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2018年12月

交通事故に遭ったのですが相手がレンタカーでした。レンタカー会社から賠償金はもらえますか?

2018年12月03日
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交通事故に遭ったのですが相手がレンタカーでした。レンタカー会社から賠償金はもらえますか?

この場合,レンタカー会社から賠償金を支払ってもらえる可能性が高いです。ただし,契約期間が切れているのに利用者が勝手にレンタカーを使っていた場合などには,レンタカー会社に責任が発生しない可能性があります。




 交通事故 : レンタカー 




◆運行供用者責任とは




交通事故の相手がレンタカーに乗車していた場合,誰が損害賠償義務を負うのでしょうか?

運転していた本人が責任を負うことは明らかですが,レンタカー会社にも責任が及ぶのかが問題です。


レンタカー会社に成立する可能性のある責任は「運行供用者責任」です。

運行供用者責任とは,自賠法3条に規定されているもので,自動車の運行によって利益を受けており(運行利益),運行を支配している(運行支配)人に認められる損害賠償責任です。自動車の所有者には通常運行供用者責任が発生します。

運行供用者と運転者が異なる人の場合には,両者の責任は連帯責任となり,被害者はどちらに損害賠償請求をしても良いこととなります。









◆レンタカー会社と運行供用者責任




レンタカー会社は,一般的に自社のレンタカーを所有して利用者に貸し出しているものですが,運行供用者責任を負うのでしょうか?

この点については,過去に最高裁が肯定する判断をしています(最高裁昭和46年11月9日判決)。

レンタカー会社は,利用者が運転免許を持っているかどうかを審査し,車両の使用期間を区切り,走行距離や使用可能区域,返却場所などを利用客に遵守させます。また利用料金も相応に高額であり,レンタカーの貸付によって利益を受けています。これらの事情からすると,レンタカー会社には運行支配も運行利益もあると考えられるからです。

その後の裁判例でもレンタカー会社の運行供用者責任を認めるものが多数あります。









◆レンタカー会社に責任が発生しないケース




ただし,レンタカー会社に運行供用者責任が発生しないケースもあります。それは,もはやレンタカー会社が車の運行を支配しているとは言えず,利益も受けていない場合です。

たとえばレンタカーの借主が,レンタカー会社に無断で車を第三者に貸した場合や返還期限が来てもレンタカーを返さなかった場合などには,運行供用者責任が否定されやすいです。

レンタカーが返却されないのでレンタカー会社が警察に相談したりして,回収のための努力をしている場合などにも運行支配性が否定されます。


事故の相手がレンタカーであった場合,一般的には運転者のみならずレンタカー会社にも責任が発生しますし,レンタカーに付帯されている保険が適用されるケースが多いです。

交通事故に遭って誰に賠償請求して良いかわからない場合,弁護士までお気軽にご相談下さい。





▼参考記事
・好意同乗とはなんですか?
・助手席に乗っていて交通事故に遭った事例
・誰だって初めての交通事故

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(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

交通事故による高次脳機能障害の患者さんへの支援はどのようにしたらよいでしょうか?

2018年12月04日
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交通事故による高次脳機能障害の患者さんへの支援はどのようにしたらよいでしょうか?

交通事故などで高次脳機能障害になると予定していたこと実行するのが難しい場合があります。一日の行動予定表を作って一つずつ確実に実行できるように支援しましょう。





 高次脳機能障害 : 行動予定 




◆今日が何月何日かわからない?




