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自転車の交通事故

自転車の交通事故

自転車事故の特徴

  • 「自転車事故」には、「加害者が自転車」と「被害者が自動車」の2つがあります。
  • 加害者が自転車の場合とは、「歩いていたら自転車とぶつかって怪我をした」場合です。
  • 被害者が自転車の場合とは、「自転車で走っていたら車やバイクと衝突して怪我をした」場合です。
  • 自転車は、加害者になっても被害者になっても、自動車の交通事故とは異なる特徴がありますので要注意です。

自転車事故による怪我

  • 自転車の気軽さや手軽さに比べて、自転車事故は、重大事故になりやすいという特徴があります。
  • 自転車が「被害者」の場合、衝突の衝撃もさることながら、被害者は自転車ごと道路に倒れこみ、体や頭部を道路に強打するケースが多いです。
  • 自転車が「加害者」の場合、被害者の多くは自転車や歩行者です。衝突の衝撃そのものは車やバイクが加害者の場合に比べると大きくないかもしれませんが、被害者が転倒すれば、身体や頭部を道路に強打するおそれがあります。

自転車運転者が被害者の場合の注意点

自転車で交通事故の被害に遭った場合、重傷を負っている可能性もあります。まずは治療に専念することが何よりも大切です。

自転車事故で注意すべき病名の例

頭部を打った場合
→くも膜下出血、脳挫傷、高次脳機能障害など

  • 脳外傷があった場合、症状が後になって表れるケースや、「障害」と認識されにくい症状が残存するケースもありますので注意が必要です。
  • 例えば、怒りっぽくなる、注意が散漫になる、気力が湧かないなどの症状は気のせいだと見過ごされやすいですが、高次脳機能障害の典型的な症状のひとつです。

体を打った場合(特に尻もちをつくなど上下垂直方向に強いエネルギーが加わった場合)
→圧迫骨折、脊髄損傷など

  • 背中の打撲だと思っていたが痛みが強いのでMIR検査をしたところ圧迫骨折が見つかるケースも少なくありません。

肩や手首、膝、足首などに強い痛みがある場合
→腱板損傷、半月板損傷、手関節、足関節の骨折など

  • ただの捻挫・打撲だと思っていたら、MRI検査の結果、腱板の損傷や骨折が見つかるケースも少なくありません。
  • 特に腱板損傷や関節部位の骨折は単純XP検査(レントゲン)やCTでは見過ごされることも多いので注意が必要です。

過失割合をめぐってトラブルになりやすい、というのも被害者が自転車の場合の特徴です。

  • 自転車も道路交通法上は「車両」ですので、一般的な感覚よりも大きい過失がついてしまうことが多いです。
  • 自転車事故は、車同士の事故や車と歩行者の事故に比べると、過失割合の判断で考慮すべきことが多岐にわたります。

自転車運転者が加害者の場合における被害者の注意点

自動車の事故と自転車の事故の違い

  • 加害者が車やバイクの場合、自賠責保険の加入が義務付けられています(加入しないと車検も通りません)し、多くの人は任意保険にも加入しています。そのため、被害者は保険会社から賠償を受けられることがほとんどです。
  • 一方、加害者が自転車の場合、加害者が賠償保険に入っているとは限りません。
    近年では多くの自治体で自転車保険の加入が義務付けられていますが、守らなくても罰則がないことや、うっかり保険期間が切れていたというケースも多いことから、まだまだ「ほとんどの人が自転車保険に加入している」という状況ではありません。
  • そのため、自動車が加害者の場合、「きちんと賠償をしてもらえるか?」、「スムーズに交渉を行えるか?」という懸念を払拭するためには、まずは保険の関係を確認することがとても大切です。

自転車事故の注意点①加害者に賠償する経済力があるか分からない

  • 自転車にぶつけられて怪我をしてしまった場合、まずは加害者が保険に入っているか確認することがとても大事です。
    「自転車保険」という名前の保険に加入していなくても、加害者本人や家族の車の保険や火災保険や生命保険に、自転車事故でも使える「個人賠償保険特約」がついているケースも多いのでよくよく確認してもらうようにしましょう。
  • 加害者が保険に入っていない場合に備えて、自分側の保険で使えるものがないかもチェックしましょう。例えば、会社員の仕事中や通勤中の事故であれば自分の労災が使えます。また、自分や家族が加入している車の保険などに、治療費などを支払ってくれる保険(人身傷害保険や無保険車特約)がついていることも多いので確認することをお勧めします。

自転車事故の注意点②交渉で揉めやすい

  • 加害者が保険に入っていなくて加害者本人とやりとりをしないといけない場合、被害者の精神的な負担は計り知れません。
  • 加害者が保険に入っていたとしても、車の保険では当たり前の「示談代行サービス」がついていない、というケースもあります。そうなると、やはり加害者本人とやりとりをする必要がありますので、スムーズな賠償を受けられないおそれもあります。
  • 車の事故であれば自賠責保険が後遺障害等級の判断を行ってくれますが、自転車には自賠責保険がありません。そのため、後遺症が残ったときに後遺障害としての評価をめぐってもトラブルにもなりやすいです。
  • 揉めそうな場合、賠償請求は弁護士に委任したほうが治療に専念できます。自分や家族が加入している車の保険などに弁護士費用を支払ってくれる保険(弁護士費用特約)がついていないかチェックするのもお勧めです。

