私は事故当時、シートベルトを着用していませんでした。賠償の場面で、こちらに不利になることとしてどんなことがありますか?

2019年02月28日
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私は事故当時、シートベルトを着用していませんでした。賠償の場面で、こちらに不利になることとしてどんなことがありますか?


あなたの過失割合が加算され、請求できる賠償金の金額が減額される可能性が高くなります。


交通事故 : 過失相殺


◆シートベルト着用義務について


道路交通法は自動車に乗車する人に対し、シートベルトの着用を義務づけています(道路交通法71条の3)。


かつて、シートベルト装着義務が定められていたのは運転者と助手席の同乗者だけでしたが、平成20年6月1日改正道路交通法が施行され、現在では後部座席に乗車している人にもシートベルト着用義務が及びます。同様に、幼児を車に乗せるときにはチャイルドシートに座らせる義務があります。


ただし、病気や怪我などのやむを得ない事情によりシートベルトやチャイルドシートを装着できないケースや、救急車や消防車などの緊急搬送用の車両の場合など、一部シートベルト着用義務を免除されるケースもあります。




◆シートベルト不着用と過失相殺


シートベルトを着用しないと、事故が起こった時に被害者が重大なケガをする可能性が高くなります。


そこで、被害者が事故当時にシートベルトをしていなかったために交通事故の被害結果が拡大すると、被害者の過失割合が加算されます。


すると過失相殺が適用され、事故の相手に請求できる賠償金が大幅に減額される可能性もあります。


これまでにも被害者のシートベルト不着用により、過失相殺が適用されて賠償金が減額された事例が多々あります。


減額される割合はケースにもよりますが、だいたい5〜20%程度であることが多いです。




◆シートベルト不着用でも過失相殺されないケースとは


ただし被害者がシートベルトを着用していなくても、過失相殺されないケースもあります。


それは、シートベルト不着用と事故の結果発生や拡大との間に因果関係が認められないケースです。


たとえば被害者が後部座席に寝ていたときに交通事故が起こり、シートベルト不着用とは無関係に被害者が怪我をした事例や、被害者の怪我とシートベルト不着用との間に因果関係が認められなかった事例などでは、シートベルト不着用による過失相殺が認められていません。


また病気や怪我などの理由で、被害者がやむをえずシートベルト不着用で乗車していた場合でも、被害者に過失があるとは言えず、過失相殺は行われないでしょう。




車に乗るなら、基本的にはどの位置に乗車するとしても必ずシートベルトを装着する必要があります。交通事故の過失割合の考え方などに疑問がある場合には、お気軽に弁護士までご相談下さい。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

事故によって旅行の予定をキャンセルしました。キャンセル費用は保険会社に支払ってもらえますか?

2019年02月27日
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事故によって旅行の予定をキャンセルしました。キャンセル費用は保険会社に支払ってもらえますか?


はい、旅行のキャンセル費用も交通事故によって発生した損害として、保険会社に払ってもらうことが可能です。


交通事故 : キャンセル費用


◆交通事故の損害の種類


交通事故に遭ったら加害者の保険会社に対して発生した損害の賠償金を請求できますが、このとき支払ってもらえるのは「交通事故によって発生した損害」に関するものです。


つまり、「交通事故がなかったら、そのような損害は発生しなかった」という因果関係があるものに限られます。


一般的な交通事故の場合には、以下のようなものが因果関係のある「損害」として認められ、賠償請求が可能です。





◆キャンセル料も「交通事故によって発生」している


それでは、交通事故に遭って旅行をキャンセルせざるを得なかった場合、そのキャンセル料も相手に請求できるのでしょうか?


