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交通事故の注目の裁判例

2017/09/27 更新

頸髄損傷と等級認定

東京地裁平成29年1月30日判決

自保ジャーナル1997号

今回は頸髄損傷(脊髄損傷)についてとりあげたいと思います。

本件は、頸髄損傷により1級の後遺障害が残存したと主張する被害者に対し、頸髄損傷は認められず、後遺障害は14級にとどまると認定した事案です。

本件事故は自転車と自動車の出会頭の衝突事故です。被害者は頸髄損傷による四肢麻痺の後遺症が残存したと主張していました。

しかし、裁判所は

  1. ①MRIの画像上、症状を基礎づける髄内の輝度変化が認められない。
  2. ②外力により脊髄症状が発症したとすれば48時間から72時間以内に発症するか、増悪すると考えられるが、本件事故4日後には歩行しており、筋力測定値や握力測定値が一定しておらず、外力による器質的な損傷による脊髄症状とは言えない。

と判断し、1級の主張を退けています。
もっとも、事故後上下肢と感覚障害や痺れが一貫しているとして14級の後遺障害を認めています(なお、深部腱反射に左右差はなく、病的反射もないことから、12級の後遺障害ではないと述べています。)。

頚髄損傷(脊髄損傷)による麻痺等を立証するためには、画像所見と画像所見と一致する症状があることが重要です。また、神経学的所見が整合的であるという観点からも検証する必要があります。本件は交通事故の専門部署である東京地裁民事27部の判決ですので、その判断過程は被害者側としても参考にすべきものといえるでしょう。

(文責:弁護士 川﨑 翔

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