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交通事故知識ガイド各損害の損害賠償基準の詳細解説

有職者の逸失利益の基礎収入

有職者の逸失利益の基礎収入についての損害賠償の基準

損害賠償の基準

(赤い本と青い本は賠償基準をまとめた本です。自賠責保険は加入義務のある保険です。)

赤い本の損害賠償基準

  • 原則として事故前の収入を基礎として算出する。
  • 現実の収入が賃金センサスの平均額以下の場合、平均賃金が得られる蓋然性があれば、それを認める。
  • 若年労働者(事故時概ね30歳未満)の場合には、学生との均衡の点もあり、全年齢平均の賃金センサスを用いるのを原則とする。

青い本の損害賠償基準

  • 原則として事故前の給与額(賞与込み)を基礎とする。
  • 給与額には、本給のほか、歩合給、各種手当、賞与を含む。
  • 金額は税金等を控除しないいわゆる税込み金額を基礎とする。
  • 事故後に昇給が生じている場合があるから、このような場合には適宜調整計算した金額を使用すべきである。
  • 現実の収入額が賃金センサスの平均額を下回っている場合、その者が将来賃金センサスの平均賃金程度の収入を得られると認められれば、賃金センサス平均賃金額を基礎とする。このような取り扱いが多く認められる例として、若年であるため給与が低水準にとどまっており将来はかなり昇給すると考えられる場合が挙げられる。

自賠責保険の損害賠償基準

  • 1 事故前1年間の収入額と後遺障害確定時の年齢に対応する年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額を収入額とする。
  • 2 ただし、以下の場合には次の金額を収入額とする。
    ①35歳未満であって事故前1年間の収入を立証することが可能なもの
    事故前1年間の収入額、全年齢平均給与額の年相当額及び年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額
    ②事故前1年間の収入を立証することが困難な者
    35歳未満の者
    全年齢平均給与額の年相当額又は年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額
    35歳以上の者
    年齢別平均給与額の年相当額

有職者の逸失利益の基礎収入Q&A

Q将来の昇給の可能性を踏まえて基礎収入を計算することはできますか?
A公務員や大企業など規程が整備されている場合、将来の昇給の可能性を踏まえて逸失利益を計算することが可能です。

【解説】

  • 給与規程、昇給基準などを証拠として提出する必要があります。
Q定年後の年収はどのように計算しますか?
A定年前の年収をある程度減らした金額で計算することが多いです。

【解説】

  • 定年前の年収を元にして、何割が減額をした金額で計算する方法もあります。
  • 60歳から64歳の平均賃金、65歳以上の平均賃金を元にして計算する方法もあります。
Q事故により退職しました。定年まで勤務していればもらえたはずの退職金が一部もらえませんでした。もらえなかった退職金の分も補償の対象になりますか?
A退職金の支給が確実な企業で勤務しているような場合、補償の対象となることがあります。

【解説】

  • 「実際に退職した際の退職金」と「本来定年まで勤務していれば支払いされた退職金」の差額が補償の対象となります。

過去の具体的な事例

大阪地方裁判所平成28年10月7日判決

【結論】

  • 平均賃金約454万円の基礎収入が認められた

【理由】

  • 給与所得者の28歳男性
  • 右肩関節機能障害、右耳鳴右感音性難聴(後遺障害等級併合12級)
  • 事故当時の年収286万円
  • 事故当時の就労状況及び若年であることを考えると平均賃金での算定が相当

東京地方裁判所平成29年10月18日判決

【結論】

  • 定年後の3年間は平均賃金372万円の基礎収入が認められた

【理由】

  • 会社員の54歳男性
  • 右肩関節機能障害、右手神経障害(後遺障害等級併合10級)
  • 事故当時の年収635万円
  • 事故時から定年の65歳までは635万円を基礎に計算
  • 定年後の3年間は賃金センサス男性学歴計年齢別65歳から69歳の平均賃金372万円での算定が相当

まとめ

  • 有職者(給与所得者)の場合、原則として事故前の収入を基礎として逸失利益の金額を算定します。
  • 若年労働者(事故時概ね30歳未満)の場合、全年齢平均の賃金センサスを基礎として逸失利益の金額を算定することがあります。

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