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交通事故知識ガイド交通事故と物損Q&A

高級外車に乗っていますが、この高級外車の修理中に同じメーカーの代車を出してもらうことはできますか?

Q6:高級外車に乗っていますが、この高級外車の修理中に同じメーカーの代車を出してもらうことはできますか?
A同じクラスの代車を必要とする特段の事情があれば認められます。

高級車Q5で、代車使用料が損害として認められる場合について詳しく解説しました。
では、ベンツなどのいわゆる高級外車に乗っていた場合、その車両がぶつけられて修理をする間、同じくベンツ等の高級外車の代車を出してもらうことはできるのでしょうか。

確かに、普段ベンツやBMW等に乗っていて(私は乗ったことありませんが)、代車として軽自動車などを出されたら「ちょっと・・・」と思うかもしれませんね。また、お客さんを乗せる車だったりした場合には、代車のグレードによっては信用問題になりかねませんので、同じグレードの代車を出して欲しいとの要請が出ることはたまにあります。

裁判においては、どのような場合に同じクラスの高級外車を代車として使用することが認められるか明確には定まっておらず、ケースバイケースで判断されているようです。

ただ実際は、被害車両が高級外車である場合には、国産高級車の限度で代車料を損害として認めるものが多いとされています(増補版交通事故の法律相談265頁)

これは、通常、被害車両の修理期間が1週間から2週間程度と短く、代車が高級外車でなかったとしても支障が出ないこと、国産高級車でも車両の機能は満たしていることから、国産高級車の限度で代車料が損害として認められているものと思われます。

高級外車が被害車両になった場合で、国産高級車の限度で代車料を損害として認めた裁判例では以下のようなものがあります。

①キャデラックリムジンの代車使用料につき、被害車両を営業車として使用していた理由(安全で、ファックス等の備え付けがあり、多人数の乗用が可能)は、代車を必要とする期間が修理期間の短期間であることから、国産高級車で十分対応できるとし、実際に支出したキャデラックリムジンの代車使用料488万0,655円ではなく、日額2万5,000円で39日間の慰謝料97万5,000円を認めた事例(東京地裁平成7年3月17日判決)(平成28年度損害賠償額算定基準上巻225頁)

それでも、代車を高級外車とする必要性があった場合には、高級外車の代車料が損害として認められる場合もあります。

①被害者が、輸入車の販売の営業マンであり、輸入車の購入希望を有するお客さんからの希望があった場合には、自身の高級外車(ベンツ)にお客さんを乗せて営業していたという特殊な事案で、1日3万円のベンツの代車料を損害として認めた事例(東京地裁平成8年10月30日判決)(増補版交通事故の法律相談265頁)

②被害者が、証券会社の投資顧問会社に勤務しており、被害車両を通勤や営業の仕事に使用していた事例で、「普通のグレードの車に乗り換えると会社の営業不振を疑われるので、高級車に乗ることは営業に必要であることが認められる」として、1日3万円の代車料が認められた事例(東京地裁平成7年12月26日判決)(増補版交通事故の法律相談265頁)

このように、高級外車の代車料が損害として認められた事例もありますが、よっぽどのことが無い限り認められないことに注意が必要です。

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