事例200歯牙欠損
公務員が2歯の歯牙欠損について、「10歯以上に対し歯科補てつを加えたもの」として後遺障害等級11級4号の認定を受け、約120万円を獲得した事例
最終更新日:2023年04月03日
文責:弁護士 加藤 貴紀
保険会社提示額 : 83万円
- 解決額
- 121万円
- 増額倍率 :1.4倍
- 怪我の場所
-
- 顔(目・耳・鼻・口)
- 後遺障害等級
-
- 11級
事故発生!自転車対自動車の事故
平成28年4月、伊藤さん(仮名・柏市在住・50代・男性)が、自転車で道路の左端を走行していたところ、側道から進入してきた自動車に衝突されて転倒するという事故に遭いました。
相談から解決まで
事故により、伊藤さんは、歯牙欠損の傷害を負い、歯科に通院して2歯について補てつを加えました。
伊藤さんは、歯科補てつ後に当事務所までご相談にいらっしゃいました。伊藤さんのご希望により、後遺障害等級認定のための被害者請求、人損の賠償交渉をお受けすることになりました。
当事務所が被害者請求を行った結果、後遺障害として11級4号が認定されました。その後、直ちに保険会社との間で賠償交渉を開始しました。
入通院慰謝料、後遺障害逸失利益、後遺障害慰謝料の部分でお互いの主張に隔たりがありましたが、粘り強く交渉を行った結果、相手方保険会社から121万円(既払金を除く)が支払われるということで解決ができました。
当事務所が関わった結果
当事務所が交渉した結果、慰謝料が、裁判基準を超える額で合意できました。
解決のポイントは以下の点です。
1被害者請求について
歯牙欠損の場合、事故以前に歯牙が欠損してしまいインプラントのような補綴を加えている場合、既存障害となります。交通事故によって歯牙欠損をした場合には既存傷害と今回の事故で欠損するに至った歯牙の本数の合計(現在障害)で後遺障害の等級が認定されます。
今回の案件も、以前から依頼者の方が通院されていた歯科医と面接し、事故前の欠損状況などを確認して慎重に被害者請求をしたことが功を奏しました。
2慰謝料について
入通院慰謝料及び後遺障害慰謝料について、当初保険会社は、裁判をした場合の基準の80%の額しか提示してきませんでした。
当方としては、その額は不当な額であることをしっかりと保険会社に伝え、適正な損害の賠償を求め続けた結果、最終的に保険会社の方でも上記の入通院慰謝料及び後遺障害慰謝料について満額による和解に応じてくれました。
保険会社はしばしば、裁判外の交渉であることを理由として慰謝料等を裁判基準から数十パーセント割り引いた額で提示をしてきます。このような減額に対する対処法としては、簡単に保険会社の提案に応じるのではなく、しっかりと保険会社に対してこちらの主張を続けることが大事です。
依頼者様の感想
後遺障害の申請のために医師面談を行ってもらうなどしていただき、ありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 加藤 貴紀

本事例へのよくある質問
- 歯ではどのような後遺障害の可能性がありますか?
- 次の後遺障害の可能性があります。
- 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの(10級4号)
- 10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの(11級4号)
- 7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの(12級3号)
- 5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの(13級5号)
- 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの(14級2号)
- 歯の後遺障害の注意点はどのような点ですか?
- 歯の後遺障害は他の怪我とは別の後遺障害診断書を作成することになります。歯の後遺障害診断書を作成・提出しないと歯の後遺障害は認定されませんので注意しましょう。
- 歯の後遺障害診断書は医師が正確に状況を記載していないこともあります。提出前に本数や内容があっているか念のため確認しましょう。
- 後遺障害11級の場合の後遺障害慰謝料はいくらになりますか?
- 裁判の場合の基準は420万円となることが多いです。
- 交渉の場合の基準は420万円または420万円より若干少ない金額となることが多いです。