交通事故で大きなケガをすると、旅行どころではなくなってしまいます。その場合、交通事故が原因で旅行のキャンセルにつながったと言えるので、キャンセル料は交通事故によって発生した損害と考えられます。


また家族も一緒に旅行に行く予定にしていた場合、被害者のキャンセルに伴い、家族についても旅行をキャンセルすることが多いでしょう。


交通事故がなかったら家族も旅行をキャンセルする必要がなかったのですから、家族の分のキャンセル料もやはり交通事故によって発生した損害となります。


以上のように、交通事故で旅行をキャンセルしたら、被害者や家族の分のキャンセル料を保険会社に請求可能です。


裁判例でも、被害者が骨折やむち打ちなどの怪我をして旅行を取りやめにせざるを得なくなったケースにおいて、旅行のキャンセル代を損害の一内容と認め、保険会社に支払い命令を下したものがあります。




◆キャンセル料が認められないケース


ただし軽い物損事故などで、特に旅行をキャンセルする必要はないのに、被害者や家族の都合で旅行をキャンセルしたとしても、交通事故によって発生した損害とは言えません。そのようなケースでは、キャンセル料の請求は認められないでしょう。




交通事故によって発生する損害は、ケースによってさまざまです。「このようなものも損害として認めてもらえるのだろうか?」と疑問を抱いた場合には、請求を諦める前に弁護士までご相談下さい。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

事故に遭って自宅をバリアフリーにリフォーム予定です。どのくらいの後遺障害であればリフォーム費用が出るという基準はありますか。

2019年02月26日
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事故に遭って自宅をバリアフリーにリフォーム予定です。どのくらいの後遺障害であればリフォーム費用が出るという基準はありますか。


はっきりと「〇級以上」のような基準はありません。ただ介護を要する後遺障害の場合にはリフォーム費用が出ることが多いです。また脊髄損傷や骨折、RSDなどで歩行困難となったケースなどでは低い等級でも自宅のリフォーム費用が認められた例があります。


交通事故 : リフォーム


◆リフォーム費用が出る場合


交通事故で加害者の保険会社からリフォーム費用が出るのは、被害者に一定以上重大な後遺障害が残ったケースです。


被害者に後遺障害が残って身体が不自由になると、今までと同じ自宅の環境では生活が難しくなってしまうことがあります。歩けなくなったらバリアフリーにしたりホームエレベーターや手すりを設置したりしなければなりません。そのためのリフォーム費用は、交通事故がなければ不要だったと言えるので、交通事故によって発生した損害となり、相手に請求できるのです。


具体的にどのような後遺障害が残ったらリフォーム費用が出るのかについて、明確な基準があるわけではありません。


ただ、要介護1級2級の後遺障害が残り自宅で介護するのであれば、多くのケースでリフォーム費用が認められるでしょう。


それ以外のケースでも、脊髄損傷となって歩けなくなった場合、骨折後関節の可動域制限が起こって歩けなくなった場合、RSDの後遺症で車いす生活となった場合、視力低下により従来の環境での生活が困難となったケースなど、さまざまな事案で自宅改装費用が後遺障害として認められています。等級は8級や9級でもリフォーム費用が認められている事例がたくさんありますし、関節痛で12級となった被害者の事例でリフォーム費用が認められたケースもあります(東京地裁平成12年3月8日)。


リフォーム費用は「介護や被害者の日常生活のために必要」であれば認められるのであり、後遺障害何級だから認められるのではありません。


そこで、リフォーム費用を請求したい場合には、なぜリフォームが必要なのか、症状と照らし合わせて合理的に説明することが重要です。




◆リフォーム費用の範囲について


自宅のリフォーム費用が認められるとしても、必ずしも全額が認められるとは限りません。


支払ってもらえるのは、被害者の生活や介護に必要かつ相当な範囲に限られます。たとえば被害者がキッチンを使わないのに、お風呂とトイレとキッチンと階段を全部リフォームして増改築まで行い、かかった費用の総額を請求しても、被害者と無関係な部分は否定されてしまいます。




自宅のリフォームを行う際には、「どこまで認められるか」をしっかり検討してから発注しましょう。判断に迷われたときには、弁護士までご相談下さい。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

事故に遭って車を保管してもらうのにかかった費用は、保険会社から支払ってもらえますか。

2019年02月25日
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事故に遭って車を保管してもらうのにかかった費用は、保険会社から支払ってもらえますか。


