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交通事故の注目の裁判例

2016/10/11 更新

75歳女性主婦の休業損害・逸失利益

東京地裁 平成28年1月22日判決

自保ジャーナル1972号

高齢女性主婦の休業損害・逸失利益については、基礎収入をいくらと算定するかが争点になることが多いです。

本件では、75歳女性主婦が、横断歩道を横断中に自動車に衝突され、股関節機能障害から10級の後遺障害等級が認定されました。裁判では、特に、休業損害と逸失利益の算定方法が争点になりました。

これについて、裁判所は、以下のような判断をしました。

  1. 休業損害について
    事故前は炊事、選択、掃除等の家事を主として行っていたこと、退院後も、それらの家事をやっていたが、いずれも事故前より簡易な方法によらざるを得なかったことに鑑みて、基礎収入は賃金センサス女性全年齢平均賃金を基礎とした上で、入院期間中は100%、退院後は症状固定までの期間を50%の割合で、休業損害を認定した。
  2. 逸失利益について
    女性の年齢や身体状況、生活状況を考慮すると、休業損害の場合とは異なり、生涯を通じて、賃金センサス女性全年齢平均賃金に相当する労働を行い得る蓋然性は認められないとして、基礎収入は賃金センサス女性70歳以上平均を基礎とした上で、労働能力喪失率を27%(後遺障害等級10級相当)として、平均余命まで逸失利益を認めた。

【コメント】

高齢女性主婦の休業損害及び逸失利益の算定にあたっては、基礎収入をどのように評価するかが大きな争点になります。
一般的には、高齢女性主婦については、賃金センサスの女性全年齢平均賃金以下で評価されることが多いとされております。

もっとも、本件のように、家事労働の実態を重視して、高齢女性主婦であったとしても、賃金センサス女性全年齢平均賃金が採用されることもあります。このように、裁判では、年齢だけでなく、具体的に事故前後を通じて、どのような家事労働を行っていたかが重要になります。

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