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交通事故の注目の裁判例

2015/12/11 更新

事故後9ヶ月後の手術と症状固定時期

大阪地裁 平成27年3月12日判決

自保ジャーナル1951号

今回紹介する裁判例は、(1)事故態様及び過失相殺、(2)症状固定時期及び後遺障害の内容、(3)損害額が争点になりました。かかる争点のうち、今回は、(2)症状固定時期について解説致します。

本件では、原告は平成22年12月17日に交通事故の被害に遭い、拇指側副靱帯損傷等の傷害を負いました。平成23年3月15日の診断時に原告拇指MP関節側副靱帯のゆるみが認められ、同年4月5日の診察時に医師との間で手術時期の相談がなされました。しかし、実際に手術が行われたのは、同年9月29日でした。

これに対して、被告は、原告の拇指MP関節の靱帯再建術は適切な手術時期を逸しており、遅くとも平成23年9月27日までに症状固定に至っていると主張しました。

裁判所は、症状固定時期について、以下のような判断を下しました。

原告の拇指MP関節側副靱帯の再建手術は、本件事故から約9ヶ月を経過してから実施されたものであるが、  

  1. 手術を検討し始めたのが事故から4ヶ月後だったこと
  2. 原告は平成23年6月末までは仕事をしながら通院治療を続けており、手術時期については、仕事の状況もみながら検討せざるを得なかったこと
  3. 病院のカルテ上、医師が早期の手術を勧めたような記載はないこと
    から考えて、手術時期が遅きに失するということはできないとして、原告の主張する手術から3ヶ月後の平成12月20日を症状固定の時期としました。

【コメント】

治療期間が長期になると、相手方より症状固定の時期を争われることがあります。特に、本件のように手術の時期が事故から空いている場合には、問題になります。本件の裁判例は、手術に至った経緯のみならず、被害者の仕事の状況も考慮した上で判断がなされており、評価できる裁判例であると考え、ご紹介致しました。

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