交通事故による高次脳機能障害と障害者総合支援法

2019年04月15日
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交通事故による高次脳機能障害と障害者総合支援法


交通事故で高次脳機能障害になった人は、障害者総合支援法に基づいて都道府県や地方自治体から相談支援を受けることができます。


高次脳機能障害 : 障害者総合支援法


◆高次脳機能障害者の相談支援が明確になった法律


障害者総合支援法は、平成25年4月1日(一部は平成26年4月1日)に施行された法律で、これによって交通事故などで高次脳機能障害になった人への支援の道が大きく開きました。


この法律の第三章:地域生活支援事業では、高次脳機能障害者に対する専門性の高い相談支援は都道府県が行い、一般的な相談支援は市区町村が行うと定められています。


専門的支援と一般的な支援は、バラバラではなく、都道府県は、地方自治体の職員に対して研修を行なったり、支援の体勢を整備し、支援のネットワークを充実させるなどの役割を担っています。


患者さんにとって一番身近な相談窓口は、住まいのある地方自治体です。
住み慣れた町の市町村役場で高次脳機能障害の相談ができるのは、心強いですね。


後遺症について悩んで家に閉じこもったり、家族や同僚に理解されないことに悩んだりせずに、役場の窓口に問い合わせましょう。


東京都心身障害者福祉センターでは、各区市町村の相談窓口一覧をホームページに掲載しています。
たとえば、東京都羽村市は、障害福祉課窓口で定期的に高次脳機能障害に関する個別相談を予約制で行っています。


自治体によってサービス内容が違うので、ご自分のお住まいの自治体のサービスを確認しましょう。




◆障害者手帳と支援サービスの充実


障害者手帳を持っていると、各種の税金や公共料金等の控除や減免を受けることができるほか、公営住宅入居についても優遇されます。


障害者手帳を見せると入場料や駐車料金が割引になる公共施設、民間施設もあります。


企業は、障害者法定雇用率適用に基づいて、雇用者のうち一定の割合で障害者を雇う義務があります。


障害者手帳を持っていると、この障害者法定雇用率適用サービスを利用できるので、ふたたび仕事に就いて給与報酬を得られる可能性があります。




◆複数の障害者手帳の取得が可能


高次脳機能障害の後遺症のうち、音声や言語障害の症状がある場合は、身体障害者手帳の申請ができます。


その他の日常生活に支障が生じるような後遺症は、器質性精神障害として、精神障害者保健福祉手帳を申請できます。


たとえば、失語症は、高次脳機能障害で発症する後遺症でよく見られるものですが、その他に言われたことやあったことをすぐに忘れてしまう記憶障害や、注意力を集中したり持続できない注意障害などの症状が見られる場合は、身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳の申請が可能です。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故による高次脳機能障害は何科で診てもらう?

2019年04月11日
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交通事故による高次脳機能障害は何科で診てもらう?


交通事故で高次脳機能障害になって退院後に治療を続ける場合は、高次脳機能障害に詳しい医師のいる病院を選びましょう。


高次脳機能障害 : 診療科目


◆脳の怪我は何科で診てもらうべきでしょう?


高次脳機能障害は、交通事故やスポーツ中の事故で頭部を強く打ったことが原因で発症します。


脳のどの部分をどのように傷つけたかによって症状が違います。感情のコントロールができなくなったり、記憶力の低下、言語障害など、さまざまな後遺症が残ります。


頭部外傷が明らかであって、救急搬送されたら、まず救命救急や脳外科のドクターが治療するでしょう。


その後は、一般病棟に移り、場合によっては転院してリハビリテーション科でリハビリテーションを行ない、ある程度機能が回復したら退院という流れが一般的です。


しかし、問題は、退院した後も、後遺症が残っている場合です。


高次脳機能障害は、完治が望めない病気なので、退院後も後遺症を抱えて生きていかざるを得ません。
退院してから、はじめは気が付かなかった症状に家族や患者さん本人が気づくこともあります。


そんな時、もう救命救急センターは診療してくれません。


新しいことを覚えられなくなった。


事故に遭ってから怒りっぽくなったことを家族が心配している。


何かをやりかけていてもすぐ忘れて放り出してしまう。


こんな症状が出たとき、何科で診療してもらったら良いか、途方にくれませんか?




