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よつばの特長よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」

73 治療費の打ち切りと健康保険を利用した通院(その2)(弁護士 粟津 正博)

治療費が打ち切られるケースとは

治療費の打切りを打診されるケースは、病院に行っていない場合(整骨院のみ通院の場合)、初診日が事故から一定程度経過している場合、通院頻度が低い場合、通院頻度が不定期の場合、症状が軽微な場合、自覚している症状や部位に変動がある場合、事故態様が軽微な場合、通院期間が一定期間を経過した場合(3ヵ月や6ヵ月などの期間が多いです。)などに多くみられます。

そこで、被害者としては、症状を自覚しているのに、例えば、病院に行かない、症状をきちんと伝えない、などの理由で治療を打ち切られる事態を絶対に避けましょう。

治療費打ち切り等の事態を避けるために、例えば、

  • 事故後すぐに病院に行く(1日も早く)
  • 定期的に病院に行く
  • 自覚している症状を全て主治医に訴える
  • 症状が重篤な場合にはMRIを撮るなどしてみる

などの工夫は、是非頭の片隅に置いていただければ幸いです。

健保一括とは

治療費を打ち切らないまでも、相手方任意保険会社が、被害者に健康保険の利用を勧め、一部負担金を保険会社が医療機関に直接支払う、いわゆる「健保一括」という対応も散見されます。

交通事故診療に、健康保険を利用する場合には、自動車所有者の保険料を財源とする自賠責保険とを使用せず、健康保険組合員の保険料を財源とする健康保険を利用することの問題が指摘されています。
また、交通事故診療であれば自由診療となるのに対し、健康保険を利用した場合、健康保険の診療体系に従うため、同じ治療に対し診療費が異なるという違いもあります。

現在の実務では、被害者は健康保険を利用するか否かを自身で決定することが可能ですので、例えば自身の過失の有無等に応じてこれを判断することは当然です。
しかし、相手方任意保険会社が強引な打ち切りによる健保利用に切り替えざるを得なくすることや、健保一括を誘導することは、上記健康保険利用の問題を踏まえても問題があります。

健保利用の場合の後遺障害申請

通常、後遺障害申請を行う場合、相手方任意保険会社が介入するため、医療機関はレセプトや診断書を保険会社に提出すべく作成しています。
そして、後遺障害の調査機関はこの診断書等を参考にその有無を判断します。

しかし、治療費の打ち切りに遭うと、これが作成されないという問題もあります。もっとも、現在の実務では、多くの医療機関が健保利用の場合であっても、後遺障害診断書等の作成に応じ、調査機関等からの医療照会があればこれに応じるという対応をとっているため、後遺障害の申請は可能です。

まとめ

治療費の打ち切りは、比較的多くの被害者の方が直面される問題です。本来であれば、交通事故被害に遭い、治療に100%集中したいはずであるのに、保険会社から頻繁に連絡が来、打ち切りを打診されること、一方的に打ち切りがなされることは、大きな精神的負担となる可能性があります。

打ち切りに遭った場合でも、健康保険等を利用した治療が可能なこと、そしてまずは治療を打ち切らせない工夫を念頭に置いて、しっかりと治療をなさって下さい。
もし、治療中にこのような問題が生じた際には、一緒に最善の方法を考えさせていただきますので、是非積極的にご相談下さい。

(文責:弁護士 粟津 正博

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