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77 死亡事故に場合における生活費控除率(弁護士 小林 義和)

こんにちは、小林です。

今回は、死亡事故に場合における生活費控除率という点について考えてみたいと思います。

生活費控除率は、死亡事故における逸失利益(事故がなかったら将来得られるであろう利益についての損害)を計算する際に問題となってくる概念です。

死亡事故の場合は、事故により死亡したことで、得られたであろう収入が得られなくなる一方で、生存していた場合にかかったであろう生活費等の支出が不要になるという側面もあります。

そのため、支出が不要になった部分を生活費として、逸失利益から差し引いて計算をしようとするものです。

この生活費控除率について、日弁連交通事故相談センター東京支部が出している民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準という本(いわゆる赤本)によると、具体的に以下のように場合分けして記載されています。

まず、死亡された方が一家の支柱である場合の生活費控除率は、被扶養者が一人の場合は40%、被扶養者が2人以上の場合は30%とされています。

これは、生活費控除率を考える際には、基本的に被害者個人の生活費を基準に考えるのですが、扶養者がいる場合は、それだけ自己の生活費を抑制すると考えられることから、被扶養者が多いほど生活費控除率を減少させる形となっています。

そして、女性(主婦、独身、幼児当を含む)の場合は30%、男性(独身、幼児等を含む)は、50%、年金部分については50%と通常よりも高くされています。

赤本では、男女で差を設けていますが、今後は性別で差を設けるということも変化してくる可能性があります。

赤本ではこのように規定されており、この基準自体は一般的に適用されるものです。

しかし、一方でこの基準はあくまで目安であり、具体的な事情によっては異なる割合となります。

例えば、裁判例でも、農業に従事している66歳の女性につき、農業者年金、国民年金の収入は生活費にあてられるものと推認して農業収入のみを収入として、その生活費控除率を通常の30%よりも低い25%と認定した判例もあります。

また女性と交際していた25歳の男性について、子をもうけるかどうかは不確定ですが、遅くとも30歳までには婚姻するものとして生活費控除率を30歳まで50%、それ以降は40%と通常の独身男性よりも低い割合を認定した判例もあります。

私どもも、赤本の基準を出発点としましますが、その方の状況に応じて変わってくることも踏まえて、なるべく具体的に事情をお聞きさせて頂き、御意向になるべく添える形で提案していくことを心がけております。

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