交通事故で高次脳機能障害になった人の症状と認知症の人の症状には類似点があるため、高次脳機能障害であるにもかかわらず、認知が衰えたと誤解されることがあります。

認知症の多くは、脳に特殊な細胞が増殖して正常な知覚を阻害することが原因でさまざまな症状が現れます。
高次脳機能障害は、脳細胞の損傷が原因なので、認知症とはまったく違う原因で発症するということを理解していただきたいと思います。

家族が認知の向上を支援することで、周囲とのあつれきの緩和や本人が暮らしていく上でストレスを感じないようにできます。認知の向上といっても漠然とした話だと思うかもしれません。

高次脳機能障害になって脳細胞の一部が死滅し、再生が望めないので認知が衰えたのでが、生き残っている他の脳細胞は、代わりにいままで行っていた機能を遂行しようとします。

これを代替機能と言い、リハビリテーションは、この代替機能を最大限に引き出すために行うのです。

ですから、高次脳機能障害の人の認知を向上させるというのは、決して夢物語ではなく、やりがいのある課題なのです。









◆まずは予定を一つだけ伝える




複数の情報を同時に伝えても理解できない、混乱を招くなどの問題を考慮し、はじめは、これからするべき予定を一つだけ伝えます。

予定を書いた紙を見せるとともに予定を口頭で伝えます。

行動予定を1つクリアできたら、次は一日の行動予定の学習です。
一日の行動予定を書いた予定表を見せて患者さんに説明します。

午前10時に家を出て○○3丁目のバス停から△病院行きのバスに乗る
午前11時から病院でリハビリテーション
午前12時30分に帰宅してお昼ご飯を食べる。今日は温玉うどん。
午後4時に庭の花に水をやり。
午後6時に夕食。ビーフカレー。
午後8時にお風呂
午後10時に就寝。

もちろんアレンジは自由です。


高次脳機能障害の患者さんが、予定どおりに行動したかどうか印を付けられるようにチェック蘭を設けるのも良いでしょう。
患者さんがその時、その日にどう感じたかを書くコメント欄を作ることもできます。
薬を飲んでいる患者さんは、服薬時間も予定リストに組み込むと習慣づけがより確実になります。

このような詳細な予定法をラクにこなせるようになったら、時間枠だけの予定表を使用し、時間の経過とやるべきことを意識してもらい、日々のルーティン以外の予定があれば、時間枠に追加で記入して注意を促すなど、アレンジは自由です。








▼参考記事
・頭(脳)に怪我を負われた方の解決事例
・会社員が,高次脳機能障害,顔面の傷跡,胸椎圧迫骨折により,併合6級の認定を受け,4900万円を獲得した事例
・専業主婦が脳挫傷後の高次脳機能障害により2級1号の認定を受け約4810万円を獲得した事例

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故で高次脳機能障害になった人の服薬管理はどのようにしたらよいでしょうか?

2018年12月06日
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交通事故で高次脳機能障害になった人の服薬管理はどのようにしたらよいでしょうか?

交通事故で高次脳機能障害になった人の服薬の管理は最初から本人に任せず、家族が見守りながら1回分、1日分、1週間分と徐々に管理を任せていきましょう。





 高次脳機能障害 : 本人 




◆最初から患者に管理を任せない




交通事故などで高次脳機能障害になった人は、外観は健康な人と変わりないことが多いのが特徴です。

軽度の高次脳機能障害であれば、質問に対して受け答えもしっかりしているので、医者に処方された薬の管理は患者本人に任せて良いように思いがちです。


高次脳機能障害は、患者さん自身が病気を認識しない、もしくは病名を告げられても否定するケースが頻繁に見られる病気です。
そのような気持ちの人が、薬をきちんと飲むようにと渡されたらどう感じるでしょうか?

自分は病気ではないから薬を飲む必要はない、症状が現れた時に飲めば良い・・そういった自己判断の結果、服薬がおろそかになりがちです。

家族が高次脳機能障害と診断され、医者から薬を出されたら、はじめは家族が服薬を管理しましょう。








◆薬物療法で症状は改善する?




