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交通事故の注目の裁判例

2019/01/23 更新

追突され自賠責14級9号認定の49歳男子の中心性脊髄損傷を認め9級10号後遺障害を認定した事例

名古屋地裁 平成30年4月18日判決

自保ジャーナル2026号

今回は、追突事故により自賠責14級9号認定の49歳男子の中心性脊髄損傷を認め9級10号後遺障害を認定した事例した裁判例をご紹介します。

この事案は、平成25年3月27日午後6時40分頃、両親を介護する49歳男子翻訳業の原告が乗用車を運転しており、信号待ち停止中に、被告運転の普通貨物車に追突され、先行車に玉突き追突して、約1年1か月通院し、頸部痛や背部痛等から自賠責14級9号後遺障害認定を受けるも、中心性脊髄損傷による四肢の神経症状から7級4号後遺障害を残したとして訴訟を起こしたものです。

この事案で、裁判所は、「原告は、C整形外科を受診した平成25年3月30日には、右手指の巧緻性にかかる症状を訴えていたものと、そして10秒テストの結果では右に異常のあったことを認めることができる。」「診療録には「手指の痺れ(-)」と記載され、MRI検査は平成25年5月11日になってから実施されているものの、右手指の症状に関する原告の説明は上記経緯に照らし信用できることに加え、B病院からC整形外科に宛てた診療情報提供書には「交通事故の患者さんで、右頸部とその周辺の痛みがあります。神経学的所見はなく、XP上もC5/6に加齢変化有るほかは優位な物はありません。」とあることを勘案すると、C整形外科の担当医は、原告の訴える症状については、追突事故によるいわゆるむち打ち症による症状に包含されるものと理解していた可能性が高いというべきであり、それにもかかわらず原告の訴えが続いたため、MRI検査に至ったものと理解するのが相当であって、MRI検査までに1ヶ月半程度の時間が経過していることを重視することはできない。」「したがって、本件事故後の症状経過に関する原告の説明は、基本的にはこれを信用することができ、被告の主張するように、右手指の症状や四肢のしびれに関する症状が、平成25年6月頃から発現したものであって本件事故との時間的近接性に欠ける、などとは到底言えず、むしろ本件事故直後からその症状は発現していたものと認めることができる。これは、本件事故の態様、そこから窺われる衝撃の程度からも十分首肯できるところである。」「以上のとおり、原告は、本件事故により中心性脊髄損傷、頸部捻挫、胸椎捻挫、右前腕挫傷等の傷害を負ったものと認められる。」と認定しており、事故当初の原告の症状等から中心性脊髄損傷の存在を認定しました。

この事案では、被告は「原告が本件事故により中心性脊髄損傷の傷害を負ったとは認められない。」「初診時において原告の脊髄に重大な損傷を来したことを示唆するような症状が発現した旨の記載はなく、神経学的異常所見も記載されていない。」と主張していましたが、裁判所は原告の事故後間もない時期での自覚症状、画像、症状との矛盾がないこと等を考慮して中心性脊髄損傷を認め9級10号後遺障害を認定しました。

(文責:弁護士 辻 悠祐

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