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交通事故知識ガイド高次脳機能障害Q&A

高次脳機能障害の等級が裁判で変わることはありますか。

弁護士からの回答

弁護士川崎翔の画像解析

5級、7級、9級の判断は難しいことが多く、裁判で等級が変わることもあります。

高次脳機能障害の等級について

高次脳機能障害の場合、後遺障害等級としては、1級、2級、3級、5級、7級、9級、12級、14級、非該当という可能性があります。

  • 1級 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
  • 2級 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
    →1級、2級は特に介護の必要性という観点から定められています。
  • 3級 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
    →1級、2級、3級は労働能力喪失率は100%です。
  • 5級 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  • 7級 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  • 9級 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
    →5級、7級、9級の判断は、自賠責保険でも判定が微妙なことが多いです。総合評価となるため、当初申請と異議申立では等級が変わることもあります。また、裁判においても、等級の変更が認められやすい部分です。
  • 12級 局部に頑固な神経症状を残すもの
  • 14級 局部に神経症状を残すもの
    →高次脳機能障害と判断された場合でも,症状が改善した場合には12級,14級という判断もあります。また、非該当と判断されることもあります。

自賠責保険の判断と裁判の判断について

自賠責保険の場合、自賠責調査事務所の顧問医(脳神経外科)等が書面審査により判断します。すなわち、画像所見、意識障害の所見、神経心理学的検査の所見、日常生活状況の報告書などを元に判断をしていきます。他方、裁判の場合には、裁判官が全ての資料を精査した上で等級の判断を行います。

実際にどの程度労働能力の喪失が発生しているかという点やどのくらい日常生活に支障が発生しているかというような点も踏まえた判断がなされます。裁判の場合には、証拠は書面のみには限られませんので、被害者が裁判所で話した内容も証拠となります。

裁判の提起は慎重に

高次脳機能障害の場合、自賠責の等級が意外と高いという事案もあります。
そのような場合、裁判を提起すると、保険会社側が、自賠責の等級以下の等級を主張してくる事案も多々あります。

特に、労働能力があまり喪失していない場合、日常生活への影響が少ないような事案では、自賠責の等級以下の等級の判決となってしまうこともあります。

高次脳機能障害の事案の場合、裁判の提起は専門家の分析を踏まえた上で慎重に行った方がよいでしょう。特に、5級、7級、9級は判断が難しく、自賠責の等級が裁判で変わることも多々あります。

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