高次脳機能障害は、リハビリテーションで脳に刺激を与えることにより、症状を改善していく治療法が主流です。

その一方では、患者さんが訴える不快症状を緩和するために薬が処方されることがあり、不眠、抑うつ、不安な気持ち、乱暴な行動などの症状が現れた場合、薬物療法が検討されます。

たとえば、情緒が不安定になりうつ状態になる情動障害の症状が見られる場合、抗うつ薬を飲むことで症状が改善することが期待できます。









◆まずは一回ごとの薬の管理から



処方された薬が一日につき朝夕2回飲むように指示されていたら、まず、1回に飲む薬だけを渡し、きちんと飲むかどうか確認します。
次に、一日分の薬を朝に飲む分と夜に飲む分と別々の皿もしくは小箱に入れて患者さんに渡し、それぞれ決められた時間に飲むか確認します。

それができるようになったら、次は1週間分の薬の自己管理です。
日曜から土曜まで、7つの仕切りの付いた箱に、1週間分の薬を入れて渡します。
もちろん、渡しっぱなしではなく、毎日、薬を定時にきちんと飲んでいるか確認します。

1週間の服薬管理ができたら、1カ月の薬を患者さん本人に自己管理してもらいましょう。
1カ月のカレンダーに透明なポケットが付いているお薬カレンダーを入手して、壁に貼ります。
高次脳機能障害の患者さんの目に付きやすい場所が良いでしょう。

患者自身も、自主性が尊重され、自己判断に任されていることで自信を持つことができます。

家族は、飲み残しや多く飲んでしまうなど、服薬の量と回数に気を配り、常にお薬カレンダーに目を配りましょう。







▼参考記事
・交通事故で高次脳機能障害になるとどのような症状が出るのでしょうか?
・高次脳機能障害Q&A
・当事務所の解決事例一覧

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故で高次脳機能障害になった人の行動予定の見守りについて教えてください。

2018年12月07日
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交通事故で高次脳機能障害になった人の行動予定の見守りについて教えてください。

交通事故で高次脳機能障害になると自分でスケジュール管理ができなくなる場合があるのでボードやノートを使って患者さんが行動予定を理解し実行できるよう支援しましょう。





 高次脳機能障害 : 行動予定 




◆スケジュール管理ができない?




交通事故などが原因で高次脳機能障害を発症した人に良く現れる症状の一つに、スケジュール管理が苦手なことが挙げられます。

これは、いくつかの要因があり、それぞれの症状が結果的にスケジュールを管理できないという結果を導いているのです。


【情緒障害】
情緒の変化が激しい感情障害を発症すると、ものごとを冷静に考えることができず、感情的になり、やるべきことを忘れてしまいます。
他の人にやるべきことを指摘されても、怒りを爆発させ、するべきことを最後まで行えません。


【遂行機能障害】
私たちは、日常生活で、ちょっとしたことでも思いついたら具体的な計画を立て、実行しています。
これを遂行機能といいます。
大げさに言えばプラン・ドゥ・アクションですが、窓ガラスが汚れているから窓ふきをしよう、曇り空だから折り畳み傘を持って外出しようと一連の思考と実行も遂行機能です。
何も、メモを取らずに考えただけで動作を完結できます。

しかし、高次脳機能障害の人は、このような遂行機能が困難です。
計画を立てて予定どおりに物事を進めることは、遂行機能障害を発症した高次脳機能障害の人にとって、ハードルが高い課題なのです。


【行動障害】
抑うつ状態で、生活全般に意欲がわかず、自発的な行動を取れなくなる行動障害になると、計画どおりに物事を実行するのが困難です。









◆チェック表を作ろう




高次脳機能障害の人のスケジュール管理は、まず1日の予定表からスタートしましょう。

退院後に使う予定表を作る際には、主治医およびそのリハビリテーションチームにわからないことを聞きながら作ると良いでしょう。
高次脳機能障害の人は、はたから見ると視力に問題がないようでありながら、視野が狭かったり、体の片側にあるものが見えなかったりします。
数や文字、図形の理解が退行している場合や、色の認識が発症前とは違っていることもあります。
時間の概念が以前とは異なっていることもあるので、時刻を区切った予定については、時計の理解を考慮して計画を立てましょう。

