歳・併合1級)につき,症状固定日まで両親の付添看護費日額6000円を認めた他,付添介護等のために勤務先を欠勤した父親の66万円余の休業損害が認められた。

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