必ずではありませんが、「必要かつ相当な範囲」であれば、事故後の車の保管費用も支払ってもらうことができます。


交通事故 : 保管費用


◆車の保管料とは


交通事故で車が損傷を受けると、修理のために車を修理工場に預けることがあります。また廃車にする場合にも専用業者に車を預けます。


このようにして車を業者に預ける場合、一般的に保管費用は発生しません。修理や廃車にともなう当然のサービスとして、無償で預かってもらえます。


ただし、修理するかしないかで迷って長期間預けっぱなしにしたケースなどでは、修理業者から保管料を請求されるケースがあります。


また整備工場に廃車依頼をした場合などにも1日当たり数千円の保管料を請求される事例がみられます。




◆保管費用も請求可能


結論的に言うと、上記のような車の保管費用についても保険会社に請求できます。


そもそも交通事故がなければ車を修理に出したり廃車にしたりする必要はなく、保管費用も発生しなかったからです。


この意味で車の保管費用は、交通事故と因果関係のある損害と評価できます。




◆請求できる保管費用の範囲


ただし保管費用が支払われるとしても、必ずしも全額が認められるとは限りません。


支払いを受けられるのは「必要かつ相当な範囲」に限定されます。具体的な金額については個別のケースに応じて裁判所が判断しています。


車の保管を要する必要性が高ければ、より全額に近い保管費用を認めてもらいやすくなります。


反対に必要性もないのにいつまでも預けていたようなケースでは、保管費用を減額される可能性が高くなりますし、場合によっては支払いを受けられない可能性も出てきます。


たとえば、通常一般の交通事故のケースにおいて、車の修理の見積もりをとるには2週間程度も預ければ十分です。それにもかかわらず、「1年以上預けたから50万円の保管費用を払ってほしい」と言っても、支払いを受けるのは困難となるでしょう。


一方、車の状況を保全するために車体の詳細な調査や写真撮影などが必要で、2〜3か月間車を預けることとなったために10万円の保管費用が発生したというケースであれば、全額の支払いが認められる可能性もあります。




物損事故の損害というと車の修理費用のイメージですが、実際には車の保管費用やレッカー代や廃車料などの諸費用も請求可能です。


どのような費用を請求できるのか知りたい場合、お気軽に弁護士までご相談下さい。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

運転者がてんかん発作や心臓発作などで意識を失って事故を起こした場合、被害者は賠償を受けることができるのでしょうか。

2019年02月22日
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運転者がてんかん発作や心臓発作などで意識を失って事故を起こした場合、被害者は賠償を受けることができるのでしょうか。


人的損害については、自賠法3条により原則として賠償を受けられます。物的損害につては、自賠法3条の適用がなく、民法713条但書が適用されるか否かで結論が異なります。


交通事故 : 責任能力


◆責任能力に関する民法の規定


まずは損害賠償の原則を記載した民法をみてみましょう。


責任能力」について定めた民法713条には「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。」と規定されています。


つまり、てんかん発作や心臓発作などで意識を失った結果事故を起こした場合、原則として運転者には賠償責任がないということになります。


①運転者が意識を失う可能性を認識していたこと、②投薬治療等により意識障害を防止することが可能であったことの要件を満たした場合のみ、民法713条但書によって例外的に賠償責任が認められるに過ぎないのです。




◆自賠法3条による保護


しかし、落ち度のない被害者に対する賠償は広く認められるべきでしょう。


そこで、このような場合でも、人的損害(治療費や慰謝料等の怪我に関する損害)については、自動車損害賠償保障法3条(以下「自賠法」といいます。)による賠償責任が認められています。


糖尿病による低血糖で意識を失い、事故を起こしたケースについて、東京地裁平成25年3月7日判決は、「自賠法3条は、自動車の運行に伴う危険性等に鑑み、被害者の保護及び運行の利益を得る運行供用者との損害の公平な分担を図るため、自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償責任に関し、過失責任主義を修正して、運行を支配する運行供用者に対し、人的損害に係る損害賠償義務を負わせるなどして、民法709条の特則を定めたものであるから、このような同条の趣旨に照らすと、行為者の保護を目的とする民法713条は、自賠法3条の運行供用者責任には適用されないものと解するのが相当である。」と判断しました。


すなわち、てんかん発作や心臓発作などで意識を失って事故を起こした場合でも、人的損害に関する賠償責任は認められると判断したのです(大阪地裁平成17年2月14日判決も同様に判断しています。)。




