弁護士費用特約がある場合の費用
ほとんどの方が自己負担額0円で弁護士に依頼できます。
弁護士に相談・依頼した場合の
費用全てが実質無料
- 法律相談
- 訴訟(裁判)費用
- 着手金
- 弁護士報酬
- 実費
保険会社から支払われる限度額
通常 300万円
重度の後遺症が残るお客様を除き、弁護士費用は実質保険会社が全額負担となります。
弁護士費用特約がない場合の費用
初回相談料
0円
着手金
0円
報酬金(完全後払い)
18万円(税込19万8千円)+獲得金額の10%(税込11%)+実費
- 実費とは、交通費や裁判所に支払う手数料などです
- 裁判の場合、追加費用として25万円(税込27万5千円)が発生します。
- 紛争処理センターを利用の場合、追加費用として20万円(税込22万円)が発生します。
弁護士費用のよくある質問
- 弁護士費用で赤字になってしまうことはありませんか?
-
弁護士費用特約がある場合
赤字にはなりません。
弁護士費用特約がない場合初回相談の際に、赤字になる可能性の有無を検討した上で、一番よい方法をご提案いたします。
- 弁護士費用特約とは何ですか?
-
車の保険などについている特約です。
弁護士費用が上限300万円まで補償されます。 - どの保険会社の弁護士費用特約も使えますか?
-
使えます。
- 保険会社から紹介された弁護士でないと弁護士費用特約は利用できませんか?
-
保険会社からの紹介の有無にかかわらず利用できます。
- 家族の弁護士費用特約でも使えますか?
-
使えることが多いです。
例えば、配偶者、同居の家族、別居の未婚の子供などは利用できることが多いです。
不明な場合、保険会社の担当者に聞いてみましょう。 - 歩行中や自転車運転中の事故でも弁護士費用特約は使えますか。
-
使えることが多いです。
不明な場合、保険会社の担当者に聞いてみましょう。 - 弁護士費用特約を利用しても自己負担が発生する場合はどのような場合ですか?
-
重度の後遺障害の場合、弁護士費用が特約上限300万円を超えることがあります。弁護士費用の自己負担が発生する可能性があります。
- 実費はどのような費用が発生しますか?
-
次のような費用などが発生します。
- 交通費
- 病院・警察などからの資料の取り寄せ費用
- (裁判を起こした場合の)裁判所の手数料
- 紛争処理センターとは何ですか?
-
交通事故の解決のためのあっせんなどを行う公益財団法人です。
- 紛争処理センターを利用する場合とはどのような場合ですか?
-
相手保険会社の示談提示額が不当な場合などです。
利用を検討する場合、事前にお客様とご相談の上で手続きを進めます。 - 裁判になってしまう場合とはどのような場合ですか?
-
相手保険会社の示談提示額が不当な場合などです。
裁判を検討する場合、事前にお客様とご相談の上で手続きを進めます。 - 交通事故と弁護士費用の詳細について教えて下さい。
-
交通事故と弁護士費用のすべて
交通事故に遭ったときには、被害者が自分でできることに限界があります。自分で示談交渉をしていると、保険会社の有利に話し合いが進んでしまい、本来受け取れるべき示談金を受け取れなくなってしまうことがあります。 適正な額の示談金を受け取るためには、法律のプロである弁護士に示談交渉や場合によっては訴訟手続を依頼する必要性が高いことが多いです。―――― 目次 ――――
- 1. 弁護士費用を支払っても弁護士に依頼すべき理由と弁護士費用の種類
- 2. 交通事故の弁護士費用
- 3. 実費・日当
- 4. 弁護士特約
- 5. 弁護士事務所選びのポイント
1.弁護士費用を支払っても弁護士に依頼すべき理由と弁護士費用の種類
交通事故に遭ったとき、弁護士に依頼すると弁護士費用がかかるから、自分で対処した方が良いと考えることがあります。 しかし、実際には、弁護士に依頼したほうがよい事案の場合には、弁護士費用を支払っても弁護士に依頼した方が、結果的にメリットが大きいことがほとんどです。 保険会社は、被害者の味方ではありません。むしろ被害者への支払額をなるべく減らした方が自社にとって利益になるので、被害者が自分で交渉をしていると、低額な「任意保険基準」によって慰謝料その他の賠償金の計算をして来ることが多いのではないでしょうか。以下では、上記のそれぞれについてご説明します。- 相談料(法律相談料)
