メニュー
よつばの特長よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」

66 後遺症(14級9号・12級13号)における逸失利益(弁護士 小林 義和)

こんにちは、小林です。

今回は、後遺症の中でも一番認定件数が多い14級9号や12級13号における逸失利益(将来にわたって後遺障害のために労働能力の一部が失われたことに伴う減収)について考えてみたいと思います。

14級9号は、局部に神経症状を残すもの、12級13号は、局部に頑固な神経症状を残すものとされています。

これは、むち打ちによる首や腰の捻挫等でも認定されるものですが、それ以外でも例えば、骨折後の手首の痛みや膝挫傷後の膝痛、足骨折後の足の痛み等によっても、認定されることがあるものです。

日弁連交通事故相談センター東京支部が出している民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準という本(いわゆる赤本)によると、後遺障害についての労働能力喪失期間は、原則として就労可能年齢である67歳までとされています。
(症状固定時の年齢が67歳に近いものについては、簡易生命表の平均余命の2分の1と67歳までの年数の長い方を採用します。)

しかし、賠償交渉の際に、保険会社はよく14級9号だから労働能力喪失期間は3~5年である、12級13号だから7~10年程度であると主張してきます。

たしかに、赤本では、むち打ち症の場合は、12級13号では10年程度、14級9号では5年程度に制限する例が多く見られると記載があります。
しかし、赤本では同時に後遺障害の具体的症状に応じて適宜判断すべきであるともしています。

つまり、赤本によると、そもそも骨折を伴うようなものも含めて原則として67歳まで労働能力喪失が認められるべきであり、また、むち打ち症の場合であっても後遺障害の具体的症状に応じては労働能力喪失期間は5年や10年程度に制限されない場合もあることがわかります。

実際に、判例でも、専業主婦(症状固定時36歳)の右膝挫傷後の右膝痛(14級9号)につき、事故後6年経過後も右膝痛が残存し、ひどい時には点滴治療を受けていること、足に負担のかかる家事に支障が生じていること、後遺障害診断書に将来の憎悪の可能性を認める記載があることから、67歳までの31年間について5%の労働能力喪失を認めた判例もあります。

このように、裁判所では、同じ14級9号や12級13号であっても、労働能力喪失期間は、具体的な負傷部位や症状の程度、後遺障害の具体的な症状に応じて具体的に判断されます。

たしかに、訴訟をすると時間や負担もかかります。
しかし、重い後遺症が残り仕事や日常生活上支障が生じて苦しまれている方のことを考えると、賠償請求の打ち合わせの際には、被害者の方のご意向を伺い、適正な賠償を受けることができるように努めることを心がけています。

よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」一覧へ戻る