計画表は、大きなものでは、ホワイトボードにマーカーで書くなどの方法がありますが、必ずしもおおきければ良いというわけではなく、メモ用紙やノートなども活用して、高次脳機能障害の人がもっとも理解しやすいのはどのやり方か探りましょう。

大事な予定は大きな文字で書く、外出する予定は目的地の写真を予定表に貼るなどの工夫で、理解度の向上が期待できます。







▼参考記事
・高次脳機能障害の治療に健康保険を利用した方がよいですか?
・高次脳機能障害の等級が裁判で変わることはありますか?
・交通事故ブログ〜高次脳機能障害〜

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故に遭った高次脳機能障害の夫の部屋はメモだらけです。なぜでしょうか?

2018年12月10日
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交通事故に遭った高次脳機能障害の夫の部屋はメモだらけです。なぜでしょうか?

高次脳機能障害の夫の部屋がメモだらけなのに驚いて主治医と相談した結果、記憶を留める一助としてボードに重要な予定を書き、遂行したら消すようにしました。




 交通事故 : 高次脳機能障害 




◆後遺症に気が付かず退院後すぐに復職




夫は、横断歩道を青信号で横断中に左折車にはねられ転倒したため、高次脳機能障害になりました。外見は交通事故に遭う以前と変わらず、会話も普通にできるので、主治医に病名を告げられても実感がわきませんでした。

そもそも、高次脳機能障害という病名を聞いたのはその時が初めてでしたし、どのような後遺症を伴うかもわかりませんでした。

頭を打ったほかには外傷もなく、経過観察で2週間入院した後に退院して自宅療養しました。
夫は、1日も早く仕事を再開したいと、会社の上司にメールや電話で連絡を取っていたようです。

その結果、退院してからわずか1週間で夫の復職が決定しました。









◆夫の部屋の壁はメモだらけ




復職して1週間後、夫の部屋に掃除をしに入って驚きました。

壁一面にメモが貼られているのです。
○日△時山山産業常務に電話すること
出勤したらタイムカードを押す!
お弁当の注文は午前11時まで。
・・・
メモ用紙は部屋の紙面の壁を埋め尽くすほど貼られていました。

異常な光景にショックを受け、帰宅した夫にメモを書いて貼りまくる理由をたずねました。
答えは、大事なことを忘れてしまうので仕事に支障をきたすからとのことです。

私からすれば、さして大事ではないようなことも交じっているような気もしますが、本人からすればのっぴきならない重大事ゆえメモに残すのでしょう。
夫と話し合った末、週末に主治医のカウンセリングを受けに行くことに合意してもらいました。









◆短期記憶が留まらないのでメモに残す




主治医は、予定をメモに残すことは、高次脳機能障害の患者さんの生きづらさを緩和するのに効果的だと言いました。

最近の記憶は脳に留まらないので、目に付く場所にメモを貼り、繰り返し読むことで、忘れないようにしているというのです。

自宅の室内でメモを大量に貼っているのは許せるとしても、会社で同様のことをしていたら・・おそらく、変人扱いされて会社に居づらくなってしまうのではないでしょうか?
夫にそれとなく話を聞くと、自分に与えられたスペースにメモを隙間なく貼っているとのこと、やはり恐れていた通りになっていたのでした。


その後、主治医と相談して、メモの管理を少しずつ変えていきました。
まず、ホワイトボードを買って玄関の壁に貼りました。
壁一面に予定を貼るのではなく、その日にやるべき大事なことだけをマーカーで書くので、優先順位がはっきりします。
帰宅して予定を遂行できたら、ボードの予定を消すのです。

こうして、自宅のメモ用紙は徐々に減っていきました。
夫の話では、会社でも、小さなホワイトボードをデスクに置いて、メモを付けているそうです。
黒色だけでなく、赤や青のマーカーも併用して、優先順位を視覚化しているとのことで、自分なりの工夫で高次脳機能障害の障害を克服しようと努力している夫を誇りに思います。







▼参考記事
・交通事故BLOG〜高次脳機能障害〜
・当事務所の交通事故解決事例
・よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」