- 着手金
- 報酬金(成功報酬金) があり、さらに、純粋な弁護士費用とは異なりますが、示談交渉や訴訟などの手続きを進めるためには
- 実費 も必要です。
相談料
相談料とは、最初に弁護士に交通事故の相談をする際にかかる費用のことです。法律相談料と呼ばれることもあります。 このときにかかる費用が「法律相談料」です。 法律相談では、弁護士に対し、交通事故事件の概要を説明して、必要な資料などを示して事件の概要を把握してもらいます。そして、被害者の希望などを伝えて、実現出来るかどうかの見通しを告げられたりアドバイスを受けたりします。 医師の問診を受けるのと近いイメージです。 弁護士に法律相談を受けるときには、相談時間を充実したものにするために、事前に必要な資料を揃えておきましょう。 交通事故証明書や相手方の保険会社から届いた書類、事故の概要について説明した図面、診断書などの資料が手元にあったら、すべてお持ちになると良いです。 当事務所では交通事故の被害者の場合には初回相談料は無料となっています。(ただし、弁護士費用特約がある場合には弁護士費用特約の範囲内で別基準となります。)最初にかかるお金
「着手金」 弁護士に交通事故事件を依頼する際には、「着手金」という費用がかかります。 着手金とは、弁護士に事件を依頼する際、当初にかかる費用のことです。これは、まとまった金額を一括で支払うのが原則であり、後に返還されることは基本的にありません。 着手金の支払いが確認できた時点で弁護士が業務を開始するのが通常です。成果に応じた「報酬」
交通事故事件を弁護士に依頼すると、「報酬金」も発生します。これは、交通事故事件が解決したときに、その解決内容に応じてかかってくる費用のことです。事件解決に成功したときに発生するものなので、「成功報酬金」と呼ばれることも多いです。 交通事故に限らず、多くの案件では、報酬金は、事件解決内容によって異なる金額になります。金銭請求をする事件の場合には、回収できた金額の〇〇%、という割合によって定めることがほとんどです。 交通事故事件も示談金あるいは損害賠償金という金銭請求を行うタイプの事件なので、成功報酬金の決め方は、回収金額(示談金や支払いを受ける賠償金の金額)の〇〇%というパーセンテージで定められていることが通常です。 具体的なパーセンテージについては、依頼する事務所によって異なるので、もし解決水準が全く同じなのであれば、なるべく成功報酬金のパーセンテージが低い事務所に依頼した方が、依頼者の手元に戻ってくる金額が大きくなるので有利です。 たとえば、示談交渉を弁護士に依頼することにより、300万円示談金が増額されたとしましょう。このとき、成功報酬金のパーセンテージが16%の事務所の場合、成功報酬金は48万円となりますので、依頼者の手元に入ってくるお金は252万円です。 これに対し、成功報酬金のパーセンテージが10%の事務所の場合には、成功報酬金は30万円となりますので、依頼者の手元に入ってくるお金は270万円になります。2.交通事故の弁護士費用
交通事故にかかる弁護士費用の種類と内容は上記の通りですが、具体的な金額は各弁護士事務所によって異なります。 これは、弁護士費用の決め方が自由化されているため、弁護士費用については、各事務所が自主判断で自由に設定して良いことになっているからです。 平成16年3月31日までは、日本弁護士連合会が定めた日弁連の弁護士報酬基準という基準に従う必要がありましたが、同年4月1日以後は、この弁護士報酬基準が撤廃されています。(1)法律相談料について
まずは、法律相談料の相場をご説明します。 法律相談料は、だいたいどこの事務所でも「30分5,000円(+税)」となっています。30分以内に相談が終わったら5,000円で済みますが、延長して1時間以内に終われば1万円になりますし、1時間30分以内に終われば1万5,000円かかります。 ただ、近年では、法律相談料を無料にしている弁護士事務所が増えています。全部無料ではなく、当初の30分だけが無料となったり、当初の1時間分が無料となったりする事務所もあります。当事務所では、交通事故の初回法律相談料は、完全に無料でお受けしています。