無保険車傷害保険

最終更新日:2026年03月03日

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士 粟津 正博
Q無保険車傷害保険とはどのような保険ですか?

無保険車傷害保険とは、交通事故で死亡したり後遺障害が残ったりしたにもかかわらず、加害者が任意保険に加入していないなどの理由により十分な賠償を受けられない場合に、被害者自身が契約している保険会社から保険金が支払われる保険(特約)です。

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無保険車

無保険車傷害保険とは

無保険車傷害保険とは、交通事故によって被害者が死亡したり、後遺障害が残ったりしたにもかかわらず、加害者が任意保険に加入していないなどの理由により、十分な損害賠償を受けられない場合に備えるための保険(特約)です。

多くの場合、この保険は単独の商品として契約されるのではなく、自動車の任意保険に特約として付帯されています。対人賠償責任保険などとセットで加入しているケースが多いです。

この保険の大きな特徴は、被害者が契約している保険会社から保険金が支払われる点です。

そのため、加害者が無保険で資力がない場合でも、被害者は損害の補償を受けることができます。無保険車傷害保険は、万が一の交通事故に備えるうえで、非常に重要な保険といえるでしょう。

無保険車傷害保険が使える場合

無保険車傷害保険は、「無保険自動車」との交通事故によって、被保険者やその家族が死亡した場合、または後遺障害を負った場合に利用することができます。

ここでいう「無保険自動車」とは、単に任意保険に加入していない車だけを指すわけではありません。具体的には、次のようなケースが当てはまります。

  1. 対人賠償責任保険が付いていない自動車

    加害車両が任意保険に加入していない場合です。

  2. 対人賠償責任保険は付いているが、保険金が支払われない自動車

    運転者が年齢条件を満たしていなかったり、告知義務違反で契約が解除されたり、その他免責事由に該当したりして、保険金がまったく支払われない場合です。

  3. 対人賠償責任保険の保険金額が低い自動車

    加害車両の対人賠償保険の支払限度額が、被害者が受け取るべき損害賠償額よりも低く、十分な補償を受けられない場合です。

  4. ひき逃げなどで加害者が不明な場合

    相手の車が特定できず、賠償請求ができないケースです。

無保険車傷害保険の補償内容

ここでは、無保険車傷害保険で補償される具体的な内容について見ていきましょう。

補償の対象となる損害

無保険車傷害保険で補償されるのは、交通事故によって被保険者が死亡した場合、または後遺障害が残った場合の損害に限られます。

後遺障害を伴わない、けがのみの損害については、補償の対象外となる点に注意が必要です。

また、人的損害を伴わない、物損のみの事故の場合も、対象外です。

保険の対象となる人(被保険者)

無保険車傷害保険の対象となるのは、記名被保険者本人だけではありません。一般的には、配偶者(内縁関係を含む)、父母、子といった家族も補償の対象に含まれます。

ただし、事故の状況や契約内容によって範囲が異なるため、お手元の保険証券で確認が必要です。

支払われる保険金の額

支払われる保険金の額は、保険会社が定める基準をもとに算定されます。ただし、弁護士が交渉や訴訟を行うことで、より高額な「裁判基準」を前提とした金額が認められるケースもあります。

そして、実際に支払われるのは、その損害額から、加害車両の自賠責保険などによってすでに支払われた金額を差し引いた不足分となります。

この保険金の額は、被害者と保険会社との協議によって決定され、協議が整わない場合には、訴訟などを通じて最終的に判断されることになります。

よくあるご質問

ここでは、無保険車傷害保険について、よくいただくご質問にお答えします。

加害者が無保険です。誰に請求すればよいですか?

まずは、交通事故の加害者本人に対して損害賠償請求を行うことになります。

もっとも、無保険の加害者は支払能力に乏しいことも多く、十分な賠償を受けられないケースが少なくありません。

加害車両が自賠責保険に加入していれば、自賠責保険への請求は可能ですが、自賠責保険には補償額の上限があるため、損害の全額を回収できないこともあります。

このような場合には、ご自身が加入している自動車保険の無保険車傷害保険や人身傷害保険の利用を検討することになります。

人身傷害保険と無保険車傷害保険の違いは何ですか?

人身傷害保険と無保険車傷害保険は、どちらも被害者自身が加入する保険から支払いを受けられる点で似ていますが、使える条件や補償の範囲に次のような違いがあります。

① 無保険車傷害保険

  • 使える条件

    相手が「無保険自動車」である場合に限定されます。

  • 補償される内容

    死亡または後遺障害が残った場合に限られます。金額の算定は、弁護士が交渉や裁判を行った場合には「裁判所の基準」での請求が可能になるケースがあります。

② 人身傷害保険

  • 使える条件

    相手が無保険かどうかに関係なく利用できます。

  • 補償される内容

    死亡・後遺障害に加え、けが(通院・入院のみの場合)も補償対象となります。金額の算定は、人身傷害保険約款の基準によります。

後遺障害はありません。無保険車傷害保険を使えますか?

後遺障害がない場合、無保険車傷害保険は使えません。

無保険車傷害保険は、交通事故によって被保険者が死亡したか、後遺障害が残った場合にのみ支払われる保険です。

したがって、入院や通院を要するけがを負ったとしても、後遺障害が認定されなければ、この保険から保険金を受け取ることはできません。

けがはありません。無保険車傷害保険を使えますか?

けががない事故の場合、無保険車傷害保険は利用できません。

無保険車傷害保険は、交通事故によって生じた人身損害(人の生命や身体への損害)のみを補償する保険であり、死亡したときや後遺障害が残った場合に限って保険金が支払われます。

そのため、けががない事故や、けがが軽く後遺障害が残らないケースは補償の対象外となります。

また、この保険は人身損害を対象とするものであるため、車の修理代などの物的損害(物損)も補償されません。物損については、ご自身が車両保険に加入している場合には、車両保険の利用を検討しましょう。

まとめ:まずは弁護士に相談

交通事故の加害者が任意保険に加入していなかった場合でも、すぐに諦める必要はありません。ご自身やご家族が加入している「無保険車傷害保険」や「人身傷害保険」を利用することで、損害のてん補を受けられるケースがあります。

もっとも、事故の内容によっては、どの保険が使えるのかわかりにくいこともあります。また、手続きの進め方や、どの程度の損害賠償を請求できるのかについて、判断に迷う場面も少なくありません。

特に、後遺障害の等級認定や保険会社とのやり取りは、被害者ご本人だけで進めると負担が大きくなりがちです。

加害者が無保険で対応にお困りの場合は、一人で抱え込まず、早めに交通事故問題に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。弁護士が間に入ることで、状況に応じた適切な対応や、納得のいく解決につながる可能性が高まります。

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士 粟津 正博

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