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シートベルト不着用と過失相殺

シートベルト不着用と過失相殺

最終更新日:2023年8月10日

監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 加藤 貴紀

Qシートベルト不着用は過失相殺の対象になりますか?
Aシートベルト不着用は過失相殺の対象になることが多いです。過失割合が5~20%不利になります。ただし、後部座席でのシートベルト不着用は5~10%程度のこともあります。
シートベルト

過失相殺とは

過失相殺(かしつそうさい)とは、損害賠償額を決めるときに被害者の過失を考慮する制度です。

被害者に過失がないときは、損害の全部を加害者が賠償します。過失相殺はされません。被害者に過失があるときは、損害の一部を加害者が賠償します。過失相殺がされます。

シートベルトのルール

運転者や同乗者はシートベルトをする義務があります。運転席助手席だけではなく、後部座席の同乗者もシートベルトをする義務があります。(道路交通法第第71条の3)

シートベルト不着用と過失割合

では、シートベルト不着用のとき、過失割合はどうなるでしょうか?

シートベルト不着用の場合、過失割合が5~20%不利になることが多いです。ただし、後部座席でのシートベルト不着用の場合、5~10%程度のこともあります。

たとえば、被害者の体が車外に放出された事案で考えてみましょう。シートベルトをしていれば、体は放出されない可能性が圧倒的に高いです。そのため、車外に体が放出された事案では、被害者の過失割合は比較的高めとなるでしょう。

他方、シートベルト着用の有無により怪我の結果があまり変わらないときは、被害者の過失割合は比較的低めとなるでしょう。

後部座席は過失相殺されにくい

運転席や助手席と比較して、後部座席のシートベルト不着用は過失相殺されにくいです。過失相殺されるときも、過失相殺の割合が少ないです。

運転席や助手席と比べて、後部座席のシートベルトをしている人の割合が少ないからです。

シートベルト不着用でも過失相殺がないとき

では、シートベルト不着用でも過失相殺がないのはどのようなときでしょうか?

次のようなときはシートベルト不着用でも過失相殺がないことがあります。

  • ①シートベルト不着用と怪我との間に因果関係がないとき
  • ②病気や障害、妊婦中、著しく肥満などシートベルトの装着義務が免除となっているとき

①シートベルト不着用と怪我との間に因果関係がないとき

シートベルトの着用の有無にかかわらず同じ怪我をしていたといえる場合、過失相殺がない可能性があります。

②病気や障害、妊婦中、著しく肥満などシートベルトの装着義務が免除となっているとき

シートベルト着用は法律上の義務です。しかし、病気や障害、妊婦中、著しく肥満などのときはシートベルトの装着義務がありません。

法律上シートベルトの装着義務がないときは、過失相殺がない可能性があります。

シートベルトの着用の有無を調査する方法

シートベルトの着用の有無を調査するにはどうすればよいでしょうか?

警察が作成する刑事記録の中に、シートベルト着用の有無の記載があることがあります。また、事故状況や負傷状況などからシートベルト着用の有無が推測できることもあります。

まとめ:シートベルト不着用と過失相殺

シートベルト不着用は過失相殺の対象になることが多いです。過失割合が5~20%不利になります。ただし、後部座席でのシートベルト不着用は5~10%程度のこともあります。

(監修者 弁護士 加藤 貴紀

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