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95 事故後の補償について【治療費・休業損害・慰謝料等】(弁護士 村岡 つばさ)

はじめに

思いもよらぬ事故に遭われて、お身体の痛みを抱える中で、「いつまで治療費は出してくれるのか?」「仕事を休んだ分の補償は出してもらえるのか?」「立て替えた交通費はどうなるのか?」「慰謝料はどれくらい出るのか?」等々、今後の補償に関する不安を抱えている方は、非常に多くいらっしゃいます。

ここでは、交通事故の補償の項目・基準等について、簡単な説明をさせていただきます。

治療費等について

「症状固定」と判断されるまでの治療費については、原則として補償の対象となります。

「症状固定」とは、ざっくり言うと、治療を続けてもあまり改善が見込めなくなった状況を言い、症状固定か否かは、医師により判断されます(例えば、むち打ちの場合、3か月~半年程度で症状固定となることが多いです。)。したがって、保険会社から「打ち切り」をされた後、主治医の先生が症状固定と判断するまでに立て替えた治療費は、原則として相手方に請求できます。ただし、任意の話合いの段階では、「打ち切り後の治療費は一切支払わない」という回答をする保険会社も多く、このような場合、打ち切り後の治療費を回収するためには、訴訟等をする必要があります。

他方、症状固定と判断された後の治療費は、事故との因果関係がないものと扱われてしまうため、補償の対象には含まれないこととなります。

休業損害(休業補償)について

事故により休業を余儀なくされ、現実の収入減がある場合には、原則としてその減収部分が補償の対象となります。この考えは、給与所得者であっても自営業者であっても基本的には同じですが、自営業の方の場合、休業期間・基礎となる収入について争いとなることがあります。

また、主婦の方であっても、事故により家事ができなかった期間につき、休業損害を請求することができます。この場合、女性労働者の全年齢平均の賃金額(平成27年度だと、日額1万200円程度となります。)を基礎として、金額を算定することとなります。ただし、休業の期間について、保険会社と争いになることがあります。

入通院慰謝料について

交通事故の慰謝料は、裁判所によって基準が設けられています(裁判基準、赤本基準などと呼ばれるものです。)。

この基準は、何日間入院・通院した場合にはいくら、という風に、自動的に金額が出るようになっています。例えば、むち打ちの症状で半年間通院した場合には、裁判所の基準だと、89万円という通院慰謝料が支払われることとなります。機械的に慰謝料を算定するということ自体、個人的には疑問がありますが、裁判所も基本的にはこの基準に則って慰謝料を算定するため、この基準を上回るような慰謝料の認定は、ほとんどなされないという実情がございます。ただし、極めて悪質な事故(無免許、ひき逃げ、酒酔い、著しいスピード違反等)である場合などには、例外的に慰謝料の増額を認める場合もあります。

上記はあくまでも裁判所の基準であり、弁護士が入る前に保険会社が提示してくる金額は、この基準よりもずっと低額なことが多いです(いわゆる保険会社基準と呼ばれるものです)。また、この保険会社基準よりも低額な基準として、自賠責基準と呼ばれるものもあります(慰謝料は通院1日4、200円というのが、この自賠責基準です。)。

後遺障害について

不幸にも症状が残ってしまい、後遺障害が認定された場合には、後遺障害慰謝料と、逸失利益を請求することができます。

後遺障害慰謝料は、後遺障害が残ってしまったことそれ自体に対する慰謝料であり、これについても、等級ごとに、裁判所の基準があります。例えば、後遺障害14級の場合、裁判所の基準だと、110万円が後遺障害慰謝料として認められます。

また、逸失利益というものは、後遺障害による将来の労働への影響を補償するものです。この逸失利益についても、裁判所の基準(計算式)があります。例えば、後遺障害14級の場合、将来5年間にわたって、5%労働力が下がると仮定し、事故前年の収入×5%×4.3295という計算式で逸失利益を算定します。なお、ややこしいですが、ここで5年ではなく4.3295となっているのは、5年間を前倒しでもらうので、利息分を考慮して多少差し引きましょう、というルールによるものです。

おわりに

以上、交通事故の賠償で問題となることの多い項目について、簡単に説明させていただきました。上記説明はあくまでも一般的な説明であり、具体的な事情により、補償の内容は異なってきます。不幸にも交通事故の被害に遭われた際には、依頼するか否かにかかわらず、一度弁護士に相談し、直接説明を受けることを、強くオススメします。

(文責:弁護士 村岡 つばさ

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