交通事故で代車が利用できる期間

最終更新日:2026年02月16日

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士 粟津 正博
Q交通事故で代車が利用できるのはどのくらいの期間ですか?

交通事故の被害者が代車を利用できる期間は、修理の場合でおおむね1~2週間程度、買い替えになる場合でおおむね1か月程度が一般的な目安とされています。

ただし、これはあくまで標準的な目安にすぎません。実際には次のような事情を踏まえて、「その期間が相当といえるか」で判断されます。

  • 修理や納車にかかる具体的日数
  • 保険会社との協定状況(修理費用の合意状況)
  • 被害者側の対応状況

そのため、保険会社から「2週間までです」「もう返してください」と言われた場合でも、事情次第では延長できることもあります。

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代車が利用できる期間

代車が利用できる条件

代車費用を加害者側に請求するためには、単に代車を利用しただけでは足りません。法律上の損害として認められるためには、次の3つの条件を満たす必要があります。

① 代車の必要性があること

代車費用を損害として請求するには、まず「代車を使う必要性があったこと」を証明しなければなりません。この必要性は、事故車両の使用状況や生活環境から総合的に判断されます。

仕事で使用している車が事故にあった場合、代替手段がなければ業務に支障をきたすため代車の必要性が認められることが多いです。

一方、自家用車については、その車が日常生活にどの程度不可欠かで判断が分かれます。毎日の通勤や通学に使用していた場合は必要性が認められやすい一方、週末のレジャーや趣味でときどき使う程度であれば、必要性が否定されることが多いでしょう。

ただし、次のような状況では代車の必要性が認められにくくなります。

  • 他の使用可能な車両(遊休車)がある場合
  • 公共交通機関が充実しており、それを利用しても大きな支障が出ない場合

② 代車の使用期間に相当性があること

代車を利用できる期間は、無制限ではありません。認められるのは、あくまで事故車の修理や買い替えに必要となる「相当な期間」に限られます。

この「相当な期間」を超えて代車を使い続けた場合、その超過分の費用は原則として自己負担となります。

たとえば、加害者側の保険会社との交渉が長引いているからといって、修理や買い替えの手続きを全く進めずにいると、その間に発生した代車費用は「不相当に長期化した損害」とみなされ、加害者側に請求できなくなる可能性があります。

ただし、例外もあります。たとえば、加害者側の保険会社が、損害賠償額の算定方法などについて被害者に十分な説明をせず、不誠実な対応を続けたために被害者がどうすればよいか判断できず、結果として代車期間が長引いてしまった、というようなケースです。

このような場合は、被害者にとってはやむを得ない事情があったとして、長期化した期間の代車費用も加害者側が負担すべきだと判断されることがあります。

③ 代車のグレードに相当性があること

利用する代車の車種(グレード)にも「相当性」が求められます。

損害賠償の基本的な考え方は「原状回復」、つまり事故がなければあったであろう状態に戻すことです。

そのため、原則として事故にあった車と同種・同格の車種の代車費用が認められることが多いです。

ただし、事故にあった車が外車や高級車などの場合、あえて高級車を代車として利用する相当性がない場合には、高級車分の代車費用までは認められないことが多いでしょう。

代車の利用期間の目安

代車が利用できる「相当な期間」は、車を修理するのか、それとも買い替えるのかによって大きく異なります。ここでは、それぞれのケースでの一般的な目安を見ていきましょう。

修理の場合の利用期間の目安

事故にあった車を修理する場合、代車が利用できる期間の目安はおおむね1週間から2週間程度です。これは、一般的な修理作業にかかる時間と考えられています。

ただし、部品の調達に時間がかかる場合や、保険会社との交渉に時間がかかる場合などの事情がある場合は、2週間を超える期間が認められることもあります。

買い替えの場合の利用期間の目安

車の損傷が激しいなどの理由で、車の買い替えが必要な場合、代車が利用できる期間の目安はおおむね1か月程度です。

これは、新しい車を探し、見積もりを取り、契約して納車されるまでにかかる一般的な期間と考えられています。

加害者の任意保険会社が代車を出さない場合の対応策

加害者側の保険会社が「代車費用は出せません」と言うケースは少なくありません。そのような場合の対応策について解説します。

自分の保険に代車費用特約があるか確認

ご自身が加入している自動車保険に「代車費用特約」が付いているか確認してみましょう。

代車費用特約とは、事故で自身の車が使えなくなった際、修理や買い替えの期間中にレンタカーを借りる費用を補償する制度です。

この特約があれば、加害者側との交渉結果にかかわらず、ご自身の保険を使って代車費用をカバーできます。相手方の対応を待たずに済むため、スムーズに代車を手配できる点がメリットです。

