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交通事故知識ガイド各損害の損害賠償基準の詳細解説

症状固定後の治療費

症状固定後の治療費の損害賠償基準

損害賠償の基準

(赤い本と青い本は賠償基準をまとめた本です。自賠責保険は加入義務のある保険です。)

赤い本の損害賠償基準

  • 症状固定後の治療費は一般に否定的に解される場合が多いであろうが、その支出が相当なときは認められよう。
  • リハビリテーションの費用は症状の内容・程度による。

青い本の損害賠償基準

  • 「症状固定後の治療費」は原則として賠償対象としては認められない。
  • 症状固定後でも症状の内容程度治療の内容により症状の悪化を防ぐなどの必要があれば認められることになる。
  • 将来治療費(症状固定後の治療費)には、症状悪化を防ぐための医療行為のみならず、将来一定時間経過後に必要となることが予想される手術費用等も含まれる。

自賠責保険の損害賠償基準

  • 治療のために必要かつ妥当な実費とする。

症状固定後の治療費Q&A

Q症状固定後の治療費が認められるのはどのような場合ですか?
A症状が重症の場合、将来の手術の可能性が高い場合などです。

【解説】

  • 症状が重症な場合の例としては、重度脳損傷(高次脳機能障害)、脊髄損傷などがあります。
  • 医師の診断書・意見書などにより証明が必要となることが多いでしょう。
Q痛みなどの神経症状を軽減するための将来の治療費は認められますか?
A認められないことが多いでしょう。

【解説】

  • 症状が重篤などの場合には認められる可能性があります。

過去の具体的な事例

東京地方裁判所平成28年9月12日判決

【結論】

  • 症状固定後の治療費約5万円が認められた

【理由】

  • 左肘関節の可動域制限及び左鎖骨の変形障害(後遺障害等級併合11級)
  • 整形外科医が必要性を認めるリハビリ

東京地方裁判所平成30年7月17日判決

【結論】

  • 年額6万7000円を平均余命まで43年間、合計約486万円が認められた

【理由】

  • 高次脳機能障害、不全四肢麻痺、右肘関節機能障害の36歳(後遺障害等級併合2級)
  • 定期的にリハビリ治療等を継続する必要あり

東京地方裁判所平成26年12月24日判決

【結論】

  • 症状固定後平均余命までの将来分の治療費として月額8247円、合計約150万円が認められた

【理由】

  • 頚髄損傷、四肢麻痺の52歳(後遺障害等級3級)
  • 神経因性膀胱による排尿困難の症状
  • 自己導尿による排尿管理の必要性あり

横浜地方裁判所令和3年2月24日判決

【結論】

  • 月額平均7818円で平均余命まで7年間の合計約54万円が認められた

【理由】

  • 脊柱障害、右膝関節機能障害の82歳(後遺障害等級併合7級)
  • 事故により歩行困難となった
  • 歩行可能な状態を維持するために症状固定後もリハビリの継続が必要

大阪地方裁判所平成28年5月27日判決

【結論】

  • 将来の歯科治療費年額1万9060円につき、平均余命まで合計36万2688円が認められた
  • 将来の歯科補綴装置再制作費用・インプラント費用は認められなかった

【理由】

  • 歯牙欠損の18歳(後遺障害等級14級)
  • 補綴処理につき定期健診の必要あり
  • 将来の歯科補綴装置再制作費用インプラント費用は将来の発生につき高度の蓋然性が立証されていない

神戸地方裁判所平成26年3月7日判決

【結論】

  • 健康保険給付予定額を控除せず、将来の手術費用約200万円が認められた

【理由】

  • 右膝関節機能障害の50歳(後遺障害等級10級)
  • 将来人工膝関節再置換術を行う予定
  • 健康保険給付がなされるかどうかは不確定

まとめ

  • 症状固定後の治療費は一般には認められません。
  • 症状が重症の場合、症状固定後の治療費が認められることがあります。
  • 将来の手術の可能性が高いなどの場合、症状固定後の治療費が認められることがあります。

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