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妻が交通事故で高次脳機能障害になり,やるべき家事を順番にこなすことができなくなりました。

2018年12月11日
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妻が交通事故で高次脳機能障害になり,やるべき家事を順番にこなすことができなくなりました。

高次脳機能障害を発症してから時間の概念が希薄になった妻は、タイマーを使って夕飯の支度などの予定を思い出して家事をこなしています。




 交通事故 : 高次脳機能障害 




◆交通事故に遭ってから時間にルーズになった




妻は、青信号で交差点を自転車に乗って横断中、車にはねられて転び、頭を打ったため高次脳機能障害になりました。

高次脳機能障害との診断は、頭部のCTおよびレントゲン撮影が根拠ですが、会話をしても、以前と変わらないようすで、これなら後遺症の心配はない、怪我が軽く済んで良かったと話していました。

3週間後に妻が退院しました。
3歳と7歳の男の子がいるので子育て真最中、入院中は実家から応援に来てもらっていましたが、今後はそうもいきません。
妻は、家に戻れてリラックスしている様子、事故は災難でしたが、こうやってまた家族4人でもとのように暮らせるのは幸せなことだと思いました。









◆子育て放棄?いいえ時間の概念がないのです




妻の行動が以前とは違うことに気付いたのは、妻が退院した翌日、私が仕事を終えて夜8時に帰宅した直後です。

2人の子どもはお腹が空いたと訴え、ダイニングテーブルとキッチンを見渡しても、夕ご飯を食べた形跡がありません。
どうして子供たちに夕飯を食べさせないのか妻に聞くと、やらなければいけないことが多すぎるからと言うのです。









◆料理や家事は高度な知能が求められると知った




一日中精いっぱい働いている私からしてみれば、留守を守っている妻が、家事を遂行できないなど、とても容認できることではありません。
しかし、私が帰宅してから夕ご飯の準備を始めたり、風呂のお湯を入れ始めることがありました。
やるべきことを順番にこなすことができなくなったのかもしれません。

週末に、妻と主治医の診察を受け、アドバイスをもらいました。
注意力が低下する、注意力を持続できない、二つの物事を同時にこなせない、集中すべきことがあっても意識が散漫になるなどの症状は、高次脳機能障害における注意障害という後遺症が原因とのことでした。

料理ができなくなったのは、注意障害が原因だったのかと納得しました。









◆タイマーを使って次の動作に移る



私たちは、タイマーを使うことで、注意障害によるトラブルを大幅に軽減することができました。
次の行動に移れない妻に、「さあ、次のプランを実行する時間だよ」とうながす刺激をあたえてあげるのです。

私が自宅を出る朝8時に、タイマーを4時間後にセットし,お弁当箱のイラスト入りのメモを貼っておきます。アラームが鳴ればお昼ご飯の時間が来たとわかります。別のアラームは、8時間後にセットして、ご飯やおかずを描いた紙を貼ります。

日々の計画をアラームで知らせることで、妻は家事をこなせるようになりました。





▼参考記事
・主婦の交通事故の解決
・専業主婦でも休業損害を請求できますか。
・主婦の入通院慰謝料は,どのように計算されますか?

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故による高次脳機能障害は退院後のリハビリテーションが大切なのはなぜでしょうか?

2018年12月13日
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交通事故による高次脳機能障害は退院後のリハビリテーションが大切なのはなぜでしょうか?

交通事故で高次脳機能障害になったら退院後もリハビリテーションを続けることがだいじです。そうすることで脳が代替機能を習得して失われた機能を他の脳が補ってくれます。





 高次脳機能障害 : リハビリテーション 




◆高次脳機能障害の家族にイライラしていませんか?