ただし、利用には条件があるため、保険会社に問い合わせて詳細を確認してください。

修理工場から無償で代車を借りる交渉

車を修理に出す工場によっては、サービスの一環として代車を無料で貸し出してくれることがあります。

修理を依頼する際に、代車を借りることができないか相談してみるのも一つの方法です。

車を買い替えする場合、売主から代車を借りる交渉

車を買い替える場合は、購入先のディーラーや中古車販売店に相談してみましょう。

納車までの間、代車を貸してくれることがあります。

自分で代車費用を立て替え

最終的な手段として、一度自分で代車費用を立て替えておき、後から加害者側に請求する方法があります。

ただし、立て替えした代車費用を保険会社が必ず支払うとは限りません。最終的に代車費用が自己負担となってしまう可能性もあることを理解したうえで立て替えしましょう。

加害者の任意保険会社から代車の返還を求められた場合の対応策

保険会社から「修理の目安である2週間が経ったので、代車を返してください」などと、代車の打ち切りを宣告されることがあります。その場合の対応策について解説します。

修理終了日や納車日を伝えて交渉

修理工場やディーラーに、修理が終わる正確な日付や、新しい車の納車予定日を確認しましょう。

その具体的な日程を保険会社に伝えて、「この日までは代車が必要です」と交渉することで、期間が延長できることがあります。

特に、修理工場と保険会社との間で修理内容の協定が長引いているような場合は、その事情をきちんと説明することが重要です。

修理工場やディーラーから代車を無償で借りる交渉

保険会社が費用を負担してくれない期間について、修理工場やディーラーへ相談し、代車を無償で貸してもらえないか交渉してみるのも一つの手です。

自分で代車費用を立て替え

交渉しても保険会社が代車期間の延長を認めない場合には、その期間の代車費用を自分で立て替える方法もあります。

ただし、後日自己負担となってしまう可能性があることを理解した上で立て替えしましょう。

よくあるご質問

ここでは、交通事故で代車を利用する際に、よくある質問についてお答えしています。

過失があるので代車は使えないと言われました。本当ですか?

過失があっても代車が使えないとは限りません。

自分にも過失がある事故(例えば過失割合が「20:80」など)の場合でも、代車の必要性や期間、グレードに相当性が認められれば、代車費用は損害賠償の対象となります。

ただし、請求できる金額は、相手方の過失割合に応じた部分のみとなります。たとえば、代車費用が10万円で、過失割合が「被害者20:加害者80」であれば、加害者側には8万円(10万円×80%)を請求することになります。

無料で親戚から車を借りました。保険会社に代車費用を請求できますか?

無料で車を借りた場合は代車費用を請求できません。

代車費用が損害として認められるためには、「現実に代車費用を支出した」ことが原則として必要です。親戚などから無償で車を借りた場合、金銭的な支出が発生していないため、損害賠償を請求することはできません。

自宅にもう1台車があります。代車費用を請求できますか?

代車費用を請求できない可能性が高いです。他に利用できる車がある場合、代車の「必要性」がないと判断されることが多いためです。

ただし、そのもう1台が家族の通勤専用車であったり、事故車とは使用目的が全く異なる車種であったりして、代替として使えない合理的な理由がある場合は、代車費用の支払いが認められる可能性があります。

代車費用の代わりにタクシー代を請求できますか?

タクシー代の請求は状況によります。

電車やバスなどの公共交通機関を利用することで目的を達成できる場合は、高額なタクシー代ではなく、その公共交通機関の利用料金分の賠償となる可能性が高いです。

代車を借りるほどの必要性はないものの、代替交通手段が必要な場合には、タクシー利用の必要性や相当性(他に手段がなかったか、料金は妥当かなど)を具体的に主張していくことになります。

まとめ:悩んだらまずは弁護士に相談

交通事故における代車費用は、その必要性、期間、グレードの「相当性」が認められて初めて、加害者側に請求できる損害です。

代車の必要性や相当な期間の判断は法的な知識がないと難しく、ご自身で交渉するのは大きな負担となるでしょう。

代車をめぐるトラブルで少しでも不安や疑問を感じたら、交通事故問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。弁護士が介入することで、法的な観点から適切な代車期間を主張し、保険会社と対等に交渉することが可能になります。

よつば総合法律事務所では、交通事故に関するご相談を随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

監修者
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弁護士 粟津 正博

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