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交通事故知識ガイド各損害の損害賠償基準の詳細解説

休業損害・退職者

休業損害・退職者の損害賠償基準

損害賠償の基準

(赤い本と青い本は賠償基準をまとめた本です。自賠責保険は加入義務のある保険です。)

赤い本の損害賠償基準

  • 事故前の収入を基礎として受傷によって休業したことによる現実の収入減とする。

青い本の損害賠償基準

  • 事故による受傷が原因で解雇されあるいは退職を余儀なくされた場合には、無職状態となった以降も、現実に稼働困難な期間が休業期間とされる。
  • 稼働可能となっていても、就業先が得られなかった場合には、現実に就労先を得られたときまでの期間か転職先を得るための相当期間のいずれか短期の期間について損害算定する。

自賠責保険の損害賠償基準

  • 特段の基準なし

休業損害・退職者Q&A

Q事故後に退職した場合、常に休業損害が認められますか?
A常に認められるわけではありません。事故が原因の退職と証明できることが必要です。

【解説】

  • 事故と無関係の退職の場合、休業損害は認められません。
  • 事故が原因の退職かどうかの判断が難しいことがあります。職場の協力が得られる場合、退職はせずに今の職場から休業損害証明書を発行してもらう方法が無難でしょう。
Q事故後に退職した場合、無職だった期間全ての休業損害が認められますか?
A転職先を見つけるまでの相当期間に限って休業損害が認められるでしょう。

【解説】

  • 無職の期間が長期となる場合、休業損害は全ての期間は認められません。
  • 事故が原因の退職かどうかの判断が難しいことがあります。職場の協力が得られる場合、退職はせずに今の職場から休業損害証明書を発行してもらう方法が無難でしょう。
Q退職後どのくらいの期間の休業損害が認められますか?
A一律には言えないところですが、特段の事情がない限り退職後3カ月前後が多いです。

【解説】

  • 症状が重篤の場合、3カ月よりも長期間が認められる傾向にあります。

過去の具体的な事例

神戸地方裁判所平成28年11月30日判決

【結論】

  • 退職から3カ月間の休業損害が認められた

【理由】

  • 兼業主婦の45歳
  • 事故後、勤務先の一般社団法人から退職勧奨を受けて合意により退職
  • 3カ月後に大学の事務職員として勤務開始
  • 退職は事故と因果関係あり
  • 勤務開始までの3カ月間は再就職のため必要かつ相当な期間

東京地方裁判所平成14年5月28日判決

【結論】

  • 退職から3カ月間の休業損害が認められた

【理由】

  • 会社員の21歳
  • 事故前日から勤務開始した会社を事故による休業で退社
  • 新卒者以外の就職は必ずしも容易ではない
  • 傷害が治癒しても直ちに再就職できるものではない
  • 治癒から3か月までは再就職するために必要やむをえない期間

京都地方裁判所平成27年3月19日判決

【結論】

  • 退職から5カ月の休業損害が認められた

【理由】

  • 脊柱変形の麻酔科勤務医の52歳(後遺障害等級11級)
  • 休業により別の医師に業務を交代
  • 復職を申出したものの復帰できなかった
  • 退職時から5カ月後に他院での勤務開始

東京地方裁判所平成18年3月28日判決

【結論】

  • 退職から約4カ月の休業損害が認められた

【理由】

  • 歯の障害が残った調理師見習アルバイトの23歳(後遺障害等級13級)
  • 事故の約10日後に退職
  • 事故から約2カ月後に歯の治療終了
  • 事故から約7カ月後に再就職
  • 再就職までの7カ月全期間の休業損害は認めない
  • 歯の治療終了から2カ月の休業損害を認めた(合計約4カ月の休業損害)

まとめ

  • 事故による受傷が原因で退職し無職となった場合、現実に稼働困難な期間の休業損害が認められます。
  • 稼働可能となっても就業先が得られなかった場合、①現実に就労先を得られたときまでの期間、②転職先を得るための相当期間のいずれか短期の期間について休業損害が認められます。
  • 今の職場の協力が得られる場合、今の職場に在籍して休業損害証明書を作成してもらう方法が無難でしょう。

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