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高次脳機能障害の日常生活状況報告の注意点

高次脳機能障害の日常生活状況報告の注意点

最終更新日:2024年2月9日

監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎

Q高次脳機能障害の日常生活状況報告の注意点にはどのようなものがありますか?
A日常生活状況報告では、症状を漏らさずに記載するようにしましょう。症状を見逃すと、低い後遺障害にしかならないかもしれません。

1. 日常生活状況報告とは

高次脳機能障害後遺障害の申請では、日常生活状況報告という書類を作成します。

日常生活状況報告では、次の4つの視点から高次脳機能障害でよく問題になる質問に回答します。

  • 意思疎通能力
  • 問題解決能力
  • 持続力や持久力
  • 社会行動能力

症状を見逃すと、低い後遺障害にしかならないかもしれません。症状を見逃さないようにしましょう。

ここからは、もらさないように注意すべきよくある症状を解説します。

2. 記憶障害の注意点

記憶障害
記憶障害とは、事故の前に経験したことが思い出せなくなったり、新しい経験や情報を覚えられなくなったりした状態です。

具体的には、次のような症状があったら要注意です。

  • 昨夜、夕食は何を食べたかわからない。
  • 今朝の朝食、何時頃、どんなものを食べたかわからない。
  • 事故後物忘れが多くなっている。
  • 病院への通院日や外出する日を約束しても、単に忘れていたのではなく、約束したこと自体を覚えていない。
  • カップラーメンにお湯を入れてそのまま放置してしまう。
  • 家族全員の名前がいえない。
  • 主治医の名前がいえない。
  • 自宅のペットの名前がいえない。

3. 注意障害の注意点

注意障害とは注意散漫で他の刺激に気が移りやすく、1つのことに集中できなくなる障害です。

具体的には、次のような症状があったら要注意です。

  • 仕事を始めてもすぐボーッとしてしまい、集中力がもたない。
  • お皿を洗っている途中、気がつくと、テレビを観ている。
  • 窓の掃除をすると、ずっと同じところを拭いている。
  • 集中力が極端に低下し、そのため脈絡のない行動をとったり、会話にまとまりがなく話が飛びがちになったり、同時にいくつかの作業を進めることができなくなったり、一つのことに固執したりする。

4. 遂行機能障害の注意点

遂行機能障害とは、目的を持った一連の活動を有効に行うのに必要な機能の障害です。

具体的には、次のような症状があったら要注意です。

  • 旅行の計画やスケジュールを立てることができない。
  • 買い物の段取りが悪く、売り場を行ったり来たりして何倍も時間がかかる。
  • コピーを取ってFAXをする、その間に電話をするなど、同時並行で複数の作業ができない。
  • 家族に促されないと病院に行かない。
  • 家族に促されないと薬を飲まない。

5. 社会的行動障害の注意点

怒りっぽい
社会的行動障害とは、社会生活に大きく影響する問題行動が発生する障害です。

具体的には、次のような症状があったら要注意です。

  • ささいなことで激昂したり、すぐに疲れてしまったり、すぐに気が散ってしまったり、極端に甘えたりする。
  • 幼児に返ったような行動があり、子供っぽい言葉づかいをするようになった。
  • 人前でも平気で着替えを始めてしまう。
  • 好きなお菓子ばかりを食べ続け、他の食べ物には見向きもしない。
  • 毎週のようにゴルフをしていたのに、家にあるゴルフクラブに見向きもしなくなった。
  • 猫好きで何匹も飼っていたのに、世話をしなくなった。
  • 「誰かが私の財布を隠した」などの被害妄想がある。
  • 掃除、片づけをまったくしなくなり、部屋は散らかり放題である。
  • 逆に、ずぼらだった性格が几帳面になり、神経質に掃除をしている。
  • いつも疲れていて家で居眠りが多い。突然眠ってしまう。

6. 半側空間無視の注意点

半側空間無視とは、損傷した脳の反対側について、何かを発見して報告したり、反応したり、その方向を向いたりすることが障害される病態です。

具体的には、次のような症状があったら要注意です。

  • 歩いていてよく左肩をぶつける。
  • 食卓に並んだいくつかのおかずの皿から右半分しか箸をつけないといったことがある。
  • 片側から話しかけられても反応しない、片側に人が立っていても存在に気づかないといったことがある。
  • 家の絵を描かせると片側半分だけしか描かない。

7. 失認の注意点

失認とは、視覚や聴覚などの感覚を通して物を認識できなくなる障害です。①視覚失認②聴覚失認③相貌失認④街並失認⑤身体失認などがあります。

具体的には、次のような症状があったら要注意です。

  • 右手を出してと言われて左手を出すなど、よく左右を間違える。
  • 主治医の顔や新しく出会った人の顔を覚えられないことがある。

8. 失行の注意点は

失行とは、パターンや順序を覚える必要がある作業を行う能力が失われる障害です。

具体的には、次のような症状があったら要注意です。

  • 箸やスプーン、歯ブラシが使えなくなる。
  • 事故前によく使っていた電気器具の使い方を忘れてしまう。
  • 着衣の動作がスムースに行えない。

9. 言語障害の注意点

被害者の話し方を観察しましょう。

運動性失語は、左前頭葉のブローカ領域の損傷に由来します。運動性失語のときは流暢性が喪失します。どもったり、言葉が出てこずに考え込んだりします。

感覚性失語は、左側頭葉のウェルニッケ領域の損傷に由来します。感覚性失語のときは、言い間違いが多かったり、同じことを繰り返し話したり、意味不明なことを話したり、質問と答えがかみ合わなかったりします。

10. その他の注意点

味覚障害、嗅覚障害、運動障害、平衡感覚の障害などもあります。

たとえば、次のような症状があったら要注意です。

  • 味がついているのに、大量に醤油をかけて食べる。
  • 事故後、苦手で食べられなかった魚介類が食べられるようになった。
  • 足元にガソリンがこぼれているのに、煙草を吸おうとしてライターを取り出す。
  • 腐った果物を平気で食べる。
  • まっすぐ歩けず、蛇行している。
  • めまいを訴える。なんでもないところで転倒する。
  • 頭痛に悩まされている。

まとめ:高次脳機能障害の日常生活状況報告の注意点

高次脳機能障害の後遺障害の申請では、日常生活状況報告という書類を作成します。

日常生活活動状況報告では、症状を漏らさずに記載するようにしましょう。症状を見逃すと、低い後遺障害にしかならないかもしれませんので要注意です。

(監修者 弁護士 大澤 一郎

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