高次脳機能障害の人の家族で、患者とのコミュニケーションがうまくいかず落ち込んだり口論することはありませんか?
たとえささいなことでも、イライラすることが続けば、せっかく患者が退院して家で暮らし始めたのに、こんな毎日がこれからずっと続くのか・・と絶望的な気持ちになるかもしれません。

覚えておいていただきたいのは、交通事故などが原因で高次脳機能障害になった人は、急性期といって、怪我をした直後がもっとも症状が重く、やがて症状が進行せずに同じ状態が続く慢性期に入ります。

ですから、高次脳機能障害は、いったん症状が安定すると、それより悪化することはないのです。
まず、今より病気が悪くなることはない、これからは上り坂だ
と思うようにしませんか?

高次脳機能障害は治らない病気、損傷した脳はもとに戻ることはないといった話を聞かされて、今の状態がこれから何年も何十年も続くのだろう・・とあきらめている方もいるかもしれません。
でも、現状維持を平坦な道に例えるとするなら、上り坂に向かって症状を緩和できるのを知ってください。

上り坂を歩み始める方法、それはリハビリテーションです。

適切なリハビリテーションを継続することによって、脳は代替機能を獲得します。
代替機能とは、傷付いた脳が受け持っていた役割を、他の部分が代わりに行うことです。


ただし、代替機能は、自然に生じるものではありません。

繰り返し機能回復訓練をすることで、脳が新しい機能を習得するのです。









◆リハビリテーションは退院したら終わりではない




入院中は、病室から別の部屋に移動して機能回復訓練を行うスケジュールが組まれるので、患者の意思に関係なく、毎週リハビリテーションを受けることになります。

ただし、退院した後は自主性に任されます。
良くあることですが、高次脳機能障害の患者さんは自分が病気であることを認めようとしたがりません。家族がリハビリテーションを受けるために通院するよう勧めても、どこも悪くない、もう治ったなどと拒否することがあります。

これは、病状認知をしないという高次脳機能障害の人特有の症状で、あなたの家族が急に頑固になったわけではありません。

先に述べた脳の代替機能を獲得するためには、退院後もきちんとリハビリテーションを続けることがだいじなので、リハビリテーションを積極的に続けるよう良く話し合ってみてください。






▼参考記事
・交通事故で高次脳機能障害になるとどのような症状が出るのでしょうか?
・交通事故で高次脳機能障害になった人への支援について教えてもらえますか?
・高次脳機能障害とは

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故で高次脳機能障害になると遅刻が多くなるのはなぜでしょうか?

2018年12月14日
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交通事故で高次脳機能障害になると遅刻が多くなるのはなぜでしょうか?

交通事故で脳の辺縁回路を損傷し高次脳機能障害になると、記憶障害を発症して時間の概念が希薄になることがあります。





 高次脳機能障害 : 時間の概念 




◆時間にルーズなのは生まれつき?




待ち合わせの時間にいつも遅れる人、約束の時間より30分前には到着して相手を待つ人、人によって時間の概念はさまざまです。

遅刻常習犯などと呼ばれることもある時間にルーズな人は、はじめから待ち合わせ時間に遅れようと思っているわけではなく、自分ではなんとかしようと思っても遅刻してしまうというのが実情のようです。

最近は、待ち合わせ時間を守れないのは発達障害の一種である注意欠陥多動性障害が原因という意見もあります。

それに対して高次脳機能障害になった人が遅刻するのは、後遺症の一種である記憶障害を発症しているからです。
自分がしたことや経験したことを忘れてしまうのが記憶障害です。
時間にルーズなのではなく、待ち合わせをしたこと、その場所、相手、日時などの記憶を維持できないので、結果的に約束を守れないのです。

高次脳機能障害の患者さん自身は、わかりましたと返事するかもしれません。
その場ではうまく対応できるし、会話も普通にできます。

しかし、話の内容を覚えていることができないので、待ち合わせをしたことを忘れてしまいます。

記憶障害の症状がある高次脳機能障害の患者さんが、退院後に職場復帰したらどうなるでしょう。
受け答えはそつなくこなせるし、身体に不自由なところはないので、職場の人は、どこも悪いところはないと思うでしょうが、やがて物忘れがはなはだしい、約束を守れないといったことが周囲に知られ、勤務の継続が困難になるかもしれません。









◆記憶に関係する部分は交通事故で傷付きやすい




記憶に関係している脳の部分は、大きく分けて海馬(かいば)辺縁回路(へんえんかいろ)の2つです。
このうち、辺縁回路は、交通事故による頭部の打撲で損傷を受けやすい場所です。
この場所で記憶が作られ、後から再生されるのです。








◆記憶障害にどう対処するか?




