高次脳機能障害の患者の家族が困ったときの対応方法
監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎
- Q高次脳機能障害の患者の家族が困ったときはどうすればよいですか?
- A高次脳機能障害の患者の家族は次のような悩みがあることが多いです。
- ①本人が症状を否定している
- ②本人の症状に悩んでいる
- ③介護や看護に疲れた
- ④経済的な問題で悩んでいる
病院や役所や専門家に相談してみましょう。解決の糸口がみつかるかもしれません。
―――― 目次 ――――
高次脳機能障害とは
高次脳機能障害とは脳損傷による認知障害全般です。様々な認知障害だけではなく、行動障害や人格変化を伴うことが多いです。症状には記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。
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家族が困るとき
では、高次脳機能障害の患者家族が困るのはどのようなことでしょうか?
色々な悩みはありますが、次のような悩みが多いです。
- ①本人が症状を否定しているので悩んでいる
- ②本人の症状に悩んでいる
- ③介護や看護に疲れている
- ④経済的な問題で悩んでいる
①本人が症状を否定しているので悩んでいるとき
高次脳機能障害は本人が症状を否定することがあります。家族から見ると明らかにおかしいにもかかわらず、本人は普通だと思っているときです。
CTやMRI画像の検査や神経心理学的検査をまずは行いましょう。客観的な検査結果を本人に示すと、本人が病気だと理解できることもあります。
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本人が症状を認識すれば、リハビリや投薬による治療効果が期待できます。病院や行政のスタッフにも相談しながら進めましょう。
②本人の症状に悩んでいるとき
高次脳機能障害の症状は多種多様です。暴力や暴言に悩んでいるときは病院や行政のスタッフに相談しましょう。
本人の症状に悩んでいるときは、次のような福祉サービスの利用も検討しましょう。
- 障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス
- 介護保険法による介護サービス
- 障害者手帳制度に基づく福祉サービス
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③介護や看護に疲れたとき
高次脳機能障害の家族が介護や看護に疲れてしまうこともあります。障害福祉サービスの利用や介護サービスの利用以外にも、レスパイトケアを利用したり、家族会に相談する方法も検討しましょう。
レスパイトケア
レスパイトケアは、介護が必要な人がショートステイなどを利用し、日々在宅で介護を行っている家族など介護者の負担を軽減するためのケアです。病院や障害者支援施設に相談してみましょう。
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家族会
高次脳機能障害の当事者や家族の方々の苦労は重大です。
地域で集まりを持って、同じような悩みや困りごとを抱える仲間同士の支え合いをする当事者や家族会に参加すると解決の方向性が見えてくるかもしれません。
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④経済的な問題で悩んでいるとき
経済的な問題で悩まないように、まずは保険会社から適正な保険金を獲得しましょう。
保険会社からの保険金で十分ではないときは、役所の窓口に相談してみましょう。本人の就労が可能なときは就労支援機関に相談してみましょう。
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まとめ:高次脳機能障害の家族が困ったときの対応方法
高次脳機能障害の患者の家族は次のような悩みがあることが多いです。
- ①本人が症状を否定しているので悩んでいる
- ②本人の症状に悩んでいる
- ③介護や看護に疲れている
- ④経済的な問題で悩んでいる
病院や役所や専門家に相談してみましょう。解決の糸口がみつかるかもしれません。
(監修者 弁護士 大澤 一郎)