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よつばの特長よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」

11 事故後間もない時点での相談(弁護士 佐藤 寿康)

怒りっぽくなった。

治療も終わり、保険会社からの示談額の提案も受けたが、これで良いのかどうかわからないという相談を受けました。

詳しくお話をお伺いしますと、歩行中に自動車に衝突され、頭部と足部の受傷による嗅覚障害と可動域制限の後遺障害が認められたとのことです。

もちろん、保険会社の提案額は、認められた後遺障害との関係では、適正なあるべき損害額より低額のものでした。

弁護士佐藤寿康

ところが、さらにお話をお伺いしていくと、事故後は数日間意識が全くなかった、外傷性くも膜下出血といわれていたというのです。どうやら、高次脳機能障害の入口の要件は満たしていそうです。

さらに、一緒にお住まいの御家族によると、「人の名前が思い出せないということが多くなった。」「怒りっぽくなった。前に比べると、些細なことで怒る。」といったお話が出て参りました。

ところが、この方は事故直後からの入院が終わって退院した後、脳外科での治療はされていません。
そもそも高次脳機能障害を疑われず、整形外科と耳鼻科での通院だけをしていたのです。

治っていたかもしれない。

もちろん、高次脳機能障害がそもそもなかったのであれば、何の問題もありません。
しかし、事故前から一緒にお住まいであった御家族の感じられた被害者の方の性格の変化は、全てが気のせいであったと言い切ることはできないでしょう。
もし高次脳機能障害が発症しており、そのための適切な治療がなされていれば、その方は治っていたのかもしれません。

また、治療が行われてある程度は改善したものの能力低下が残ってしまっていたのであれば、それは後遺障害として評価され、適切に補償されるべきです。
ところが、既に事故から2年程度経過しており、それから脳外科を受診しても、治療上も損害賠償の観点からも有効ではありません。

結局、前記の嗅覚障害及び可動域制限の後遺障害が残ったことを前提として訴訟を提起し、解決しました。

事故後間もない時点での相談

医師は忙しく、患者1人当たりの診察時間を長くとることはできません。ましてや、事故の被害に遭う前の患者を知らないので、事故前と比較した患者の様子の細かな違いに気づくのは容易ではありませんし、それはやむを得ないことでしょう。

また、一緒にお住まいの御家族が感じた事故前との違いも、場合によっては些細なことや気のせいかもしれないと受け止められ、それっきりになってしまうかもしれません。実際、この件ではそうでした。

こうした事態が生じることはあってほしくないと強く思いました。この件では、できることがほかにあったかもしれません。
是非、事故後間もない時点で一度法律相談をするのをお勧めする次第です。

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