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交通事故の注目の裁判例

2017/02/06 更新

17歳女子高校生の死亡逸失利益の基礎収入

神戸地裁 平成28年5月26日判決

自保ジャーナル1982号

今回は、17歳女子高校生の死亡逸失利益について賃金センサス男女計平均を基礎収入にして計算した裁判例をご紹介します。

被害者(17歳女子高校生)は、被告が運転する乗用車に同乗していました。被害者は、被告が先行車を追い抜こうとしたときに中央分離帯等に衝突して横転した事故で、死亡しました。そこで、被害者の家族が、被告に対して損害賠償請求した事案です。

本件では、過失相殺の有無や、損害額について争いがありました。以下では、損害額のうち、逸失利益の基礎収入に関する裁判所の判断をご紹介します。

被告側は、基礎収入は賃金センサスの女性の全年齢平均353万9,300円(女子学歴計全年齢平均)とすべきだと主張しました。これに対して、裁判所は、おおむね次のような判断をして、基礎収入を賃金センサスの男女の全年齢平均468万9,300円(男女学歴計全年齢平均)としました。

  1. 被害者については、①高校に在籍し、単位の取得状況も順調だった、②親の海外赴任に伴い、海外に居住し、現地の小学校に通い、友人関係も含め、現地に溶け込んだ生活をしていた、③被害者は、親との間で大学進学が話題に上ることはあったが、具体的な受験準備等は始めていなかったことが認められる。
  2. このような事情に鑑みれば、逸失利益を算定するにあたっての基礎収入は、平成25年賃金センサス男女計・学歴計・全年齢平均の468万9,300円とし、生活費控除率を45%とするのが相当である。

本件のように学生の死亡逸失利益を算定するときは、基礎収入の金額によって逸失利益の金額が大きく異なるため、基礎収入額を慎重に検討する必要があります。たとえば、被害者の方が高校生の場合で、大学に進学する可能性が高かったときには、基礎収入は大卒の全年齢平均賃金で検討することになります。

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