◆物的損害については異なります


一方で物的損害に関しては、自賠法3条の適用はありませんので、運転者に対して修理費等を請求する場合には、民法713条但書による賠償責任が認められるかどうかが重要になります。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 前田徹)

保険会社が修理代は100万円なのに、車両時価額しか払わないと言っており納得できません。どんな理由で車両時価額しか払わないと言っているのですか

2019年02月21日
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保険会社が修理代は100万円なのに、車両時価額しか払わないと言っており納得できません。どんな理由で車両時価額しか払わないと言っているのですか


交通事故によって破損した車の価値は時価額なので、交通事故によって発生した損害も車の時価となります。100万円の価値のないものが壊れたのに、100万円の損害賠償が発生するのは不合理ということです。


交通事故 : 車両時価額


◆車の修理費の限度額


交通事故で車が壊れたら、加害者に修理費用を請求できます。被害車両が高級外車などの場合、100万円やそれ以上の修理費用がかかるケースもあるでしょう。


このような場合、必ずしも相手に全額の修理費用を請求できるとは限りません。請求できる費用は「車の時価額」が限度となるからです。


実際にかかる修理費用が時価額を超える場合には、時価額を限度とした修理費用の支払いしか受けられません。


交通事故で発生するのは「車の破損」という損害です。そしてその車には「時価」の価値しかありません。100万円の価値はないのに事故で壊れたからと言って100万円の修理費用が払われると、むしろ被害者が得をすることになってしまいます。


そこで物損事故の修理費用は、時価を限度としてしか支払われません。実際の修理費用との差額については、被害者が自己負担する必要があります。




◆時価以上の補償を受けられるケース


ただしケースによっては、時価を超える修理費用を受けとれることがあります。


それは加害者が「対物超過修理費用特約」という任意保険の特約をつけている場合です。


この特約は物損事故で相手に高額な修理費用がかかるけれど、賠償金は時価算定となるため修理費用が不足するケースで利用できる特約です。時価と実際にかかる修理費の差額を保険で埋め合わせてくれます。


そこで相手が対物超過修理費用特約をつけていれば、保険の限度額の範囲内で超過分の修理費用を払ってもらえます。




◆自分の車両保険を利用する方法


相手が特約をつけていない場合、相手に全額の修理費用を支払わせることは不可能です。


その場合には、自分が加入している「車両保険」を使って車を修理することが可能です。車両保険には免責額が設定されていることがあり、その場合には免責額までは自己負担となるので、それを超える部分を保険に負担してもらえます。


ただし車両保険を利用すると保険の等級が下がって次年度からの保険料が上がることがあるので、利用の際には保険会社によく確認した方が良いでしょう。




高級外車などの場合、通常の車以上に修理費用がかさむので、交通事故に備えてしっかり保険に入っておくべきです。事故対応で迷われたら、お気軽に弁護士までご相談ください。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

ひき逃げの場合、慰謝料が普通より増えると聞きました。ひき逃げ以外にどんな事情があると慰謝料は増えますか

2019年02月20日
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ひき逃げの場合、慰謝料が普通より増えると聞きました。ひき逃げ以外にどんな事情があると慰謝料は増えますか


たとえば相手が飲酒していたり無免許だったり危険運転をしていたりした場合、被害者が離婚した場合や失業した場合など、通常よりも被害者の精神的な苦痛が大きくなると考えられるケースで慰謝料が増額されます。


交通事故 : 慰謝料


◆慰謝料が増額される要因について


人身事故の被害者は、加害者に対して慰謝料請求できますが、慰謝料とは「被害者が受けた精神的苦痛に対する賠償金」です。


そこで通常一般のケースよりも被害者が受けた精神的苦痛が大きいと言える事情があれば、一般的な相場よりも慰謝料が増額される可能性があります。


具体的には以下のような事情があると、慰謝料が高額になりやすいです。




◆慰謝料の金額に疑問があれば弁護士にご相談ください


交通事故の慰謝料には一応の相場はありますが、現実に決定する際にはケースに応じた調整が行われます。


被害者が特に強い精神的苦痛を受けた事情があるならば、慰謝料を増額してもらえる可能性があります。


保険会社が提示してきた慰謝料の金額に納得できないのであれば、示談書にサインしてしまう前に、一度弁護士までご相談ください。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

| 慰謝料 |

交通事故の後、温泉治療を受けています。温泉治療の治療費は支払われますか

2019年02月19日
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交通事故の後、温泉治療を受けています。温泉治療の治療費は支払われますか


