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交通事故の注目の裁判例

2019/03/11 更新

自賠責3級高次脳機能障害等併合2級を残す36歳男子の将来介護費を両親及び姉と同居等から近親者介護のみとして日額4,000円で認定した事例

東京地裁 平成30年7月17日判決(自保ジャーナル2032号)

今回は、自賠責3級3号高次脳機能障害、同10級10号右肘関節機能障害等から併合2級認定の後遺障害を残す症状固定時36歳男子の将来介護費について日額4,000円と認定した裁判例を取り上げます。

本件で被害者は、交差点の青信号横断歩道を自転車で進行中に、赤信号で進入してきた加害者の運転する普通貨物車に衝突され高次脳機能障害や右肘関節機能障害を負いました。

裁判所は、症状固定時までについては、一定の付添いの必要性があったことが認められるとして、入院264日分については日額6,500円、症状固定のもっとも遅い平成27年4月15日までの通院期間614日分については日額4,000円を認めました。

その上で、症状固定後の将来介護費については、被害者の状況はリハビリ治療の効果もあって、スプーン等であれば自分で食事をとったり、ボタン等がない服について時間はかかるものの着替えをしたり等できるほか、一定距離であれば杖等を用いて独立で歩行することも可能であり、整形外科へのリハビリ通院等の慣れた経路で遠距離でなければ付添なく電車に乗ることもできる等の改善も認められるとしました。そして、これらの被害者の症状の改善状況に加えて、被害者の父母のほか、姉も同居していることなども考慮して、その将来介護費を日額4000円として親族介護のみとするのが相当であるとして、平均余命45年間について日額4,000円で認定しました。

将来介護費については、大きくは親族介護と職業付添人介護がありますが、その判断は、今回の判例は、被害者の具体的な障害の程度やその回復状況及び、親族の内訳や同居の有無等を考慮しながら、親族介護のみが必要であると認定しました。逆にいうと、回復状況が思わしくなく、また、親族介護が困難と想定される家庭環境がある場合は、職業付添人による介護も認められる可能性が十分にあるといえます。

このようなことから、将来介護費の主張については、被害者の方の回復具合や親族との関係等諸般の事情を具体的に主張していくことが重要です。

(文責:弁護士 小林 義和

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