(ただし、弁護士費用特約がある場合には弁護士費用特約の範囲内で別基準となります。) なお、法律相談料がかかるのは、事件依頼前の段階であり、実際に交通事故事件への対応を依頼した後は、法律相談料は発生しません。たとえば、示談交渉を依頼した場合、その交通事故事件についての打ち合わせや資料の検討などのために弁護士と面談する必要がありますが、そういった際にいちいち法律相談料が発生することはありません。打ち合わせなどにかかる費用は、事件依頼の着手金や報酬金に含まれていると考えられているからです。 以上のようなことからすると、当初の法律相談料は、かからない事務所に依頼する方が得になることは明らかです。 交通事故の初回相談は、最低でも1時間程度はかかることが普通ですが、その場合に1万円がかかるかかからないかの違いは大きいので、なるべくなら法律相談料が無料の弁護士事務所を探した方が良いでしょう。(2)伝統的な決め方「旧日弁連基準」
次に、着手金と報酬金の相場を確認しましょう。 これについては、日弁連が定めた旧弁護士報酬基準に従っている事務所と、それ以外の独自の報酬基準に従っている事務所があり、この2つをミックスしている事務所も見られます。 以下ではまず、日弁連の旧弁護士報酬基準にしたがっているケースをご紹介します。 日弁連の旧弁護士報酬基準では、弁護士の着手金と報酬金の計算方法について、「経済的利益」を基準とした方法を採用していました。経済的利益とは、金銭請求の場合には、請求金額や回収金額のことを言います。 着手金と報酬金とで異なる割合を採用しており、具体的には以下の通りの数字になります。【着手金の表】
経済的利益の額 着手金 300万円以下の場合 8% 300万円~3000万円以下の場合 5%+9万円 3,000万円~3億円以下の場合 3%+69万円 3億円以上の場合 2%+369万円 【報酬金の表】
経済的利益の額 報酬金 300万円以下の場合 16% 300万円~3000万円以下の場合 10%+18万円 3,000万円~3億円以下の場合 6%+138万円 3億円以上の場合 4%+738万円 (3)近年増加しているパターン「成功報酬のみ」
以上の伝統的な日弁連旧報酬基準に従う事務所に対し、近年では独自の弁護士費用計算方法を採用する事務所が増えています。 それらの事務所では、多くのケースにおいて、着手金よりも報酬金を重視しています。 着手金は、当初に支払をしますが、後になって返ってくることはありません。事件処理が思ったようにはすすまず、結果的にあまり利益を得られなかったとしても、着手金は戻ってこないのです。そうなると、着手金を支払い損になってしまうおそれがあり、依頼者にとってリスクが高いです。 反対に、報酬金がかかる場合には、実際に利益が入ってきていることが前提なので、依頼者が支払い損になることはありません。また、実際にお金が入ってきているのだから、依頼者としても支払いに躊躇することは少ないでしょう。 そこで、着手金の重点を軽くして、報酬金に重きを置くと、より依頼者の利益にかなうことになりますし、依頼者としても着手金の分足が出るおそれがなくなって依頼をしやすくなります。 このような理由から、近年では、着手金を安くして報酬金で利益を得る事務所が増えているのです。 最近よく見かけるのは、着手金一定額、報酬金〇〇円+10%などの事務所です。 どれだけ高額な請求をする場合でも着手金の金額は一定額なので、報酬金のことを考えても、比較的費用のことを心配せずに弁護士に依頼しやすいです。たさらにこの考え方をもっとおしすすめて、完全成功報酬制をとる事務所もあります。 完全成功報酬制とは、着手金を完全に無料にしている事務所のことです。 着手金がかからないので、当初費用は0円で弁護士に交通事故の対応を依頼することができます。交通事故の被害者は、示談金が入ってくるまでは多額のお金を持ち合わせていないこともあります。交通事故で働けなくなって生活不安を抱えている人もいますし、治療やリハビリのために多額の費用がかかることもあるかもしれません。 このようなとき、まとまった弁護士費用を用意するのが苦しいことは当然ですが、着手金無料の弁護士であれば、当初費用が完全に無料で示談交渉の対応を依頼できるので、何の心配も要りません。 ただし、着手金無料の弁護士が必ずしも費用が安いとは限りません。その分報酬金が高いこともあるので、注意が必要です。 