記憶障害があることがわかると、患者さんは自信を失い、不安感を抱きます。
生きづらさを感じ、抑うつ状態になる人もいます。

残念ながら、記憶障害は完治することはありません。

しかし、生きづらさを減らすためのさまざまな工夫をすることはできます。
会社や学校に遅刻しないように、起床時間に合わせて目覚まし時計をセットするのは高次脳機能障害による記憶障害がない人でもやっていることです。

8時15分になったら家を出る、8時30分のバスに乗る、生活リズムに合わせてタイマーのアラームをセットしておけば、やるべきことを思い出すのに役立ちます。
玄関に、電気を消す、鍵をかける、鍵をカバンに入れてファスナーをしめるといった外出時にやるべきことを貼っておくのも良いでしょう。

そして、家族は、できないことを強調するのではなく、できることを取り上げて誉めてあげましょう。









▼参考記事
・交通事故に遭い,退院後。。。。もしかして高次脳機能障害?
・軽度の交通事故でも高次脳機能障害になることはありますか?
・頭(脳)に怪我を負われた方の解決事例

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交通事故で高次脳機能障害になる人ってそんなに多いのでしょうか?

2018年12月17日
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交通事故で高次脳機能障害になる人ってそんなに多いのでしょうか?

頭部外傷によって発症する高次脳機能障害で一番多い原因は交通事故で、特に前頭葉底部と側頭葉底部の損傷が多く見られます。





 高次脳機能障害 : 発症原因 




◆外傷による高次脳機能障害の発症原因1位は?




スポーツ中の事故で頭を打って高次脳機能障害になる人もいますが、外傷により高次脳機能障害を発症する原因の1位はずば抜けて交通事故が多いのをご存知ですか?

大きな怪我をしかねないような激しいスポーツをする人は限られていますが、車同士、車対歩行者、車対自転車などの事故は、年齢に関わりなく誰もが降りかかってくる可能性のある災難です。これらの怪我は、交通外傷と呼ばれます。

交通外傷で損傷する脳の部位は、前頭葉と側頭葉に集中しています。
その理由は、外部からの衝撃により、頭蓋骨に近い脳の部分が、より激しく傷付けられるからです。

脳は、溝(こう)という区切りによっていくつもの部位に分かれていて、脳神経のネットワークでつながっています。
頭蓋骨を開けたとしても、見えるのは脳のうち表面にあるものだけで、奥の方にある脳は見えません。

一方、交通外傷の衝撃は、脳の一番外側がもっとも強く受けることになるので、その結果、外側に近い脳ほど損傷の度合いが激しくなるのです。

特に、前頭葉と側頭葉の底部は、交通外傷による衝撃を受けやすい場所です。
時には、衝撃によって脳が頭蓋骨に直接ぶつかって傷が付くことさえあります。









◆前頭葉が傷付くと何が起こるか?




前頭葉は、大脳の前方(人間の顔の方向)にあり、大脳皮質(だいのうひしつ)の3分の1は前頭葉にあります。
大脳皮質は、知的な活動、つまり物を考えたり判断をする時に働く物質です。
前頭葉を損傷すると、高次脳機能障害の後遺症のなかでも記憶障害が現れることがあるのがわかっています。

その他、注意障害や遂行機能障害の症状が現れることがあります。
前頭葉は、発話や運動にも関わっているので失語症を発症することもあります。









◆側頭葉を傷つけると何が起こるか?