温泉治療の治療費は、基本的には交通事故の損害として認められません。ただし医師による指示があって治療が有効でかつ必要性がある場合には、費用の一部が支払われる可能性があります。


交通事故 : 温泉治療


◆温泉治療費は、基本的に認められない


交通事故で身体のさまざまな箇所に痛みが発生したとき、温泉治療が有効なケースもあります。そのような場合、温泉治療のための宿泊費や入湯費用などは、治療費として認められるのでしょうか?


この点、日本において温泉は「治療方法」と認識されているものではなく、どちらかというと「レジャー」「観光」ととらえられています。


確かに温泉に入ることによって調子が良くなる方もいますが、どの程度改善効果があるかは人によってさまざまです。科学的、医学的に、温泉による治療効果が研究実証されているとも言えません。


そのような中で、温泉旅行をすべて治療費と認めていると、本当は治療の必要がなくても遊びで温泉に出掛けて保険会社に費用を請求するものも現れるでしょう。


そこで、交通事故に遭った被害者が温泉に行ったからと言って、その利用代を「治療費」として請求することは、基本的に認められません。




◆例外的に温泉治療の治療費が認められるケース


ただし例外的に、温泉治療代が交通事故によって発生した損害として認められるケースがあります。


それは医師による指示があり、治療のために有効で必要性があると認められる場合です。


このようなケースでは、温泉治療が有効な治療として認められるので、費用を請求可能です。
治療費として認められる場合、旅館などの宿泊代、現地への交通費、温泉施設への入湯代など、すべて請求可能です。




◆治療費として認められる金額について


医師が温泉治療の有効性と必要性を認めたとしても、かかった費用を全額請求できるわけではありません。


温泉治療費のすべてに交通事故との因果関係が認められるとは限らないからです。


どのくらいまで認められるかはケースにもよりますが、過去の裁判例を見ると、かかった費用全額の60%程度に減額するものなどがあります。




◆自己判断で治療を受ける前に弁護士に相談を


温泉治療を例に出しましたが、交通事故後の治療費には、認められるものとそうでないものがあり、素人の方には判断がつきにくいものです。


自己判断で費用負担して治療を受けても後で請求できないと判明するケースがあるので注意が必要です。


交通事故被害者の皆様が通われる「整骨院」に通う際にも注意しなければならない問題点が多々あります。




交通事故後の治療関係で疑問や不安をお持ちの場合には、お気軽に弁護士までご相談ください。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

| 治療費 |

私は個人事業主なのですが、どのように休業損害を計算すればいいのですか

2019年02月18日
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私は個人事業主なのですが、どのように休業損害を計算すればいいのですか


個人事業主の場合には、前年度の確定申告書の所得を「基礎収入」として休業損害を計算します。ただし固定経費や青色申告の控除額は加算することが可能です。赤字の場合や無申告の場合などには、計算方法に工夫が必要です。


交通事故 : 休業損害


◆基本的な休業損害計算方法


個人事業主の場合も給与所得者の場合にも、休業損害の計算式自体は同じです。


●1日あたりの基礎収入×休業日数


ただ、1日あたりの基礎収入の計算方法が、給与所得者と個人事業主とで大きく異なります。


個人事業主の場合には「事故の前年度の確定申告書」の「所得」の数字を使います。ただし、損害保険料や地代家賃などの「固定経費」については休んでいても必ず支払いが必要なので補償が必要ですし、青色申告控除額については実際に支払った経費ではないので、これらについては所得に加算することが認められます。


以上より自営業者の場合、事故の前年度の確定申告書の「所得+固定経費+青色申告控除額」を365日で割り算して、「1日あたりの基礎収入」を計算し、それに「休業日数」をかけた分が休業損害となります。