◆高次脳機能障害に詳しい医師を探す


脳外科でなければ高次脳機能障害の診療ができないわけではありません。


脳外科でなく、他の診療科目でも、高次脳機能障害の患者さんを数多く診てきて高次脳機能障害に詳しい医師はいます。


逆に言えば、そのような医師に出会いその病院に通うことができるならば、診療科目は何科でも良いのです。


診療科目の例を挙げれば、脳外科、神経内科、精神科、内科、リハビリテーション科などです。


自宅から通院できる病院でどこに通えばよいかわからないという人は、高次脳機能障害情報・支援センターのホームページに載っているもよりの相談窓口に問い合わせましょう。


このホームページは、法律に基づいて高次脳機能障害者を支援するために国立障害者リハビリテーションセンターが作成したものです。


東京都は、東京都心身障害者福祉センターが相談窓口になっています。


すべての都道府県の相談窓口が載っているので、地方にお住まいの方にとっても心強い情報です。


高次脳機能障害の後遺症を軽くして社会の中に受け入れられるよう、医師と信頼関係を結んで退院後もリハビリテーションや適切な治療を受けて健康を取り戻しましょう。


参考:高次脳機能障害情報・支援センター


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

後遺障害認定の結果非該当でした。非該当の場合逸失利益は絶対に認められないのですか?

2019年04月09日
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後遺障害認定の結果非該当でした。非該当の場合逸失利益は絶対に認められないのですか?


ほとんどの場合には認められませんが、認められているケースも存在します。


交通事故 : 逸失利益


◆後遺障害が非該当の場合、逸失利益は支払われない


交通事故で後遺障害が残ると「逸失利益」という賠償金を請求できます。逸失利益とは、後遺障害によって労働能力が低下したために得られなくなってしまった将来の収入です。


後遺障害が残ると、事故前と同じようには働けなくなり、生涯年収が減少すると考えられます。そこでその減収分を「逸失利益」として相手に請求できるのです。


このように、何らかの「後遺障害」が残ることによって減収が発生するという考え方なので、逸失利益が支払われるためには後遺障害認定が前提条件となります。


後遺障害非該当の場合、基本的に逸失利益は支払われません。




◆後遺障害非該当でも逸失利益が認められた事例


ただし、まれに後遺障害非該当でも逸失利益が認められるケースがあります。


それは、後遺障害が認められるほどの症状ではないけれども相応に重大な後遺症が残っており、それによって労働能力低下や減収が発生していると認められる場合です。


過去の裁判例でも、以下のケースにおいて後遺障害非該当となった被害者に逸失利益が認められました。


横浜地裁 平成20年11月4日判決
被害者である運転者と妻子が同乗していたところ、交差点で加害者の車両が追突してきて被害者ら全員がむちうち(頸椎捻挫)となった事案です。
症状固定後、運転者は後遺障害14級の認定を受けましたが、妻と子は後遺障害非該当となりました。
賠償金の算定において、運転者については後遺障害認定されているので労働能力喪失率5%、労働能力喪失期間5年として114万8568円の逸失利益が支払われました。
妻については、後遺障害非該当となっていましたが、後遺症が残っておりその程度を無視することはできないと判断され、逸失利益が認められました。労働能力喪失率は14級の標準である5%の半分である2.5%とし、労働能力喪失期間については運転者と同じく5年として、計37万9025円の逸失利益が支払われました。
なお子どもについては逸失利益が認められませんでした。


以上のように、後遺症の内容や治療経過などによっては、自賠責の後遺障害認定で「非該当」であっても逸失利益が認められるケースがあります。




交通事故でむちうちとなって後遺障害認定を受けられなかった方も、あきらめずに弁護士までご相談ください。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

事故によってボーナスが減りました。その分は賠償してもらえますか?

2019年04月08日
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事故によってボーナスが減りました。その分は賠償してもらえますか?


はい、きちんと減収を証明できれば賠償してもらえます。賞与を証明するためには、賞与の支給年月日や計算対象期間、計算方法などを明らかにした「賞与減額証明書」を作成し、保険会社に提出する必要があります。


交通事故 : 賞与減額分


◆賞与減額分も休業損害となる


サラリーマンの方が交通事故に遭って入通院すると、その間仕事ができなくなります。成績が落ちて賞与が減額されるケースもあるでしょう。


賞与を減らされた場合、損害賠償の対象になるのでしょうか?


