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交通事故知識ガイド高次脳機能障害Q&A

高次脳機能障害の治療に健康保険を利用した方がよいですか?

弁護士からの回答

解説者の弁護士前田徹

健康保険を利用した方が良い場合もあります。
過失割合や病院の対応にもよりますので慎重に検討しましょう。

健康保険の利用について

交通事故で頭部の怪我により入院したような場合、保険会社から「健康保険を利用してくれませんか」という打診があるときがあります。

交通事故の被害者という立場での健康保険の利用には納得できないという怒りはごもっともですか、一番よい結論になるように慎重に検討をする必要があります。

被害者に過失がないことが明らかである場合

被害者に過失がないことが明らかである場合、健康保険をわざわざ利用するメリットは被害者にはほとんどないです。健康保険の利用は断りましょう。

被害者に過失がある可能性がある場合

被害者に過失がある可能性がある場合には慎重に検討をする必要があります。特に、高次脳機能障害の場合には、長期の入通院となるために治療費が高額となります。

また、被害者側が事故状況を正確に把握できていないこともあるため過失割合が問題となることが多くあります。
そのために、健康保険の利用についてはより慎重な検討が必要です。

例) 過失割合が40%、治療費が総額300万円(自由診療)、健康保険利用と自由診療の場合の治療費の差が2倍の場合

健康保険を利用しない場合の治療費の被害者負担額 120万円
計算式 治療費300万円×過失割合40%
健康保険を利用した場合の治療費の被害者負担額 18万円
計算式 治療費150万円(自由診療の半額)×窓口負担額30%×過失割合40%

被害者負担額の差額 102万円

上記のように、被害者に過失がある場合、健康保険を利用した方が被害者にとっては数字上有利なのです。

病院との関係

病院によっては、交通事故の場合、健康保険の利用に積極的でない病院もあります。
可能な治療内容が健康保険と自由診療で異なる可能性があるという点、後遺障害診断書作成等の手続きが煩雑である点などが理由として考えられます。

高次脳機能障害の場合、後遺障害等級認定手続きのために医師との強力体制が必要不可欠であり、また、治療効果を上げることもより必要不可欠です。
そのためには、医師との緊密な連携関係が非常に重要となってきます。上記のような観点を踏まえて、健康保険を利用するかどうかということを決めましょう。

健康保険は利用できないという病院窓口の話

病院の窓口によっては交通事故の場合健康保険の利用はできないという旨の回答をすることもあります。
しかしながら、実際には、交通事故の場合であっても当然健康保険の利用は可能ですので、窓口で対応している方に丁寧に事実関係を説明する必要があります。

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