◆赤字の場合


個人事業主の場合、赤字申告のケースがあるものです。その場合、上記の計算方法では休業損害が0やマイナスになってしまいます。


ただ赤字であっても生活している以上、何らかの収入はあるはずです。


そこで赤字申告の個人事業主の場合、従前の所得の推移などを参考にして業種や年齢、学歴別の平均賃金を基礎収入としたり、固定経費を収入とみなしたりして、休業損害を計算する方法があります。




◆無申告の場合


個人事業主の場合、中には申告をしておられない方もいます。申告をしていないと、確定申告書を参考資料にすることはできません。


その場合でも、休業損害が認められる可能性はあります。ただしそのためには、売上げの入金通帳や売上げと経費の帳簿など、実際に収入があったことを示す資料が必要です。


また資料がある場合でも、主張金額が全額基礎収入に算定されるわけではありません。


所得の申告と納税は国民の義務であり、無申告になると裁判所の心証も良くはありませんし、これを機会に追徴課税されるリスクも高くなりますから、日頃から申告と納税はきちんと行っておきましょう。




◆過少申告の場合


過少申告のケースでも、無申告と似た問題が発生します。


申告書に記載しているより多くの収入があったと証明できれば多めの休業損害を認めてもらえる可能性もありますが、どこまで認められるかはケースバイケースですし、やはり税務上のリスクが高くなります。




個人事業主の場合、休業日数についても保険会社から否定されるケースが多く、トラブルになりやすいです。お困りの際には、弁護士までご相談ください。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

車を運転していなかったにも関わらず、責任を負うことがあると聞きました。これはどんな場合を言っているのですか

2019年02月15日
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車を運転していなかったにも関わらず、責任を負うことがあると聞きました。これはどんな場合を言っているのですか。


運行供用者責任や使用者責任が発生するケース、監督者責任が発生するケースなどでは運転していなかった人にも責任が発生する可能性があります。


交通事故 : 運行供用者責任


◆運行供用者責任とは


運行供用者責任とは、自賠法3条に規定されている責任です。「運行支配」と「運行利益」を得ている人に、事故発生の責任を及ぼすものです。


事故が発生した場合、事故を起こした当事者に責任があるのは当然ですが、車を運転させることによって利益を得ている人や実質的に運転を支配している人も、同じように責任を負うべきです。そこで実際に運転をしていなくても「運行支配」「運行利益」があれば、交通事故の責任を負うのが運行供用者責任です。


運行供用者責任を負うのは以下のような人です。


ただし、適切に管理していたのに車を盗まれて事故を起こされた場合の所有者や、リース契約のリース会社、利用者が規約違反で期間終了後も勝手に車を乗り回していた場合のレンタカー会社などには、運行支配も利益もないので運行供用者責任は発生しないと考えられています。




◆使用者責任とは


使用者責任が成立する場合にも、運転者でない会社(雇用者)に交通事故の責任が発生します。


使用者責任とは、被用者が業務に際して不法行為を行ったとき、使用者も連帯して不法行為責任を負うものです。使用者は従業員を使うことによって利益を得ている以上、それによる損害も負担するのが公平という考えにもとづきます。従業員が社用車を運転していて事故を起こした場合には、雇用主には「使用者責任」が発生します。


使用者責任が成立する場合、使用者は自ら運転をしていなくても、従業員と連帯して被害者への損害賠償をしなければなりません。


運転に使われていたのが会社名義の社用車の場合、運行供用者責任と使用者責任が同時に成立する可能性もあります。




◆監督者責任とは


監督者責任についても押さえておきましょう。監督者責任とは、責任無能力者が不法行為を行ったときに、監督義務者に成立する責任です。


12歳程度の知能のない者のことを「責任無能力者」と言います。そこで、小学生以下の子どもが勝手に車やバイクを動かして人に怪我をさせたら、親が交通事故の責任を負うこととなります。


同様に、重度の認知症の高齢者などが勝手に車を運転した場合にも、家族に責任が発生する可能性があるので注意が必要です。




以上のように、自分が運転していなくても交通事故の責任が及ぶケースはいくつもあります。車の保管や管理には十分注意しましょう。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

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プロフィール
よつば総合法律事務所
千葉県最大級の法律事務所。弁護士16名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
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