交通事故によって賞与が減ったら、それは交通事故と因果関係のある「損害」と言えます。有職者が交通事故で休業すると休業損害が認められますが、賞与も「交通事故による休業」によって発生する損害ですから、休業損害の一内容として相手に請求可能です。




◆賞与減額分の証明方法


賞与の減額分を休業損害として請求するためには、賞与が減額された事実と金額を立証する必要があります。


その際、会社に「賞与減額証明書」を作成してもらわねばなりません。


賞与減額証明書とは、会社が「この従業員については本来〇〇の賞与支給予定であったが、事故で欠勤したため〇〇円になった」と証明してもらうための書類です。以下のような内容を記載します。



会社に事情や必要性を説明して作成してもらいましょう。




◆賞与減額分の請求をする際の注意点


交通事故で会社を休み、賞与が減額されたとしても、賞与減額分の休業損害が必ずしも認められるわけではありません。


会社で「賞与の算定方法」が明確に決まっていない場合、減額分を立証するのはかなり難しくなります。


会社が計算根拠を示さずに賞与の減少金額を書いても保険会社は納得しませんし、 会社に問い合わせをして詳細な事情を尋ねるケースもあります。


そこで賞与減額分の休業損害を請求するためには、会社と打ち合わせて明確な根拠を示すことが重要です。


また賞与の減額は、休業以外の要因でも発生します。景気の低迷によって従業員全体の賞与が減額されることもありますし、会社の業績悪化が要因となる場合もあります。


そのような場合、休業による減額とは言えないので減額分の請求は困難です。




交通事故後の休業が原因で賞与を減額されたとき、適切な補償を受けるには通常の給与以上に慎重な対応が必要です。お困りでしたら弁護士までご相談下さい。


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(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

猫が飛び出してきてとっさに猫をよけて車を相手の車にぶつけてしまいました。猫が出てきたことは過失割合で考慮されますか?

2019年04月05日
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猫が飛び出してきてとっさに猫をよけて車を相手の車にぶつけてしまいました。猫が出てきたことは過失割合で考慮されますか?


基本的に考慮してもらえません。ただし猫の飼い主に賠償請求できる可能性はあります。


交通事故 : 猫


◆猫が飛び出してきたことは過失割合で考慮されない


車を運転しているときに急になどの動物が飛び出してきたら、急ハンドルを切って進路を変えたり急ブレーキを踏んだりするものです。


そうして事故が起こった場合、ドライバーにはどのくらいの責任が発生するのでしょうか?が飛び出してきたことによってドライバーの過失割合が減算されるのかが問題です。


などの小動物の場合、急に路上に飛び出してきても、ドライバーは急ハンドルや急ブレーキを切ってはならないと考えられています。


道路交通法には「危険を防止するためやむを得ない場合を除き」急ブレーキをかけてはならないと定められています(24条)。また「みだりに進路変更してはならない」という定めもあります(26条の2)。


が飛び出してきたときに、危険な方向にハンドルを切ったり急ブレーキを踏んだりすると、これらの法律違反となってしまうのです。




◆運転者に高い過失割合が認められることもある


に驚いた運転者がハンドルを切って別車両に衝突した場合には、運転者のハンドル操作ミスによって起こった交通事故という扱いになるので、運転者に高い過失割合が認められます。


たとえばに驚いたためセンターオーバーして、対向車線の相手車に正面衝突したり接触事故を起こしたりすると、運転者に100%の過失割合が認められる可能性もあります。




◆猫の飼い主に発生する責任


そうだとしても、「が飛び出してきた」という事情は一切考慮されないのでしょうか?


実はこのような場合、の「占有者」や「所有者(飼い主)」に責任が発生する可能性があります。


民法には「動物占有者(管理者)の責任」が定められており、動物を占有する人は相当の注意を払って動物を管理していない限り、不法行為責任を負います(718条)。


そこでを連れて散歩していた人がを放したとたんに道路にが飛び出して事故が起こった場合などには、散歩していた人に責任が認められる可能性が高くなります。


また散歩させていた人と飼い主が別人の場合、飼い主には所有者として別途不法行為責任が発生する可能性もあります。




道路を運転していると、どのような突発的な状況が発生するかわかりません。


交通事故に巻き込まれて誰に何を請求できるか迷われたときには、弁護士が適切な分析とアドバイスをいたしますのでお気軽にご相談下さい。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

交通事故の加害者が破産しました。賠償金が受け取れなくなることはありますか?