自転車が加害者である場合の被害者のための交通事故Q&A

Q自転車と歩行者の事故でも交通事故証明書は発行されますか。
Aされます。

【解説】

  • 自転車と歩行者での事故でも、交通事故であることに変わりはありませんので、車の事故と同様に警察に通報する義務があります。事故証明書も発行してもらえますので、必要に応じて取得するようにしましょう。
  • 交通事故証明書は、自動車安全運転センターのホームページや窓口、それから郵便局で取得の申請ができます。
Q自転車には自賠責保険はありますか。
Aありません。

【解説】

  • 自賠責保険がないので、加害者が自転車の場合、本人に賠償してもらうしかない、というケースも少なくありません。
Q自転車が加害者になった場合の保険にはどのような保険がありますか。
Aいわゆる自転車保険のほか、個人賠償保険が使える場合があります。

【解説】

  • 個人賠償保険は、車の保険や生命保険、火災保険に特約として付帯していることも多いです。
  • 本人が加入していなくても、家族の個人賠償保険が使える場合もあります。もし自転車保険に入っていなかった、という場合でも、自分や家族の保険を確認することが大切です。
Q相手が保険未加入でした。どうすればよいですか。
A自分側の保険で使えるものがないかも確認しましょう。

【解説】

  • 加害者が保険に加入していない場合、きちんと賠償してもらえるのかという懸念に加え、加害者本人を相手に賠償交渉を行わなくてはならないという精神的な負担も計り知れません。
  • そこで、自分側の保険にも、加害者に代わって治療費などを支払ってくれる保険(労災や人身傷害保険や無保険車特約)や、弁護士費用を負担してくれる保険(弁護士費用特約)がないか、確認してみましょう。
Q加害者の自転車運転者が未成年でした。どうなりますか。
A未成年者本人またはその保護者が賠償の責任を負います。

【解説】

  • 未成年者であっても、責任能力(自分の行為の責任を認識するに足りる能力)があれば賠償義務は免れません。通常12~13歳であれば、責任能力があると考えられています。
  • 仮に加害者が幼い子供で責任能力が認められない場合、加害者本人ではなく、その監督義務者(親権者などの保護者です)が賠償の責任を負います。
Q加害者の自転車運転者にはお金がなさそうです。どうすればよいですか。
A自分側の保険で使えるものがないかも確認しましょう。

【解説】

  • 加害者が保険に入っておらずお金もない、という場合、裁判で加害者に賠償責任を認めさせたとしても、その回収が困難になるおそれがあります。なかには、賠償を支払えないからといって破産をしてしまう人さえいます。そうなると被害者は加害者本人から賠償金を支払ってもらうことができません。
  • そこで、自分側の保険に加害者に代わって治療費などを支払ってくれる保険(労災や人身傷害保険、無保険車特約だど)がないか、確認することをお勧めします。
Q示談交渉は誰とすればよいですか。 
A加害者が入っている保険によって異なります。

【解説】

  • 加害者が示談代行サービス付きの保険に加入している場合には、担当者と示談交渉を行います。
  • 加害者が保険に入っていない場合や、入っているけれど示談代行サービスがついていない場合には加害者本人と交渉を行う必要があります。
  • 加害者が弁護士を代理人に立てる場合もあります。弁護士が付いた場合、弁護士と交渉を行うことになります。
Q加害者の保険会社と直接話ができますか。
A加害者が示談代行サービス付きの保険に加入している場合には可能です。

【解説】

  • 加害者が示談代行サービス付きの保険に加入している場合には、その担当者と話すことができます。
  • 保険に加入をしているけれども示談代行サービスがついていないという場合、柔軟に対応してくれる例がないわけではありませんが、基本的には保険会社と直接話すことはできません。
Q自転車との事故の過失割合はどうやって決めればよいですか。
A話し合いで決まらない場合には裁判等で決める必要があります。

【解説】

  • 過失割合の判断はそもそも専門的な知識が必要なうえに、自転車事故だとより複雑になります。当事者間の話し合いで合意できれば良いのですが、意見が異なる場合には、最終的には裁判などで決めてもらう必要があります。
  • 過失割合が争点になっているのであれば弁護士に相談することがお勧めです。
Q後遺障害等級認定はどうすればよいですか。
A話し合いで決まらない場合には裁判等で決める必要があります。

【解説】

  • 車の事故であれば自賠責保険が後遺障害等級の判断を行ってくれますが、自転車には自賠責保険がありません。そのため、後遺症が残ったときに後遺障害としての評価をめぐってトラブルになりやすいです。
  • 自転車の事故は自賠責保険のように中立的な立場で認定判断をしてくれる機関がありません。そのため、基本的には当事者間の話し合いで後遺障害について決めることとなります。意見が異なる場合、最終的には裁判等で中立な第三者に決めてもらう必要があります。
  • 当事者が何らかの保険に加入している場合には、その認定サービスを参考にすることもできます。ただし、あくまで一方当事者の保険会社による認定ですので、認定結果で折り合いがつかない場合には、やはり裁判などで決める必要があります。
  • 後遺障害等級が争点になっている場合には弁護士に相談することがお勧めです。

まとめ

  • 自転車の交通事故は被害者・加害者問わず揉める傾向にあります。特に、①過失割合、②後遺障害認定、③相手の賠償能力の有無などで示談交渉の際に揉めることが多いです。
  • 弁護士に相談することでトラブルを回避できる可能性もあります。詳しい弁護士に一度相談することをお勧めします。

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