たとえば、着手金は無料で完全成功報酬制をうたいながら、成功報酬金を20%としている事務所もあります。そうした事務所に依頼すると、高額な示談金を回収できた場合などには、旧報酬基準に従う弁護士に依頼した方がむしろ安かったということもあり得ます。 当事務所では、着手金は無料とする完全成功報酬制を採用しています。(ただし、弁護士費用特約がある場合には弁護士費用特約の範囲内で別基準となります。) しかも、報酬金も日弁連の旧報酬基準より低くなることも多い、18万円+10%となっているので、多くのケースにおいて、トータルの弁護士費用が安くなると思われます。(4)独自の方式と旧報酬基準を組み合わせる方法
さらに、弁護士費用の計算方法について、旧報酬基準と独自の方式を組み合わせている事務所もあります。 そうした事務所の多くは、示談交渉時には独自の計算方法を採用し、訴訟になると旧弁護士会の報酬基準に従う方式をとっています。 具体的には、示談交渉の段階では、着手金10万円、報酬金10%などとしておいて、訴訟になると、旧弁護士会報酬基準通りの計算方法となります。 こうした事務所に依頼すると、示談交渉だけで解決ができたときには着手金が低めに抑えられているので支払額が安くなることが多いですが、訴訟になると、結局高額な費用がかかってしまいます。 また、訴訟へ移行するときに、着手金の減額なしにそのまま満額の着手金支払いが必要になることが多く、旧報酬基準を採用している事務所よりもむしろ全体にかかる費用が高くなってしまうおそれもあります。3.実費・日当
(1)実費
①実費とは
交通事故事件への対応を弁護士に依頼すると、「実費」という費用がかかるケースがあります。 実費とは、その事件の処理に実際にかかる費用のことです。たとえば、相手との郵便の費用や、必要書類の取り寄せ費用や裁判にかかる印紙代などの費用です。②実費の具体的な金額
具体的に、それぞれの費用がどのくらいかかるのか、見てみましょう。 まず、郵便の費用や交通事故証明取り寄せ費用ですが、これについては数百円~数千円程度です。 病院から診療報酬明細書や診断書を取り寄せたり、レントゲン画像などの診断記録を取り寄せたりすると、数千円~数万円(枚数や病院によって異なります。)が必要になることが普通です。 裁判を起こす場合には、訴訟の印紙代と予納郵便切手が必要ですが、印紙代については、訴訟で請求をする金額によって異なります。 100万円を請求する事件なら印紙代は1万円ですが、300万円を請求する事件なら印紙代は2万円となり、500万円の事件なら3万円、1000万円の請求なら5万円、3000万円の請求なら11万円などとなっています。 ただ、原告(訴える人)に資力がなく、訴えにより勝訴の可能性が高い場合には、訴訟救助といって、印紙代を後払いさせてもらえるケースもあるので、印紙代が高額になるからといって、訴訟を諦める必要はありません。 裁判を起こすときにかかる予納郵便切手は、各地の裁判所によって少々異なりますが、だいたい5000円~7000円くらいです。 訴訟の場合にかかる実費で高額になることが多いのは、謄写費用です。 謄写費用が必要になるのは、証人尋問が行われた後に尋問の調書を謄写する場合などですが、このときの謄写費用(コピー代)が1枚について20円~40円くらいかかります。そこで、ちょっとした尋問手続きがあると、一気に謄写費用が1万円、2万円になってしまいます。 以上のように、交通事故が訴訟になると、数万円以上の実費がかかることになります。 弁護士に依頼しないで自分で訴訟を起こした場合にもかかりますが、弁護士に依頼すると、弁護士が支払をしてくれるので、実費分を弁護士に預ける必要があります。(2)日当