2019年04月04日
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交通事故の加害者が破産しました。賠償金が受け取れなくなることはありますか?


あります。物損事故の場合にはたいてい破産によって免責されますし、人身事故のケースでも加害者に故意または重過失がない限り免責されます。


交通事故 : 非免責債権


◆自己破産の非免責債権とは


損害賠償請求権も免責対象になる

自己破産をすると、基本的にすべての債務が「免責」されて支払い義務がなくなります。


免責の対象になるのは、借金や未払いの家賃、買掛金やリース債務などほとんどの負債です。その中には「損害賠償債務」も含まれます。


交通事故で被害者が加害者に請求できる権利は損害賠償請求権なので、自己破産で免責されてしまう可能性があります。


非免責債権とは

ただ、自己破産には「非免責債権」があります。非免責債権とは、自己破産によっても免責されない債権です。


破産法によると、以下のようなものが非免責債権とされています。



交通事故の損害賠償請求権も上記の要件に該当する場合には非免責債権となるので、加害者が自己破産しても請求可能です。


以下で損害賠償請求権が非免責債権になる場合とならない場合がどういったケースか、見ていきしょう。




◆人身事故の場合


人身事故の場合に損害賠償請求するには、交通事故が「故意または重過失による身体または生命に対する不法行為」に該当する可能性があります。


この要件に該当するには、加害者に「故意または重過失」が必要です。


基本的に「危険運転致死傷罪」が成立するケースでは、この要件にあてはまって損害賠償債権が免責されない可能性が高くなるでしょう。


たとえばわざと車をぶつけて被害者を死傷させた場合、人の集まる交差点につっこんできて通行人を死傷させた場合や、酩酊状態で運転して被害者にけがをさせた場合などには、自己破産をしても免責対象になりにくいです。




◆物損事故の場合


物損事故は「人の身体または生命に対する不法行為」ではありません。そこで「悪意で加えた不法行為にもとづく損害賠償請求権」かどうかが問題となります。


「悪意」とは単なる故意ではなく「相手を傷つけてやろう」という積極的な害意です。


これが認められるのは、駐停車中の車に嫌がらせでわざと傷をつけたりタイヤをパンクさせたりした場合などです。過失でぶつけたケースなどは該当しないので免責されます。




交通事故の相手が保険会社に入っていない場合、賠償金を請求しようとすると自己破産されてしまうおそれがあります。


不安がある場合、弁護士が適切な対処方法をアドバイスいたしますので、お気軽にご相談下さい。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

交通事故で後遺障害がつくと、障害のある人として障害者手帳ももらえますか?

2019年04月03日
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交通事故で後遺障害がつくと、障害のある人として障害者手帳ももらえますか?


いいえ、必ずしももらえるとは限りません。交通事故の後遺障害認定と障害者認定はまったく異なる制度だからです。申請も別々に行う必要があります。


交通事故 : 障害者手帳


◆後遺障害とは


交通事故に遭って被害者に後遺症が残ったら、症状の内容や程度に応じて後遺障害認定を受けられます。


交通事故の後遺障害の認定機関は国土交通省の管轄の自賠責保険であり、後遺障害の等級は14段階に分けられています。


高い等級になればなるほど支払われる慰謝料や逸失利益が高額になります。




◆障害者認定とは


一方障害者手帳が交付される「障害者認定」の制度は、各自治体が実施しているものです。


認定された場合、税金の控除や交通費、駐車場料金や公共の施設利用料金の減免など、さまざまな助成や補助を受けられます。


ただし障害者手帳によって一時金や年金をもらえるわけではありません。


自治体の障害者認定には「身体障害者」と「精神障害者」の2種類があります。身体障害者に該当するのは以下の7種類の障害です。



身体障害には1〜7級があり、6級以上になると手帳が交付されます。


精神障害には1〜3級があり、3級でも手帳が交付されます。




◆後遺障害と障害者手帳の関係


交通事故の後遺障害認定制度と自治体の障害者認定制度は、まったく別の無関係な制度です。どちらかで認定されたからといってもう一方で認定されるとは限りません。


認定基準も等級も異なりますし、判断する機関も違います。


ただ交通事故で障害が残った場合、交通事故の後遺障害にも自治体の障害者にも該当するケースが多くなってくるでしょう。




◆別々に申請が必要


交通事故の後遺障害と自治体の障害者の両方に該当する場合には、個別に認定手続きをしなければなりません。


それぞれ専用書式があるので自治体や自賠責から取り寄せて診断書を医師に作成してもらい、申請書を書いて自賠責や自治体に提出し、審査を受けて認定を受ける必要があります。


