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よつばの特長よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」

72 治療費の打ち切りと健康保険を利用した通院(その1)(弁護士 粟津 正博)

一括対応

交通事故の治療をする場合、要した治療費を保険会社が直接医療機関に支払う(一括対応などといいます。)ことが通常行われます。

これは、交通事故被害者としては、高額な治療費を自身で立て替えて、後で保険会社に請求する手間が省けますし、合理的な制度です。

治療費の打切り

しかし、保険会社が治療費をこれ以上払わない、○月分までしか払わないなどと言ってくることがあり、治療費の打ち切りが実務上大きな問題となっています。

被害者としては、治療費の打ち切りイコール治療の強制終了と捉えてしまうことも多く、治療を断念される方がいらっしゃいます。そして、保険会社の対応により、もっと治療を受けて症状を改善することが可能であったのに出来なかったケース、後遺障害の認定も見込まれるのにこれが認定されなかったケースなども、散見されます。
これは、絶対にあってはならないことです。

治療費の打ち切りは、保険会社が、一括対応というサービスを行わないと、自身の判断で行っているだけです。実際の治療の必要性は、主治医の判断に依るべきです。

ですので、もしこのようなご相談を受けた場合、主治医としっかり治療の必要性・見込みを検討することをおすすめしています。

保険会社が、顧問医や顧問弁護士と検討した結果などと主張してくることもありますが、何を検討したのか不明ですし、自身で主治医の先生と検討した結果を優先しましょう。

健康保険を利用した通院

実際、被害者本人や主治医が治療の必要性があると考えていても、保険会社の判断で強引に一括対応を打ち切る場合があります。治癒期間は刻一刻と進行していますので、何とか早期に治療を再開・継続する方法を検討すべきです。

このような場合、例えば健康保険で通院を継続する方が多いです。(損害保険料率算出機構、自動車保険の概況平成26年度、によれば平成25年度の交通事故診療のおける社会保険利用率は10.5%になるそうです。)自身の加入している健康保険を使い一定割合の負担で、通院をすることができます。自己負担分については示談時に保険会社に賠償を請求します。

しかし、一方で、健康保険を利用する場合、自己負担分を立て替える必要があるほか、「第三者行為による傷病届」を提出する必要があります。
この「第三者行為による傷病届」は記載すべき事項も多く、手続きの煩雑さが指摘されています。保険会社が代行記入するという合理化案も提言されているようですが、未だ実現に至っていません。

治療費を打ち切らせない工夫

以上のとおり、保険会社の治療費打ち切り後もあきらめず通院を検討していただきたいのですが、例えば健康保険切り替え後の通院にも被害者に負担が生じてしまいます。

さらに打ち切りがあった場合、賠償交渉の場面でも治療費打ち切り後の治療を認めないなどとして、治療費の自己負担分、休業損害や慰謝料等を争ってくるケースが多いです。

そこで、一歩進んで、是非治療費の打切りを打診されるケースから逆算して、保険会社が治療費打ち切りを打診してこないような工夫を実践していただければ幸いです。

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