弁護士に交通事故事件の対応を依頼すると、日当がかかるケースがあります。日当とは、遠方への出張などによって、弁護士に1日や半日以上時間を割いてもらった場合にかかる費用です。 たとえば、事故現場が遠いので、1泊2日で現場検証をしてきてもらった場合などには、2日分の日当がかかりますし、1日出張が必要になった場合には1日分の日当が必要です。裁判所が遠方になったケースでも、裁判所への出頭のために1日かかったら1日分の日当が必要になります。 日当の金額も事務所によって異なりますが、だいたいの相場があり、具体的には、1日あたり3万円~5万円程度になるのが標準的です。 遠方の裁判所へ何度も出張に行ってもらうケースだと、新幹線代や飛行機代などの交通費だけでも高額になる上、高額な日当がかかるので、かなり大きな負担になることがあります。そこで、弁護士を探す場合には、なるべく裁判所に近い弁護士に依頼する方が費用を節約できます。 また、日当は遠方への出張がなければ発生しないものなので、特に出張を必要とする事情がないケースでは不要です。なお、当事務所では、交通事故の場合、日当は発生しません。(ただし、弁護士費用特約がある場合には特約で支払われる範囲内で別基準となります)4.弁護士特約
交通事故の弁護士費用は、決して安いものではありません。着手金無料の弁護士を利用しても、多額の示談金が入ってきたら、数十万円単位の支払いが必要になります。 ただ、これらの弁護士費用がすべて不要になるケースがあります。 それは、弁護士特約を利用できるケースです。5.弁護士事務所選びのポイント
以上のように、弁護士費用にはいくつもの種類があり、それぞれの事務所によって採用する計算方法が異なるので、依頼者の立場からすると、どの事務所を選べば良いかがわからないことが多くあります。 ただ、重要なのは着手金と報酬金の部分であり、これについては完全成功報酬方式を採用していて、なおかつ成功報酬金が安いことが一番です。 当事務所では、依頼者様にとって負担がもっとも少なくなるよう、完全成功報酬方式を採用していて、報酬金の設定も旧報酬基準と比べて高くはしておりません。(ただし、弁護士費用特約がある場合には弁護士費用特約の範囲内で別基準となります。) これは、せっかく弁護士に依頼したのに、金銭的なメリットがなかったという事態にならないようにするためです。また、当事務所では培ったノウハウを生かして、交通事故被害に遭い悩まれている方を少しでも多く救いたいという想いとこだわりがありますので、ご依頼をいただきやすい費用体系にしています。 この記事を読めば、交通事故事件にかかる弁護士費用のすべてがわかりますので、被害者の方は、是非とも依頼する弁護士事務所選びの参考にしてみてください。 - 交通事故と弁護士費用特約の詳細について教えて下さい。
-
交通事故と弁護士特約のすべて
交通事故に遭ったら、弁護士の力を必要とする場面が多くあります。しかし、一般的には弁護士に依頼すると高額な費用がかかるイメージも大きく、支払いができないのではないかが心配な方もいらっしゃるかもしれません。 こんなとき、弁護士費用の負担を大きく減らすことができる「弁護士費用特約」があります。(以下、「弁護士特約」といいます。) 弁護士特約を利用すると、被害者の負担が0円になったり、大幅に減額されたりします。 今回は依頼者の強い味方である「弁護士特約」のすべてがわかるよう網羅的に解説します。(文責 弁護士 大澤一郎)
―――― 目次 ――――
- 1. 弁護士特約とは
- 2. どのくらい得になるのか?
- 3. 弁護士特約の使い方
- 4. 利用すべきタイミングは?
- 5. 弁護士特約の保険料
- 6. よくある誤解
- 7. 弁護士特約を使えないケース
- 8. 使うメリット
- 9. 使うデメリット
- 10. 弁護士特約を使わない人が多い
- 11. まとめ
1.弁護士特約とは
(1)弁護士特約とは
弁護士特約とは、交通事故に遭った場合などにかかる弁護士費用を、保険会社が負担するという内容の保険特約のことです。 交通事故の被害者になったときには、弁護士を必要とする場面が多いですが、弁護士に依頼すると高額な弁護士費用がかかることを心配して、弁護士に依頼できない被害者が泣き寝入りを強いられていたという実情がありました。 そこで、このような被害者にも広く弁護士を利用してもらうために作られたのが弁護士特約です。(2)弁護士特約で支払いを受けられる費用と限度額
弁護士特約によって支払いを受けられる費用とそれぞれについての限度額は、通常、以下の表のとおりです。法律相談料 (弁護士、司法書士、行政書士に支払う相談料) 1件について10万円まで 訴訟などにかかった費用 (弁護士報酬、司法書士、行政書士の報酬、訴訟にかかる実費、 仲裁・和解、調停にかかる実費) 1件について300万円まで 2.弁護士特約を使うと、どのくらい得になるのか?
