メニュー

交通事故の注目の裁判例

2019/01/16 更新

自賠責12級7号左足関節機能障害等により併合11級認定の30歳男子調理師について、裁判で併合9級が認定された事例

神戸地裁 平成30年4月12日判決

自保ジャーナル2028号

今回は、自賠責12級7号左足関節機能障害等により併合11級認定の30歳男子調理師について、裁判で併合9級が認定された裁判例をご紹介します。

平成24年10月12日午後11時頃、被害者である30歳男子調理師が自動二輪車を運転して直進中、左方の一時停止道路から右折進入してきた自動車に衝突され、左脛骨腓骨遠位端骨折等の傷害を負い、60日以上の入院、460日以上の通院を余儀なくされました。その結果、自賠責12級7号の左足関節機能障害、自賠責12級の左足醜状障害から、併合11級の後遺障害が認定されました。しかし、10級11号の左足関節機能障害、12級の左足醜状障害から、併合9級の後遺障害を残したとして、被害者が訴えを提起しました。

裁判所は、

  • 左脛骨腓骨遠位端開放骨折という重傷であったこと
  • 本件事故から間もなく、2階の観血的整復内固定術を受けたこと
  • 症状固定の約9か月半後、病院を受診し、足関節の変形性関節症変化が進行している旨の指摘がなされたこと
  • 医師作成の照会事項兼回答書、医師作成の意見書によれば、症状固定時に骨癒合が得られていたものの、左足関節の変形性関節症が存在していた。変形性関節症により、左足関節可動域制限が発生・増悪した

として、原告に器質的損傷の発生を認めるのが相当としました。

その結果、「1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの」として、後遺障害等級10級11号相当の左足関節機能障害の後遺障害を認めました。そのため、後遺障害等級10級11号相当の左足関節機能障害と後遺障害等級12級相当の左下腿醜状障害が認められるとして、後遺障害等級併合9級相当の後遺障害を認めるとして、併合9級の後遺障害を認定しました。

通常、後遺障害が残る事案の場合、自賠責調査事務所が後遺障害等級を認定します。そして、認定された等級(1級から14級)を元に加害者加入の任意保険会社との交渉を行うというパターンが一般的です。交渉や裁判の場合、自賠責調査事務所の判断が前提となることがほとんどです。自賠責の認定重視が、裁判所の実務です。

しかし、明らかに自賠責調査事務所の認定が、被害の実態と合致していない事案も存在します。そのような場合、医師への面談、意見書の取得などを経て、裁判で徹底的に争うこととなります。本件でも、医師の意見書などが提出されています。
具体的な証拠を基に、主張立証を尽くしていくことが大事であることを再認識することとなった裁判例でした。

(文責:弁護士 根來 真一郎

交通事故の注目の裁判例

ご相談から解決までの流れ