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休業損害・有給休暇について(裁判基準)


1 赤い本(給与所得者)
 現実の収入減がなくても,有給休暇を使用した場合には休業損害として認められる。

2 青い本(給与所得者)
 表面上は減収がないようにも見えるが,被害者の有給休暇請求権の不本意な行使によるものであり損害として算定される扱いである。

3 自賠責
 1日につき原則として5700円とする。

4 解説
(1)年次有給休暇を取得して給与に変わる手当を取得し,欠勤による不利益を避ける場合があります。理屈上は(ア)年休手当の支給を無視して休業損害を算定する方法,(イ)年休取得により手当相当額の財産的損害が発生したとして算定する方法,(ウ)財産的損害の発生を否定して慰謝料で実質的な賠償を行う方法等があります。

(2)将来の有給休暇請求権の喪失分についても損害として認められる可能性があります。

(3)有休分の休業損害が認められるためには,有休を使用したことを証明する必要があります。会社に証明書を作成してもらう方法により有休取得の事実を証明することがよいかと思います。(なお,有休は労働者の権利ですので,有休取得を理由とする会社での不利益取扱は労働基準法その他の関連法規で禁止されています。)

5 事例
(1)自宅で静養するために合計13日の有給休暇を使用した場合につき,有給休暇の財産的価値に鑑み,前年給与所得を365日で除した金額で13日分が認められた。

(2)有給休暇1日当たりの金額に争いがある事案につき,賞与を除く年収を稼働日数(366日から勤務先所定の休日を差し引いた日数)で除した金額が相当であるとした。

(3)44才・男性・会社員につき,欠勤のため翌年度の有給休暇請求権を取得できなかったが,有給休暇はそれ自体財産的価値を有するものと解するのが相当であるとし,20日分の有給休暇請求権につき賠償が認められた。
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