弁護士特約を使うと、具体的にはどのくらい得になるのかを特に効果的なケースを元に見てみましょう。 弁護士に交通事故事件の対応を依頼すると、法律相談料や着手金、報酬金、実費がかかります。(1)具体例1(一般的な法律事務所の費用相場に基づく具体例になっています。よつば総合法律事務所の費用体系はより被害者に優しい費用体系となっていますので当事務所の弁護士費用のページをご覧ください。)
当初の相談料として1万円がかかり、示談交渉を依頼したので、着手金が10万円かかり、さらに500万円が回収できたので68万円の報酬金がかかったとしましょう。 このとき、弁護士特約に加入していなければ、上記の弁護士費用の合計である 1万円+10万円+68万円=79万円の負担が発生します。そこで、被害者の手元に入ってくるお金は、500万円-79万円=421万円となります。 他方、弁護士特約を利用すると、上記の79万円はすべて保険会社が負担してくれるので被害者の負担は0となり、500万円がまるまる手元に入ってくることになります。(2)具体例2(一般的な法律事務所の費用相場に基づく具体例になっています。)
相手から3,000万円を回収できた場合、当初の法律相談料1万円と着手金10万円、報酬金が318万円かかったとします。 このとき、合計で329万円の弁護士費用がかかるので、弁護士特約がなければ 3,000万円-329万円=2671万円 が依頼者の手元に入ってくることになります。 他方、弁護士特約に加入していたら、法律相談料の1万円と、着手金報酬金のうち300万円の合計301万円が保険会社から支払われるので、依頼者の弁護士費用負担は329万円-301万円=28万円となります。 そのため、依頼者の手元に残るのは、3,000万円-28万円=2,972万円となります。(3)実費も対象になる
弁護士特約では、実費も支払いの対象になります。 たとえば、裁判で印紙代などがかかって実費が20万円になった場合、その20万円も弁護士特約から支払いを受けられるので、被害者の負担は発生しません。 このように、弁護士特約に加入していると、多くのケースで依頼者の負担が大きく軽減されますので、弁護士に気軽に依頼することができます。3.弁護士特約の使い方
使い方の流れ
弁護士特約を利用したい場合には、自分の保険会社に連絡を入れる必要があります。 交通事故に遭ったあと、弁護士特約を利用したいタイミングで、保険会社の担当者に電話などで連絡をして「弁護士特約を使いたい」と言えば、保険会社の方で必要な手続をしてくれます。このとき連絡を入れる保険会社は、相手の保険会社ではなく自分の加入している保険会社です。弁護士特約は自分が加入している保険についている特約だからです。 また、たまに自分の保険会社の担当者が、弁護士特約の利用にあまり良い顔をしないことがありますが、弁護士特約に加入しているにもかかわらず、保険約款上交通事故被害に遭って特約を利用できないということは一部の例外を除いてあり得ません。そのような対応をとられても遠慮をする必要はありません。 弁護士特約をつけて保険料の負担をしている以上弁護士特約を利用する権利がありますので、堂々と利用すると良いです。保険会社に連絡をする際の注意点
保険会社に連絡をする際の注意点は特にありませんが、弁護士特約に加入しているのかどうか、今回の事故で弁護士特約が使えるのかどうかを確認した方がよいです。特に、被害者ご本人様以外の契約の場合には、使えると思っていても使えなかったり、使えないと思っていても使えたりということがありますので事前に確認をしておいた方がよいでしょう。4.利用すべきタイミングは?
