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交通事故知識ガイド各損害の損害賠償基準の詳細解説

慰謝料の増額事由

最終更新日:2023年6月19日

監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎


慰謝料は、入通院の期間や後遺障害等級で原則決まります。ただし、一定の事由があるときは慰謝料が増額となることがあります。

この記事では慰謝料を増額したい交通事故の被害者にむけて、慰謝料の増額事由を交通事故に詳しい弁護士がわかりやすく解説します。

なお気になることがある場合、交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。

慰謝料の増額事由とは

慰謝料の増額事由とは、慰謝料を増額する一定の事実や理由です。

慰謝料は入通院の期間や後遺障害等級で原則決まります。しかし、当事者に一定の事由があるとき、標準的な慰謝料の基準を増額した慰謝料が賠償対象となることがあります。

慰謝料の増額事由の基準

では自賠責保険や裁判での慰謝料の増額事由の基準はどのようなものでしょうか?
自賠責保険では自賠責保険の支払基準の告示(金融庁)があります。
裁判では赤い本と青い本という裁判の基準をまとめた本があります。

赤い本の基準

  • 加害者に故意もしくは重過失(無免許・ひき逃げ・酒酔い・著しいスピード違反・ことさらに信号無視、薬物の影響により正常な運転ができない状態等で運転)または著しく不誠実な態度等がある場合、慰謝料が増額されることがある。

青い本の基準

  • 事故態様が悪質であったり(飲酒運転・赤信号無視等)、事故後の行動が極めて悪質(轢き逃げ、証拠隠滅、被害者に対する不当な責任転嫁など)と評価できる場合には、基準額を上回る慰謝料が認定される傾向にある。

基準の解説

当事者に次のような事由があるとき、慰謝料が増額となる可能性があります。

加害者の事情

  • 無免許運転
  • ひき逃げ
  • 酒酔い運転
  • 著しいスピード違反
  • ことさらに信号無視
  • 薬物の影響により正常な運転ができない状態での運転
  • 証拠隠滅
  • 被害者に対する不当な責任転嫁

被害者の事情

  • 流産した
  • 離婚した
  • 学校に入学できなくなった
  • 留学できなくなった
  • 留年してしまった
  • 昇進が遅れた
  • 退職になった
  • 自営業を廃業した
  • 逸失利益その他の財産的損害はないものの後遺障害認定がある場合

慰謝料増額のハードルは高い

被害者や加害者の特殊事情による慰謝料増額のハードルは高いです。特に交渉では一層ハードルが高いです。まずは通常の慰謝料の計算ルールでの適切な慰謝料の獲得を目指しましょう。

通常の慰謝料の計算ルールは次の通りです。

(単位:万円)
入通院期間に応じた別表Ⅰ
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院 53 101 145 184 217 244 266 284 297 306 314 321 328 334 340
1月 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311 318 325 332 336 342
2月 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315 322 329 334 338 344
3月 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319 326 331 336 340 346
4月 90 130 165 196 226 251 273 292 306 316 323 328 333 338 342 348
5月 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325 330 335 340 344 350
6月 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327 332 337 342 346
7月 124 157 188 217 244 266 286 304 316 324 329 334 339 344
8月 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331 336 341
9月 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333 338
10月 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335
11月 150 179 207 234 258 278 296 312 324 332
12月 154 183 211 236 260 280 298 314 326
13月 158 187 213 238 262 282 300 316
14月 162 189 215 240 264 284 302
15月 164 191 217 242 266 286
(単位:万円)
入通院期間に応じた別表Ⅱ
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院 35 66 92 116 135 152 165 176 186 195 204 211 218 223 228
1月 19 52 83 106 128 145 160 171 182 190 199 206 212 219 224 229
2月 36 69 97 118 138 153 166 177 186 194 201 207 213 220 225 230
3月 53 83 109 128 146 159 172 181 190 196 202 208 214 221 226 231
4月 67 95 119 136 152 165 176 185 192 197 203 209 215 222 227 232
5月 79 105 127 142 158 169 180 187 193 198 204 210 216 223 228 233
6月 89 113 133 148 162 173 182 188 194 199 205 211 217 224 229
7月 97 119 139 152 166 175 183 189 195 200 206 212 218 225
8月 103 125 143 156 168 176 184 190 196 201 207 213 219
9月 109 129 147 158 169 177 185 191 197 202 208 214
10月 113 133 149 159 170 178 186 192 198 203 209
11月 117 135 150 160 171 179 187 193 199 204
12月 119 136 151 161 172 180 188 194 200
13月 120 137 152 162 173 181 189 195
14月 121 138 153 163 174 182 190
15月 122 139 154 164 175 183
後遺障害慰謝料
後遺障害等級 後遺障害慰謝料
1級 2,800万円
2級 2,370万円
3級 1,990万円
4級 1,670万円
5級 1,400万円
6級 1,180万円
7級 1,000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円

関連情報

まとめ:慰謝料の増額事由

加害者に次のような事情があるとき、慰謝料が増額となることがあります。

  • 無免許運転
  • ひき逃げ
  • 酒酔い運転
  • 著しいスピード違反
  • ことさらに信号無視
  • 薬物の影響により正常な運転ができない状態での運転
  • 証拠隠滅
  • 被害者に対する不当な責任転嫁

被害者に次のような事情があるとき、慰謝料が増額となることがあります。

  • 流産した
  • 離婚した
  • 学校に入学できなくなった
  • 留学できなくなった
  • 留年してしまった
  • 昇進が遅れた
  • 退職になった
  • 自営業を廃業した
  • 逸失利益その他の財産的損害はないものの後遺障害認定がある場合

(監修者 弁護士 大澤 一郎

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