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休業損害・会社役員について(裁判基準)


1 赤い本(会社役員)
 会社役員の報酬については,労務提供の対価部分は休業損害として肯定されるが,利益配当の実質を持つ部分は消極的である。

2 青い本(会社役員)
 会社役員の逸失利益算定においては,取締役報酬額をそのまま基礎収入とするのではなく,取締役報酬中の労務対価部分を認定し,その金額を基礎として損害算定する。

3 自賠責
 1日につき原則として5700円とする。

4 解説
(1)取締役の報酬には,労働の対価という性質を有するものと共に,企業経営者として受領する利益の配当的部分があり,この部分は休業により失われないので,損害算定の基礎から除外するという考え方です。

(2)労務対価部分の認定は,会社の規模(同族会社か否か),利益状況,当該役員の地位,職務内容,年齢,役員報酬の額,他の役員・従業員の職務内容と報酬・給料の額(親族役員と非親族役員の報酬額の差異),事故後の当該役員他の役員の報酬額の推移,類似法人の役員報酬の支給状況等を参考に判断します。

(3)企業規模が零細で,法人の営業活動といっても取締役個人の営業行為と実質的に同じだという評価が可能な場合には,法人の営業利益の喪失損害が肯定されることもあります。

(4)法人の役員である場合,休業損害をきちんと認めてもらうために重要な証拠は,休業期間の役員報酬が支払われていないという事実を裏付ける証拠です。役員報酬を従前通りもらっていた場合には,休業による損害は一切発生していないと判断されてしまう可能性もあります。その場合休業損害はゼロとなってしまいますので注意が必要です。

5 事例
(1)建物解体工事・建材卸業等を目的とする会社の代表者につき,個人会社で被害者の職務内容も肉体労働が多いこと等から,月額100万円の役員報酬全額を労務の対価と認めた。

(2)貴石,貴金属卸売販売会社の代表取締役(男性・41歳)につき,役員報酬1836万円中の労務対価部分を60%とした。

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