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交通事故の注目の裁判例

2018/08/09 更新

初度登録から2年のレクサスの評価損を時価額一売却額の104万と認定した事例

東京地裁 平成29年11月28日判決

自保ジャーナル2014号

今回は、初度登録から2年のレクサスの評価損を時価額一売却額の104万と認定した裁判例をご紹介します。

被害者である原告は、原告会社がリース契約をしていた初度登録から2年のレクサスを運転して直進していたところ、左方路から、左折進入してきた被告運転の普通貨物車に衝突されたという事故です。原告は、人身損害として93万518円、物的損害として541万496円を求めて訴えを提起しました。

原告の評価損の主張は、本件事故発生前に原告車を1,080万円で売却する予定であったにもかかわらず、本件事故による損傷のために売却価格を750万円に改めざるを得なかった、原告車の売買により得べかりし利益330万円を請求するというものでした。

それに対して、裁判所は、初度登録から2年のレクサスを時価額854万円、交換価値750万円と認めて、評価損として104万円を認定しました。

裁判所は「レッドブックによる評価額は854万円」とレッドブックを基準に考え、原告が主張している1,080万円という価格は「原告車の適正な時価とみるには過大であるといわざるを得ず、原告会社主張の原告車売買により得ベかりし利益をそのまま本件事故による損害と認めることはできない」とする一方、「原告側、被告側双方の保険会社による原告車の修理費用の協定に当たっては、上記のレッドブックによる評価額に従い、本件事故当時の原告車の時価を854万円と算定していることが認められることも考慮すると、本件事故当時の原告車の時価は854万円であると認めるのが相当である。」と判断しています。

そもそも、評価損とは、車が事故により損傷し、十分な修理を行っても、技術的な限界などから、外観や機能に欠陥が残存する、又は、事故歴により隠れた損傷があるかもしれない、縁起が悪いなどの理由により中古車取引市場で価格が下落することがあり、事故前との比較において、それらの価格の低下による損害のことをいいます。修理後も欠陥が残存している場合では、裁判例上評価損が認められる傾向にあります。他方で、欠陥は残存していないが、事故歴により取引価格が下落する場合では、評価損が争いになるケースが多いです。

裁判例における評価損の算定方法についても、事故前のあるべき時価と修理後の価値の差額を求めているもの、修理費の一定割合としているもの、事故時のあるべき時価の一定割合としているものなど様々です。

今回紹介した裁判例の事案は、事故歴により取引価格が下落する場合において、事故前のあるべき時価をレッドブックにより算定して、修理後の価値との差額を評価損と認定しました。

(文責:弁護士 辻 悠祐

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