傷跡(醜状痕)
傷跡(醜状痕)に関する後遺障害
外貌に生じた醜状痕(傷跡)についてはその程度に応じて後遺障害として評価されます。「外貌」とは、頭部、顔面部及び頚部等(上肢及び下肢を除く)の日常露出する部分を指します。
また、上肢及び下肢の傷跡(醜状痕)の場合、その「露出面」の傷跡(醜状痕)が後遺障害の対象となり、「上肢の露出面」は上腕か(肩関節以下)から指先まで、「下肢の露出面」は大腿(股関節以下)から足の背までとされています。
日常露出しない部分の傷跡(醜状痕)については、胸部及び腹部、背部及び臀部の傷跡(醜状痕)が後遺障害の対象になります。
ここでは、傷跡に関する後遺障害について説明します。
傷病名
交通事故の際、傷跡(醜状痕)が生じうる傷病としては、以下のものが考えられます。
- 瘢痕
- ケロイド性瘢痕
- 線状痕
- 組織陥没
- 切創、挫創
- 顔面神経麻痺
- デグロービング損傷
など
後遺障害等級
外貌の傷跡については、その程度に応じて3等級、上肢及び下肢の露出面の傷跡については1等級、日常露出しない部分についてはその程度に応じて2等級が定められています。
障害の程度と等級、逸失利益算定の際の労働能力喪失率、後遺障害慰謝料の関係は以下の表のとおりです。
(なお、表に記載した労働能力喪失率、後遺障害慰謝料は「赤い本」に記載された目安であり、個々のケースによっては増減することがあります。特に醜状障害の場合、労働能力喪失率が争いになることが多いです。)
傷跡(醜状痕)の後遺障害
種類 | 等級 | 障害の程度 | 喪失率 (%) |
後遺障害 慰謝料 (万円) |
---|---|---|---|---|
外貌 | 7級12号 | 外貌に著しい醜状を残すもの | 56 | 1,000 |
9級16号 | 外貌に相当程度の醜状を残すもの | 35 | 690 | |
12級14号 | 外貌に醜状を残すもの | 14 | 290 | |
上・下肢 | 14級4号 | 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの | 5 | 110 |
14級5号 | 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの | 5 | 110 | |
その他 | 12級相当 | 胸部及び腹部、又は背部及び臀部の全面積の2分の1程度以上の範囲に瘢痕を残すもの | 14 | 290 |
14級相当 | 胸部及び腹部、又は背部及び臀部の全面積の4分の1程度以上の範囲に瘢痕を残すもの | 5 | 110 |