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交通事故の注目の裁判例

2017/11/21 更新

7歳男子の顔面醜状について、逸失利益を否定したが、慰謝料増額事由として考慮した事例

名古屋地裁 平成29年1月25日判決

自保ジャーナル1995号

今回は、7際の男子が交通事故に遭い、12級14号の後遺障害(顔面醜状)が認定された事案において、顔面醜状の逸失利益を否定したが、慰謝料増額事由として考慮した裁判例をご紹介します。

被害者(7歳男子)は、信号のない交差点を横断中、被告乗用車に衝突され、顔面切創、顔面部打撲等の傷害を負い、12級14号の後遺障害(「男子の外貌に著しい醜状を残すもの」)が認定されました。

原告は、訴訟において、上記顔面醜状につき、約837万円の後遺障害逸失利益を主張しましたが、裁判所は、概ね下記の通り判示して、逸失利益を否定しています。

  1. 傷跡の位置や大きさ・形状からすると、目立つものとは言い難いものがある。
  2. 比較的目立つ位置に、小さくはない傷跡があり、これは将来における円滑な人間関係の形成や職業選択の範囲等に間接的な影響を与える可能性は認められる。
  3. ただし、傷跡の状況や、時間の経過に伴い目立たなくなっていくことも考慮すれば、それ以上に将来における労働能力の喪失に直接繋がるものとまでは評価できない。

もっとも、「将来における労働能力の喪失を認めるに足りるものとまでは認め難いものの、慰謝料額の増額事情として考慮するのが相当である」として、110万円の後遺障害慰謝料の増額を認定しました。

顔面醜状については、①逸失利益を認定するもの、②逸失利益としては認定しないが、慰謝料増額事由として認定するもの(本判決)、③逸失利益も慰謝料増額事由も否定するもの、といったように、ケースバイケースでの判断がなされる傾向にあります。

その判断においては、傷の部位・程度、職業の内容(接客業、俳優業であるか等)、減収の有無等、諸般の事情が考慮されますので、このような事情を具体的に主張・立証できるかがポイントになってきます。

(文責:弁護士 村岡 つばさ

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