弁護士特約を利用すべきタイミングについては、交通事故が起こった後早いほど良いです。 交通事故は突然やってきます。まず、何から初めて良いかわからないことがあります。どのような病院に通ったら良いのか、どのくらいの頻度で通院したら良いのか、病院の選び方はどうしたらいいのか、事故の相手や相手の保険会社への対応方法はどうすべきか、いつまで治療を継続すべきかなどの問題もありますし、その後どのような流れで示談交渉などの手続がすすんでいくのかもわからず、不安を感じるものです。5.弁護士特約の保険料
弁護士特約を利用するとき、気になるのが保険料です。 そもそも弁護士特約を利用するとどのくらい保険料の負担が増えるのかが心配ですし、弁護士特約の利用によって保険等級が下がってしまうのかも気になる人がいるでしょう。一般的には、保険等級は下がりませんが、弁護士特約をつけると、多少保険料が上がります。 具体的な金額は保険会社によってまちまちですが、年間で、1,500円前後上がることが多いようです。6.よくある誤解
弁護士特約については、世間的にいろいろな誤解があります。そこで、以下ではよくある誤解を例にして、弁護士特約の正しい知識をご説明します。(1)自分で弁護士を選べます
弁護士特約を利用する場合、依頼する弁護士を誰が決めるのかについて正しく理解されていないことがあります。 特約を利用したい場合には、保険会社に連絡を入れて対応をしてもらうことになるので、一般的に、弁護士特約を利用するときには保険会社が弁護士を選ぶのだと考えられているケースがあります。(2)保険等級は下がらない
次に、保険等級の問題があります。 自動車保険には1等級から20等級までの等級があり、自動車保険を利用した事故がない状態が続くと、保険等級が上がって保険料がどんどん下がっていきますが、事故を起こして自動車保険を利用すると保険等級が下がって保険料が上がる仕組みになっています。具体的には、当初契約時は6等級から始まり、1年間無事故なら1等級上がりますが、たとえば人身事故を起こすと一気に3等級下がります。 一般に、弁護士特約を利用すると、保険を利用する事になるので、保険等級が下がってしまうのではないかと考えられることがあります。 たとえば、小さな物損事故の場合などには、弁護士特約によって負担が軽減出来る弁護士費用の金額が10万円程度にしかならないこともありますが、このような使い方によって次年度からの自動車保険料が大きく上がってしまうなら、弁護士特約を利用するのを辞めておこうと考えることも多いです。 しかし、弁護士特約の利用によって、保険等級が下がることはありません。そこで、弁護士特約に加入しているなら、等級のことを心配する必要はないので、躊躇せずに弁護士特約を利用すべきです。 少額の人身事故などでも弁護士特約を利用するメリットの方が大きいので、誤解のないようにしましょう。(3)契約の車でなくても使えることも
弁護士特約によくある誤解として、特約が適用される契約車両の問題があります。 たとえば、保険契約をしている人が、契約車両以外の友人の車やレンタカーなどに乗車していたケースでは、弁護士費用は使えない、と考えてしまうのです。 しかし、弁護士特約が適用されるのは、契約車両が事故に遭ったケースだけではありません。被保険者やその配偶者、同居の親族や別居の子どもなどが交通事故に遭ったケースでは、契約自動車以外の友人の車やレンタカー、バスやタクシーなどに乗車していた場合にも、弁護士特約を利用できることがあります。 また、四輪車に限らず、原付や自動二輪車に乗っているときに事故に遭った場合でも弁護士特約を適用できることがあります。 ご加入の自動車保険のタイプなどによって変わってきますので、是非保険会社に問い合わせてみてください。(4)自転車乗車中や歩行中の事故で使えることも
弁護士特約は、自動車に乗車中のケースでしか利用できないと思われていることがあります。 たとえば、自転車を運転しているときや、横断歩道を歩いているときに交通事故に遭った場合には利用できないと考えるのです。(5)御家族が遭った事故で使えることも
弁護士特約でよくある誤解に、特約が適用される人の範囲の問題があります。 自動車保険の契約者が交通事故に遭ったケースのみに適用できるとお考えになってしまうというものです。しかし、実際には契約者の家族のうち、一定の範囲の人も特約の適用対象になります。 弁護士特約を利用できる人は、契約する保険会社によっても異なりますが、多くのケースにおいて、以下のようになっています。弁護士特約を利用できる人