後遺障害認定の場合には、後遺障害診断書だけを任意保険会社に送り、そちらで手続きを進めてもらうことも可能です。




交通事故後、後遺障害が残ったら不自由な生活の中でもやらねばならない手続きが非常に多く、被害者には大変な負担となります。


弁護士がサポートいたしますので、お困りの方はお早めにご相談下さい。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

休車損害と休業損害の違いを教えてください。

2019年04月02日
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休車損害と休業損害の違いを教えてください。


休車損害は、営業用の車が事故に遭ったことによって得られなくなってしまった営業利益であり、休業損害とは労働者がけがをして働けなかったことで失われた収入利益です。休車損害は車が破損したことに対する消極損害、休業損害は人が傷ついたことによる消極損害です。


交通事故 : 休車損害、休業損害


◆休車損害とは


休車損害とは、タクシーやバス、運送用トラックなどの営業車が事故に遭い、修理や買換の期間中に稼働できなかったことによる損害です。


もし事故がなかったら、タクシーやバスなどを稼働させて利益を上げることができたのに、事故によってそれが不可能になってしまったので、「利益が失われた」と考えられ損害が発生します。


休車損害は「消極損害」の1種であり「物的損害」です。


計算する際には、事故前3か月分の当該車両による売上額から、ガソリン代やドライバーの給金、通行量などの経費を引いて算出します。


休車損害が発生するのは被害者が車を業務に使っている場合のみであり、一般の個人などの場合には認められません。


またタクシー会社などであっても他に遊休車があり、そちらが稼働したので実際には損害が発生しなかった場合や、他車の運行スケジュール調整によって損害発生を避けられた場合には、休車損害は認められません。




◆休業損害とは


休業損害は、労働者や主婦が交通事故でけがをしたために働けなくなり、得られなくなった収入に対する補償です。


被害者がけがをすると、入通院治療が必要になりますし自宅療養しなければならないこともあります。


すると、本来なら働いて利益を得られたのに得られなくなって損失が発生します。それを「休業損害」として加害者に請求できるのです。


休業損害は、被害者がサラリーマンやアルバイト、契約社員などの労働者のケース、自営業者のケース、主婦のケースなどで認められます。


働いていない人には「休業による損害」が発生しないので、子どもや無職の学生、年金生活者、不労所得で生活している人などには認められません。


休業損害も「消極損害」の1種ですが「人身損害」です。


休業損害を計算するとき、会社員などの給与所得者の場合には事故前3か月分の収入を平均して1日あたりの単価を計算し、休業日数をかけ算することが一般的です。


自営業者の場合には、直近の確定申告書の「所得」の金額を基準とします。




以上のように、休車損害」と「休業損害」は、言葉は似ていてもまったく似ても似つかぬ損害です。


休車損害は車が壊れたことによって営業利益が失われた物的損害、休業損害は労働者が働けなくなったことによって発生する人身損害です。


交通事故の損害賠償について疑問がある場合には、弁護士がご案内いたしますのでお気軽にご相談下さい。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

紛争処理機構とはどんな機関なのですか?

2019年04月01日
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紛争処理機構とはどんな機関なのですか?


交通事故の被害者と自賠責保険や共済との間のトラブルを解決してくれる機関です。自賠責が決定した保険金の金額や計算方法、後遺障害認定結果などに不服があるときに紛争処理機構に申立てをすると、紛争処理機構が判断のやり直しをしてくれます。


交通事故 : 紛争処理機構


◆紛争処理機構とは


紛争処理機構とは「一般財団法人 自賠責・共済紛争処理機構」のことです。


交通事故の被害者と自賠責保険・共済との間にトラブルが起こった際、一定の解決方法を示してくれる機関です。


自賠責や共済は紛争処理機構による決定に拘束されるので、決定事項に被害者が納得できたら問題を最終解決できます。




◆紛争処理機構で解決できる問題とできない問題


紛争処理機構で扱っている問題は、以下のようなものです。



一方、以下のような場合には紛争処理機構を利用できません。



一般に、紛争処理機構が頻繁に利用されるのは「後遺障害等級認定」についてのトラブルです。被害者に後遺症が残ったとき、事前認定や被害者請求によって後遺障害認定をしても、必ずしも思った通りに認定されるとは限りません。異議申し立てをしても覆らないケースも多々あります。


