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交通事故知識ガイド高次脳機能障害

高次脳機能障害とは

解説者の弁護士前田徹

高次脳機能障害とは、交通事故の衝撃により、脳みそが強くゆすられ、脳内にズレが生じ、 大脳表面と脳幹部・大脳辺縁系を結ぶ神経が切断・損傷して、広範な神経連絡機能の断絶を生じる病態をいいます。

言語・思考・記憶・行為・学習・注意などに 障害が起きた場合は、高次脳機能障害である場合が高いといえます。

CTやMRIなどの画像に異常が見られず、外見にも全く変化の無い場合が多いため、これまで重大な後遺障害との認識がなかったのが現状です。本人も自覚症状が無いため、家族も気がつかずに終わってしまう場合が多くあります。

また、そのために、身体機能に障害がない場合は、身体障害者福祉制度の対象とは基本的にはならないため、生活が困難になってしまう場合が多々あります。近時これが認識されるに至りました。

症状に応じて、後遺障害1級・2級・3級・5級・7級・9級などと格付けされています。

高次脳機能障害の後遺障害等級認定について

脳外傷による高次脳機能障害について、自賠責保険における認定基準を補足する基準は以下の通りです。

(1)第1級3号

身体機能は残存しているが、高度の痴呆があるために、生活維持に必要な身の回り動作に全面的介護を要するもの

(2)第2級3号

著しい判断能力の低下や情動の不安定などがあって、1人で外出することができず、日常の生活範囲は自宅内に制限されている。身体動作的には排泄、食事などの活動を行うことができても、生命維持に必要な身辺動作に、家族からの声かけや看視を欠かすことができないもの

(3)第3級3号

自宅周辺を1人で外出できるなど、日常の生活範囲は自宅に限定されていない。また声掛けや、介助なしでも日常の動作を行える。
しかし、記憶や注意力、新しいことを学習する能力、障害の自己認識、円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があって、一般就労が全くできないか、困難なもの

(4)第5級2号

単純な繰り返し作業などに限定すれば、一般就労も可能。
ただし、新しい作業を学習できなかったり、環境が変わると作業を継続できなくなるなどの問題がある。

このため一般人に比較して作業能力が著しく制限されており、就労の維持には、職場の理解と援助を欠かすことができないもの

(5)第7級4号

一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから、一般人と同様の作業を行うことができないもの

(6)第9級10号

一般就労を維持できるが、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業持続力などに問題があるもの

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高次脳機能障害の後遺障害認定の注意事項

赤い本
高次脳機能障害の後遺障害認定のためには、様々な検査、医師が作成する資料が必要となります。
また、実際に被害にあってしまった方が作成する日常生活の状況についての資料も必要となります。裁判でも後遺障害認定でも理屈は同じですが、資料を準備してきちんと証明をしないと、適切な後遺障害認定はなされません。

そのため、高次脳機能障害の可能性がある場合には、適切な専門家へのご相談を交通事故後できるだけ早い時期に行うことをお勧めします。

高次脳機能障害はここ最近交通事故の訴訟において多く争われてきた事案です。高次脳機能障害についての詳細は弁護士等の法律の専門家にお問い合わせ下さい。

【動画で見る交通事故】高次脳機能障害の後遺症認定

(解説 : 弁護士 川﨑 翔)