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交通事故の注目の裁判例

2016/04/18 更新

夫婦で店を経営していた場合の妻の休業損害

東京地方裁判所 平成27年8月21日

今回紹介する裁判例は、夫の経営する店で一日中働いていたが女子労働者の平均の収入を下回る妻が交通事故に遭って休業した場合の休業損害の算定方法について判断した裁判例です。

一般的に、裁判所は、主婦が職業を有している場合、現実収入と女子労働者の平均賃金の高い方を基礎として休業損害を算定する傾向にあります。

そして、本件において原告は、本件事件当時、店にいる時間外に掃除洗濯等を行う主婦でもあったので、税務申告上の給与を元に計算するのではなく、賃金センサスに基づいて休業損害を計算すべきであると主張しました。

ところが、本件において裁判所は、原告の上記主張を排斥し、専従者として税務申告されていた月額8万円を休業損害算定の基礎収入として認定しました。
このように認定した理由として、裁判所は以下の事情を挙げており、賃金センサスを下回ることについても不合理ではないと。

  1. 被害者が夫の店で朝9時から夜11時過ぎまで1日中働いていたことが認められ、被害者が家事従事者に当たると評価することは困難であったこと
  2. 原告の給与については、専従者として税務申告上月額8万円と申告されており、実収入がこれを上回ると認めるに足りる証拠がないこと
  3. 被害者の夫がこのような申告をしていたこと

家事従事者であると認定された場合、女子労働者の平均賃金を基礎として休業損害の算定が行われていたものと考えられ、現実収入よりも休業損害として認定される額について上積みが期待できた事案であるといえます。一日中働いていても、専業主婦の場合よりも損害が少なく認定されるケースとしてご紹介させていただきました。

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