そのようなとき、紛争処理機構に申請して再度等級への該当性を判断し直してもらいます。尚、紛争処理機構への申請は1回限りであることには注意が必要です。




◆紛争処理機構の利用方法


紛争処理機構では、被害者と自賠責の話し合いのあっせんは行っていません。


利用の際には、紛争処理の申し立てをして紛争処理機構にて決定を出してもらうことになります。


また、原則的に書面審査となるので、被害者や自賠責の担当者がどこかの場所に出頭して議論することもありません。


紛争処理機構で有利な結果を獲得するには、自分の主張を説得的に記載した申立書などの書面と、その内容を的確に証明するための証拠が必要です。


紛争処理機構で被害者の言い分を認める決定が出た場合、自賠責はその判断内容に拘束されます。たとえば後遺障害認定について被害者の主張が認められれば、等級認定されたり等級が上がったりします。




◆紛争処理機構の結果に納得できない場合の対処方法


被害者は紛争処理機構の決定に拘束されませんので、不服があれば裁判所で訴訟を起こして争えます。


紛争処理機構と裁判所は全くの別機関なので、紛争処理機構で言い分が認められなくても裁判で自賠責の判断が変更される可能性はあります。




交通事故被害者にとって後遺障害は非常に重要なポイントです。自賠責による認定結果に納得できていないなら、お早めに弁護士までご相談下さい。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

交通違反の点数制度とは何ですか?

2019年03月29日
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交通違反の点数制度とは何ですか?


点数制度とは、交通違反をしたときに違反内容に応じて運転免許に「点数」が加算され、一定の点数になると免許停止や取消処分となる制度です。基本的に3年が経過すると点数はリセットされます。


交通事故 : 点数制度


◆免許の点数制度は「行政処分」についてのルール


日本で車やバイクを運転するためには、運転免許証が必要ですが、交通違反を繰り返す人に免許を与えて運転させるのは危険です。


そこで交通違反を繰り返す人や重大な交通違反、交通事故を犯した人には免許の効力を停止したり取り消したりする必要があります。


そのための制度が点数制度です。


交通違反にはそれぞれ「点数」が決められており、累積点数が一定になると免許の停止や取消処分が課されます。この制度により、問題のある運転方法をするドライバーに運転を認めないようにしているのです。




◆交通違反と点数の関係


交通違反と点数の関係について、主なものは以下の通りです。


違反の種類加算点数
酒酔い運転35
麻薬等運転35
救護義務違反35
無免許運転25
酒気帯び運転0.25以上25
0.25未満13
過労運転等25
無車検運行6
無保険運行6
速度超過50以上12
30(高速40)以上50未満6
25以上30(高速40)未満3
20以上25未満2
20未満1
放置駐車違反駐停車禁止場所等3
駐車禁止場所等2
信号無視赤色等2
点滅2
急ブレーキ禁止違反2
追越し違反2
駐停車違反駐停車禁止場所等2
駐車禁止場所等1
整備不良制動装置等2
尾灯等1
安全運転義務違反2
携帯電話使用等(交通の危険)2
携帯電話使用等(保持)1
番号標表示義務違反2
割込み等1
無灯火1
座席ベルト装着義務違反1
幼児用補助装置使用義務違反1



◆点数と処分の関係


累積した点数により、以下のような処分を受けます。(日数は免許停止の日数)


過去に処分を受けた「前歴」があると同じ点数でも処分が重くなります。


点数(点)
前歴(回)
123456789101112131415
0回30日60日90日取消
1回60日90日120日取消
2回90日120日150日取消
3回120日150日取消
4回以上150日180日取消

前歴のない方の場合、15点以上になったら免許が取り消されます。




◆点数がリセットされるまでの期間


点数は、基本的に3年が経過するとリセットされるので、3年以上前の点数は加算されません。


それ以外にも以下のようなルールがあります。





交通違反以外には、人身事故を起こした場合にも免許の点数が加算されます。弁護士がご相談に応じますのでお気軽にご相談ください。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

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プロフィール
よつば総合法律事務所
千葉県最大級の法律事務所。弁護士16名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
柏事務所:千葉県柏市(柏駅徒歩3分)
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