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休業損害・退職者について(裁判基準)


1 赤い本(退職者)
 事故前の収入を基礎として受傷によって休業したことによる現実の収入減とする。

2 青い本(退職者)
 事故による受傷が原因で解雇されあるいは退職を余儀なくされた場合には,無職状態となった以降も現実に稼働困難な期間が休業期間とされる。また,稼働可能となっていても,就業先が得られなかった場合には,現実に就労先を得られたときまでの期間か転職先を得るための相当期間のいずれか短期の期間について損害算定する。


3 自賠責
 退職者については特別の言及なし。

4 解説
(1)失業保険と休業損害については,両方は認められない可能性が高いと一般には考えられています。

(2)休業損害を確実に受領するためには,雇用主にきちんとした証明書を作成してもらい,退職ではなく休業であることを証明することが必要です。

(3)若年の退職者(特に30歳以下)や兼業主婦の退職者の場合には実収入ではなくて賃金センサスの金額を基準に退職後の休業損害額が認められることがあります。兼業主婦で月数万円のパートを行っていた退職者の方などの場合には,一般に家事労働ができなくなった部分の休業損害の方が多くなります。家事労働の休業損害は現実に目に見えない損害項目なので失念しないように注意しましょう。

5 事例
(1)会社員(男性・21歳)について事故による欠勤を理由に解雇された場合に,昨今の経済情勢・雇用情勢に鑑みると,新卒以外のものの就職は必ずしも容易ではなく,傷害が治癒したからといって直ちに再就職できるものではないとして,治癒後3ヶ月程度まで退職前給与を基礎に休業損害を認めた。

(2)水産会社勤務の会社員(男性・33歳・頚椎破裂骨折・胸椎圧迫骨折に伴う脊柱変形等併合10級)につき,首の痛みのため早退が多くなり事故から約1年9ヶ月後に退職した場合に退職と事故との因果関係を認め,事故前の給与と賞与を基礎に,退職後も症状固定まで928日間1028万円余が休業損害として認められた。
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