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交通事故知識ガイド主婦の交通事故の解決Q&A

1人暮らしで自分のためだけに家事を行っている場合にも休業損害は認められますか。

弁護士からの回答

弁護士川崎翔の画像解析

1人暮らしで、自分のためだけに家事を行っている主婦の場合、休業損害は認められない可能性が高いです。

主婦でも休業損害は認められる

家事労働は実際に金銭収入を得て行っているものではないですが、家事労働を家政婦やヘルパー等の第三者に依頼すれば当然対価を支払うべきものであり、社会において金銭的に評価されうるものです。

そのため、交通事故によって負った怪我を原因として家事労働ができなくなった場合でも休業損害は認められ、現在ではこれに異を唱える説はありません。

1人暮らしの場合

では、1人暮らしの人が自分のために家事を行っている場合はどうでしょうか。

1人暮らしの場合、その人が行っている家事はすべて自分のための家事であり、他人のために行う家事労働ではなく財産上の収益を上げ得る労働であると評価できません。したがって、基礎収入が認められないとして休業損害も認められないことが多いです。

ただし1人暮らしであっても、就労の蓋然性や他人のために家事を行う蓋然性がある場合には、基礎収入が認められる場合があります。

また、1人暮らしの人が、事故によって負った怪我が原因で家事ができなくなり、家政婦等の第三者を雇用した場合には、その費用が損害として認められる可能性はあります。

以下、実際に裁判において1人暮らしであることを理由に争われた例を見てみましょう。

裁判例の状況

否定例

①大阪地裁平成9年7月24日判決

交通事故により死亡した1人暮らしの女性(78歳)が、独力で家事をしていたとしてもこれは人が生きるために必要な生活行為であるから、これを基礎収入の根拠となる労働と評価することはできない、として1人暮らしの場合の基礎収入を否定した事例。

②名古屋地裁平成16年6月25日判決

被害者(事故当時78歳)は単身生活として自分で家事をしていたが、それは家族のための家事とは認められないし、被害者が老人向け病院のデイケアサービスセンターに週3回通っていたことに照らしても、家事労働分を基礎収入として考慮することは不相当であるとした事例。

肯定例

①東京高裁平成15年10月30日判決

1人暮らしの78歳の女性が、交通事故により負傷した場合の休業損害及び逸失利益の算定において、自分の生活を維持するための家事労働に従事することができなくなった場合においても、それによる損害を休業損害として評価するのが相当であるとした事例。

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