- 被保険者(保険契約において被保険者として設定した人)
- 被保険者の配偶者
- 被保険者または配偶者と同居している親族
- 被保険者または配偶者と別居している子どもで未婚のもの
- 契約自動車に搭乗していた人 契約自動車の所有者
7.弁護士特約を使えないケース
弁護士特約は、利用できないケースもあります。 多くの保険会社では、以下のような場合に特約の適用がないとされています。- 被保険者の故意や重大な過失によって本人に発生した損害
- 無免許運転や薬物の影響などによって正常に運転できない状況で運転した場合
- 酒気帯びや飲酒状態で運転して本人に発生した損害
- 闘争行為や自殺、犯罪行為によって本人に発生した損害
- 被保険者が次のいずれかの人に対し、損害賠償請求する場合 記名被保険者やその家族 被保険者の配偶者、父母、子ども 契約車両の所有者
- 台風、洪水、高潮によって生じた損害 ? 被保険者が所有、使用、管理するものに欠陥や腐しょくやさびなどの自然の消耗があり、それが原因で発生した損害
- 契約自動車に正しい乗車位置で座っていなかった場合や、極めて異常・危険な方法で乗車していた場合
- 日常生活の事故など、自動車と無関係な事故の場合
8.使うメリット
次に、弁護士特約を利用するメリットをご説明します。(1)費用を気にせず弁護士に相談・依頼ができる
弁護士に相談・依頼をする場合、弁護士費用が気になるものです。 弁護士特約に入っていれば、弁護士費用を気にせず弁護士に相談・依頼ができます。しかも、保険料は上がりませんので負担は原則ありません。(2)賠償金増額の可能性
弁護士特約を利用して弁護士に示談交渉や訴訟を依頼すると、賠償金が増額される可能性が高いことがあげられます。交通事故事件では、慰謝料などの賠償金計算方法に3種類があります。被害者が自分で相手の保険会社と示談交渉をする際には、低い基準である任意保険基準を使って賠償金が計算されてしまいます。(3)弁護士が相手方の窓口になり、煩わしさから解放される
弁護士特約を利用して相手との示談交渉を弁護士に依頼すると、相手の保険会社とのやり取りは、すべて弁護士が代わりにしてくれるようになります。依頼者は、自分では直接相手と交渉をしたりやり取りしたりする必要がなくなり、精神的な負担が減少します。(4)小さな事故でも躊躇なく弁護士に依頼できる
弁護士特約を利用すると、小さな事故でも躊躇なく弁護士に手続きを依頼できる、というメリットもあります。たとえば少し手を怪我しただけの小さな人身事故のケースなどでは、相手に賠償金の請求をしたとしても、10万円前後にしかならない場合もあります。 ただ、弁護士に依頼すると、最低でも10万円~20万円程度はかかってしまうことが多く、このような小さな事故では、弁護士に対応を依頼すると費用倒れになってしまいます。そこで、小さな事故のケースでは、被害者が自分で対応せざるを得なくなります。(5)相手が無保険でも躊躇なく弁護士に依頼できる
弁護士特約をつけていると、事故の相手が無保険でも弁護士に依頼できるメリットがあります。 相手が無保険の場合、相手には保険会社がついてくれないので、相手本人と示談交渉をする必要があります。しかし、素人同士が話し合いをしても、示談金の支払について折り合いがつかないことが多く、その場合には裁判が必要になってしまいます。9.使うデメリット
弁護士特約を使ってのデメリットは特にありません。10.弁護士特約を使わない人が多い
以上のように、大変メリットが多く、幅広い場面で適用されるので便利な弁護士特約ですが、実際には特約をつけているにもかかわらず、利用していない人がとても多いです。 これは、自動車保険に加入する際、特約のことを意識していないことが多く、保険会社も積極的に特約の利用を勧めることが少ないためであると考えられます。実際に事故が起こった時には、お体の状態、今後の仕事のこと、生活の事など考えるべき事柄が多く、弁護士特約のことにまで頭が回らないことが原因です。 せっかく特約がついているのに利用しないのは非常にもったいないので、交通事故に遭った場合には、必ず弁護士特約がついているかどうかを確認して、特約があったら忘れず利用しましょう。11.まとめ
- 事故にあった場合、弁護士特約を確認しましょう。
- 車両・ご家族の保険の弁護士特約も確認しましょう。
- 弁護士特約を利用しても保険料は上がりません。
- 弁護士特約を利用する場合、弁護士をお客様が指定することができます。
- 弁護士特約を利用して弁護士に依頼することで相手から受領する保険金の額を増やすことが可能となります。