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交通事故知識ガイド交通事故と物損Q&A

営業車が事故で稼働できませんでした。その分の損害の賠償は出来ますか(休車損害)。

Q16:営業車が事故で稼働できませんでした。その分の損害の賠償は出来ますか(休車損害)
A出来ます。ただしその要件については検討が必要です。

営業車が稼働できない場合

全損営業車が事故に遭い、稼働できない場合については、その間、事故車両を使った営業が出来ないことになります。

そこで、事故車両が修理・買替等により稼働できない期間、稼働していれば得られたであろう利益については、休車損害として、賠償を請求することが出来ます(最判昭和33年7月17日)
もっとも、この休車損害が認められるためには、以下のとおり、幾つかの要件や、裁判例がありますので注意が必要です。

休車損害を請求するための要件

まず、休車損害を請求するためには、当該事故車を使用する必要性があること、代車を容易に調達することができないこと、代替して稼働することができる予備の車両(遊休車)が存在しなかったこと、などが要件として必要であると考えられます。

代車を容易に調達することができない場合

例えば、営業用自動車(緑ナンバー)であれば、陸運局の許可の問題があるので、簡単には代車を調達できません。そのため、代車を容易に調達することができないことの要件を満たしやすくなるものと考えられるでしょう。(もっとも、緑ナンバーでなくとも、特別な設備を搭載している等して代車が調達できない、といった事態は考えられます。)

遊休車が存在しない場合

遊休車が存在するかどうかは、簡単に判断できるものではありません。裁判になった場合、遊休車の有無は、保有車の台数に対する稼働車の台数の比率(実働率)、保有台数と運転手の数との関係、運転手の勤務体制、営業所の配置及び配車数、仕事の受注体制などの諸事情を総合的に考慮したうえで、判断されることになります。裁判では、休車損害を請求する方が遊休車の不存在を証明する必要があります。そのため、遊休車が存在しないことについての資料を十分に準備できない場合や実働率との関係で他の車両で十分に賄えると判断された場合には、休車損害は否定される傾向にあります。
例えば、裁判例(東京地判平成9年3月5日)では、「Y会社は、被告車以外にも同様の事業用大型自動車を所有しており、平素の事業用大型自動車の稼働率は61.3%であることが認められ、これによれば、被告会社は常時余剰車両を有しており、本件事故によって通常の業務に影響を与えることなく被告車の代替車両を工面することができた可能性が高いのであって、被告車が稼働できなかったことによって得べかりし利益を失ったとまで認め」難いと判断しています。

このように、遊休車の有無は、諸事情を考慮したうえで判断されるものであり、遊休車が存在しないと証明することは大変になることが多いのが実情です。

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