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交通事故の注目の裁判例

2019/12/02 更新

路肩駐車中に被告普通貨物車に追突された男子原告の左膝内側半月板損傷及び左膝蓋骨軟骨損傷等との因果関係を認め症状固定日を1年6ヶ月後とした裁判例

大阪地方裁判所 平成31年1月24日判決

自保ジャーナル2046号

1 はじめに

今回は、路肩駐車中に2トントラックに追突され、左膝内側半月板損傷及び左膝蓋骨軟骨損傷等の傷害を負ったが、これらの診断が交通事故から1年2か月後に行われていることなどを理由として、事故との因果関係を否定され、最終的に通院の経過等の事情から裁判において事故との因果関係が認められた裁判事案をご紹介します。

2 事案の概要

本件は、原告が路肩駐車中に2トントラックに追突され、左膝内側半月板損傷及び左膝蓋骨軟骨損傷等の傷害を負ったのですが、事故後の診断が左膝打撲のみであったことやこれらの診断が交通事故から1年2か月後に行われていることなどを理由として、左膝内側半月板損傷及び左膝蓋骨軟骨損傷に関する治療費等の損害について、事故との因果関係を否定されました。そこで、原告は、左膝内側半月板損傷及び左膝蓋骨軟骨損傷等が本件事故と因果関係がある傷害であることを主張して裁判を提起しました。

3 本件における裁判所の判断

裁判所は、本件について、以下の①②の事情を踏まえると、原告に発症した左膝内側半月板損傷及び左膝蓋骨軟骨損傷と本件事故との相当因果関係を推認させる事情となるとして、本件事故とこれらの傷病の因果関係を認め、左膝内側半月板損傷及び左膝蓋骨軟骨損傷に関する治療費等の損害も本件事故と相当因果関係のある損害であるとして認定しました。

①2トントラックである被告車に追突されたことで、原告車のバンパーやクォーターパネルが損傷を受けたことからすると、本件事故の衝撃は決して小さいものとは評価できないこと、
②本件事故により、原告は左膝をダッシュボードにぶつけたこと、原告が本件事故当日から左膝の痛みを一貫して訴えていたこと、平成28年8月2日時点では左膝関節痛については局所に頑固な痛みが残存している状態であり、左膝については可動域制限が残存し、正座ができず、1時間の立位が困難であり、走ることもできない状態であり、同日時点の原告の症状は軽症とは言い難い状態であったこと
③本件事故後から平成29年3月14日(原告に左膝内側半月板損傷及び左膝蓋骨軟骨損傷等が診断された日)までの間、原告において、左膝内側半月板損傷及び左膝蓋骨軟骨損傷を発症する原因となる具体的な出来事が無いこと

4 まとめ

一般的には、事故によって負った傷病のであると認められるためには、事故直後に医師によって診断を受けていることが必要になってくることが多いです。なぜなら、事故から時間が経過した後に痛みを訴えたとしても、事故から生じたものであるのか、事故以外の何かしらの出来事から生じたものであるのか判別ができなくなるからです。

本件は、医師から診断を受けるまでの被害者の症状の訴えや事故状況などを勘案し、診断までに長期間あいだが空いているにもかかわらず、事故に基づく傷害であると認定を受けた点に注目すべき点があるとともに、証拠の積み上げによる立証活動の重要性を再認識させられる裁判例でした。

(文責:弁護士 加藤 貴紀

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