―――― 目次 ――――
- 1. 後遺障害とは?
- 2. 後遺障害認定を受けた場合のメリット
- 3. 後遺障害が認定される場合?されない場合?
- 4. 後遺障害認定手続の流れ
- 5. 適切な後遺障害の等級認定を受けるための3つのポイント
- 6. 後遺障害Q&A
- 7. まとめ
後遺障害とは?
- 後遺障害とは交通事故などにより発生した症状のうち将来的にも残ると認められた症状です。
- 残った全ての症状(後遺症)が後遺障害とはなりません。後遺障害認定を受けることにより初めて「後遺障害」となります。
- 個別の後遺障害等級の内容は以下をご参照下さい。
自賠責保険の後遺障害等級表
後遺障害認定を受けた場合のメリット
- 後遺障害認定結果に応じた保険金が支払いされます。具体的には、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益が支払されます。
- 例えば、専業主婦が頸椎捻挫後の首の痛みで後遺障害14級9号の認定を受けた場合、裁判の基準では次の金額が認められます。
後遺障害慰謝料 110万円
後遺障害逸失利益 87万4540円
合計 197万4540円
参考 逸失利益の計算式
(計算式)
(令和2年全女性平均年収)3,819,200円×(労働能力喪失率)5%×(5年のライプニッツ係数)4.5797
参考:逸失利益についての損害賠償の知識(逸失利益の箇所をご参照下さい)
参考:交通事故と慰謝料の全て
後遺障害認定がされる場合?されない場合?
後遺障害認定は個別の病名によって認定されるポイントがあります。
詳細は以下からご確認下さい。
後遺障害認定手続の流れ
1 交通事故から6カ月間以上治療を継続します。
事故から6カ月以内に治療を終了すると、自動的に後遺障害には当たらないと判断されることがありますので注意しましょう。
2 医師に後遺障害診断書の作成を依頼します。
後遺障害診断書作成前に医師にお願いしたいポイントなどを伝えることが症状によっては重要です。
3 後遺障害診断書等を加害者任意保険会社又は加害者の自賠責保険会社に送付します。
- 加害者の任意保険会社に送付する方法を事前認定と言います。
- 加害者の自賠責保険会社に送付する方法を被害者請求と言います。
4 損害保険料率算出機構の自賠責調査事務所が後遺障害の有無及び等級を判断します。
- 頸椎捻挫・腰椎捻挫などの場合、2~3カ月で結果が出ることが多いです。
- 高次脳機能障害などの場合は6カ月前後結果が出るまでにかかることもあります。
5 後遺障害の認定結果の書面が被害者に届きます。
認定結果が適切かどうか専門家に相談しましょう。
適切な後遺障害の等級認定を受けるための3つのポイント
1 事故後早い段階で一度弁護士に相談しましょう。
- 事故直後の対応を誤ってしまうと後遺障害認定がされにくくなります。
- 例えば、整骨院のみに通院をしてしまった場合、後遺障害認定は通常されません。
参考:交通事故で怪我をした場合いつ弁護士に相談すべきか?
2 後遺障害診断書を医師に依頼する前には詳しい弁護士に相談しましょう。
- 医師は後遺障害認定の専門家ではありません。
- 被害者から必要な検査をお願いしたりすることにより、適正な後遺障害診断書となります。
3 後遺障害認定の有無及び等級が妥当かどうか詳しい弁護士に相談しましょう。
- 後遺障害認定結果によって損害額は大きく変わります。
- 同じ証拠では同じ結果となることが多いです。異議申立をする場合には追加の証拠を慎重に吟味しましょう。
参考:症状固定・後遺障害の等級認定(交通事故問題解決の流れ)
後遺障害Q&A
- Q後遺障害認定結果に納得できません。どうすればよいですか?
- A不服申立を行うことが可能です。
【解説】
- 自賠責調査事務所に再度の審査を求める異議申立が可能です。
- 一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構への申立も可能です。
- Q専門家への相談の有無により特に認定に差が出やすい後遺障害はありますか?
- A次のような後遺障害は専門家の関与の有無によって認定結果に差が出やすいです。
- 頚椎捻挫・腰椎捻挫・むちうちなどの打撲・挫傷
- 高次脳機能障害
- 脊髄損傷
【解説】
まとめ
- 後遺障害認定がされた場合、認定結果に応じた保険金が支払いされます。
- 後遺障害認定を受けるには、事故から6カ月間以上治療を継続していることが原則必要です。
- 後遺障害が残りそうな事故の場合、一度詳しい弁護士に相談しましょう。