側頭葉は聴覚に関わっているので、側頭葉の下部を傷つけると、失読失書(しつどくしっしょ)の症状が起こります。
失読とは文字が読めない症状、失書は文字を書けない症状です。

失読失書を発症した高次脳機能障害の人は、物の名前を言い当てられなくなる症状を併発することが良くあります。
歯ブラシの使い方を説明できるけれど、歯ブラシという言葉が出てこない症状です。

損傷した側頭葉の反対側にあるものの存在を無視する半側空間無視を発症することもあります。
特に、右側頭葉を損傷したことが原因による左半側空間無視は、しばしば起こる後遺症です。







▼参考記事
・交通事故に遭った際,記憶障害を発症することがあるのはなぜでしょうか?
・高次脳機能障害を負われた方の解決事例
・学生が高次脳機能障害により9級10号の認定を受け約2840万円を獲得した事例

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家族が交通事故に遭いました。自宅でできる高次脳機能障害の人のリハビリテーションはありますか?

2018年12月18日
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家族が交通事故に遭いました。自宅でできる高次脳機能障害の人のリハビリテーションはありますか?

高次脳機能障害の人は自宅でもリハビリテーションを意識した作業訓練ができます。たとえば日記を付けることは読み書きの訓練になります。





 高次脳機能障害 : リハビリテーション 




◆病院だけがリハビリテーションの場所ではない




交通事故で高次脳機能障害を発症した人は、急性期を過ぎて症状が安定すると、よほど重傷でない限り、一般病棟に移ってしばらくしてから退院します。
その後は、通院によるリハビリテーションですが、毎日通うのは日常生活に対する負担が大きく、治療費も高額になります。

多くの人は、週に2〜3回のリハビリテーションを続けていくことになるでしょう。
高次脳機能障害の症状を緩和するには、リハビリテーションが大きな効果を挙げます。
壊れてしまった脳の組織を、周囲の脳神経が学習してカバーしようと試みるからです。

失われた能力を取り戻すことは一朝一夕にはいきませんが、地道にリハビリテーションを続けることで、できなかったことが少しずつできるようになっていきます。


リハビリテーションが脳を活性化させる力を持っているのがわかっていても、毎日病院に行けないし、金曜日にリハビリテーションを受けても。週末を家で少していたら、学習した脳が元に戻ってしまうのではないか?そう心配する人がいるかもしれません。

安心してください。
リハビリテーションができる場所は病院だけではないのです。
自宅も立派なリハビリテーションの場所です。









◆自宅でどんなリハビリテーションができる?




【音による活性化】
病院と違って自宅は音にあふれています。
テレビ、ラジオ、家族との会話などが脳に刺激を与えます。
漫然と一日中テレビをつけっぱなしにしておくのではなく、毎朝番組表で見たいテレビ番組、聴きたいラジオ放送をチェックして、その時間を意識すれば、時間割に沿って一日のスケジュールを立てられます。


【好きなことをコツコツ続ける】
高次脳機能障害の症状の一つである失語症は、読み書きの能力が著しく失われる後遺症です。
活字を読んだり文字を書く訓練は、家で行うのに向いたリハビリテーションです。
作業療法士に相談して、自宅で行える課題を決めましょう。
まずは自分の名前と生年月日を書く訓練でも良いでしょう。

日にち、天気、何をしたかを日記に綴るのも、立派なリハビリテーションです。
川柳や俳句を作って書いてみる、絵手紙を描く。

今までしたことがないことに挑戦することで新しい発見があり、症状が改善するきっかけになる可能性があります。




比較的軽度の失語症であれば、子供向けの算数のドリル、漢字検定の問題集など、興味があるものを見つけて挑戦してみませんか?
楽しい気持ちで継続でき、その作業がリハビリテーションになるような自主訓練が見つかると良いですね。






▼参考記事
・交通事故に遭い高次脳機能障害になった場合、入ってくる情報が多すぎると混乱することがあるのでしょうか?
・高次脳機能障害を負われた方の解決事例
・頭(脳)に怪我を負われた方の解決事例

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)
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