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交通事故の注目の裁判例

2019/05/23 更新

防犯カメラ、目撃者等から被告貨物車が73歳男子Aに衝突したと認め、10カ月後に死亡したAの後遺障害を1級とし、被告の不誠実対応から慰謝料3,000万円を認定した事例

さいたま地裁 平成30年10月11日判決

自保ジャーナル2036号

今回は、後遺障害1級の後遺障害を残す73歳男子について、加害者の対応が不誠実であった等の理由から慰謝料を3,000万円と認定した裁判例を取り上げます。

本件で、被害者は、歩道から車道へ進入した際に、進行してきた加害者が運転する普通貨物車に衝突され、脳挫傷等の重度の障害を負い、遷延性意識障害の状態に陥りました。そして、体は一切動かせず会話もできない状態でベット上での寝たきりの生活となり、その10か月後にお亡くなりになりました。

加害者は、本件事故を起したことを否認し、飛んできた段ボールにぶつかったなどと弁解をしました。

これに対して裁判所は、防犯カメラの映像で衝突車両の貨物積載部分に青色の模様があり加害者が運転していた車両の特徴と一致すること、加害車両の左前部が本件事故後間もない時点で損傷していたことが確認されること、本件事故現場に散乱していたプラスチック片と加害車両のヘッドライトの破損部位の破断面が一致したこと、目撃者が本件事故現場で急ブレーキをかけたトラックを追尾しそのナンバーを確認したところ加害車両のナンバーであったことから、Aと衝突したのは加害者が運転する車両であると認定しました。
その上で、本件事故は加害者が衝突により転倒したAを救助することなく本件事故現場から逃走し、救急車両の手配や警察への報告もしなかったひき逃げ事故であること、加害者が捜査段階及び刑事公判手続において本件事故を起したことを否認し飛んできた段ボール箱にぶつかったなどとAを冒涜するような不合理な弁解をして反省の態度をみせていないこと、そのためAは任意保険による被害弁償を一切受けられず生活保護で治療費を賄わざるを得なかったことなど、加害者の本件事故後の不誠実な対応を加味すると、後遺障害慰謝料は相応の増額がされてしかるべきでありその額は3,000万円が相当であると認定しました。

このように慰謝料については、加害者の事故後の対応において不誠実な対応があると増額される可能性があります。その際には、加害者の対応を具体的に主張して、被害者の精神的苦痛が通常よりも大きいことを主張していくことが重要です。

(文責:弁護士 小林 義和

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