保険会社の対応が悪い場合
最終更新日:2026年06月23日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
弁護士 粟津 正博
- Q保険会社の担当者の対応が悪い場合どうすればよいですか?
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保険会社の担当者の対応が悪いと感じた場合は、まず、いつ、誰から、どのような対応を受けたのかを整理し、必要に応じて記録を残しましょう。そのうえで、担当者本人や上司に改善を求める、保険会社のお客様相談室に報告する、そんぽADRなどの第三者機関に相談するといった方法があります。
それでも改善しない場合や、保険会社とのやり取り自体が大きな負担になっている場合、示談金の内容に納得できない場合には、弁護士に相談することも検討しましょう。弁護士に相談すれば、今後どのように対応すべきか、示談金額が妥当かどうかなどについてアドバイスを受けられます。
さらに弁護士に依頼すれば、保険会社との連絡窓口を任せられるため、精神的な負担を軽減しやすくなります。また、事案によっては、慰謝料などの賠償額が増額される可能性もあります。

目次

保険会社担当者の対応が悪い例
交通事故後は、治療費の支払いや慰謝料、示談金額などについて、相手方の保険会社の担当者とやり取りをすることになります。
事故後は、けがの治療や車の修理、仕事への影響などに対応しなければならず、被害者にとって余裕のない時期です。そのような状況で、担当者の説明がわかりにくい、連絡が遅い、十分に話を聞いてもらえないといったことがあると、「対応が悪い」と感じることもあるでしょう。
ここでは、保険会社担当者の対応が悪いと感じやすい代表的な7つのケースを取り上げます。ご自身の状況と重なる部分がないか、確かめながら読み進めてみてください。
態度が悪い
保険会社の担当者の言葉遣いや態度が悪く、不快に感じるケースがあります。
たとえば、上から目線で話される、こちらの話をさえぎられる、加害者側の言い分ばかりを押しつけられているように感じる、といった場合です。
交通事故の被害者は、けがの痛みや事故後の不安を抱えながら、保険会社とやり取りをしなければなりません。そのような状況で配慮のない言い方をされると、不信感や怒りが大きくなるのも無理はないでしょう。
担当者の態度が悪いと感じると、その後の連絡を取ること自体が負担になります。また、治療費や慰謝料、示談金額などの重要な話し合いにも、強い抵抗感を覚えやすくなります。
説明がわかりにくい。話を聞いてくれない
保険会社の担当者から説明を受けても、「何を言われているのかわからない」「こちらの話をきちんと聞いてもらえない」と感じることがあります。
交通事故の示談交渉では、「過失割合」「症状固定」「休業損害」「逸失利益」など、日常生活ではあまり使わない専門用語が出てきます。こうした言葉について十分な説明がないまま話を進められると、被害者にとっては内容を理解するだけでも大きな負担になります。
また、被害者が、けがの状態や仕事への影響、通院の事情などを説明しても、十分に聞き取ってもらえないことがあります。質問をしても、「そういう決まりです」「通常はこのような対応になります」などと説明されるだけで、個別の事情に応じた回答を得られないケースもあります。
このような状態が続くと、保険会社への不信感が大きくなり、担当者と話し合うこと自体に抵抗を感じるようにもなるでしょう。
頻繁に連絡してきてしつこい
保険会社の担当者によっては、被害者の都合を十分に確認しないまま、何度も電話をかけてくることがあります。
仕事中や家事の合間、通院の前後などに突然連絡が来ると、落ち着いて話を聞くことができません。電話に出られない時間帯に繰り返し連絡が来ると、それだけで大きな負担に感じることもあるでしょう。
また、急いでいるときに電話で説明を受けると、内容を十分に確認できないまま返答してしまうおそれがあります。特に、治療費の支払いや休業損害、慰謝料、示談金額などに関する話は、後の交渉にも影響することがあるため注意が必要です。
対応が遅い
保険会社の担当者からの連絡が遅く、手続きがなかなか進まないこともあります。
たとえば、車の修理費用について問い合わせても、「確認中です」「決裁を待っています」などと言われるだけで、具体的な回答が得られないケースがあります。その結果、修理内容や代車の利用期間が決まらず、日常生活に支障が出ることもあるでしょう。
また、治療費の支払いや休業損害の確認、示談金の提示などについても、対応が遅いと被害者の不安は大きくなります。交通事故後は、けがの治療や仕事への復帰、生活費の不安などを抱えていることも多いため、保険会社の対応が遅いこと自体が大きなストレスです。
連絡がない
事故から数日経っても、相手方の保険会社から連絡がないケースもあります。
通常、加害者が保険会社に事故を報告すると、その後、保険会社の担当者から被害者へ連絡が入ります。しかし、加害者が事故報告をしていない、保険会社内で確認に時間がかかっている、被害者の連絡先が正しく伝わっていないなどの理由で、連絡が遅れることがあります。
相手方の保険会社から連絡がない状態が続くと、治療費や修理費の対応が進まず、被害者の不安も大きくなります。事故後の対応を放置されているように感じ、保険会社への不信感にもつながるでしょう。
補償を打ち切る
保険会社の担当者から、「そろそろ治療費を打ち切りたい」と伝えられるケースがあります。
交通事故では、加害者側の任意保険会社が、治療費を病院に直接支払うことが多いです。ただし、この対応は保険会社の義務ではないため、事故から一定期間が経つと、治療費の支払いを終了すると連絡が来ることがあります。
被害者にとっては、まだ痛みやしびれが残っている段階で治療費の打ち切りを告げられると、「もう治療を受けられないのではないか」「通院をやめなければならないのか」と不安になるでしょう。
十分な説明がないまま一方的に打ち切りを伝えられれば、保険会社の対応に強い不満を感じることになります。
賠償額が少ない
保険会社から、慰謝料や示談金について低い金額を提示されるケースがあります。
交通事故の賠償額は、治療期間、通院日数、休業の有無、後遺障害の有無、過失割合などによって変わります。また、賠償額の計算にはいくつかの基準があり、どの基準で計算するかによって金額に差が出ることもあります。
そのため、保険会社から提示された金額を見て、「思っていたより少ない」「この金額で示談してよいのだろうか」と感じる方もいるでしょう。特に、金額の根拠について十分な説明がない場合には、保険会社の対応が悪いと感じやすくなります。
保険会社担当者の対応が悪い場合の対応策
保険会社の担当者の対応が悪いと感じた場合は、まず自分が何に困っているのかを整理し、状況に合った対応をとることが大切です。
たとえば、電話での連絡が負担になっている場合、説明や提示額に納得できない場合、担当者本人とのやり取りだけでは改善が難しい場合などで、検討すべき対応は変わります。
ここでは、保険会社の担当者の対応が悪いと感じたときに考えられる対応策を紹介します。
連絡を希望する日時・時間を伝える
保険会社からの電話での連絡が負担になっている場合は、連絡を受けやすい曜日や時間帯を具体的に伝えましょう。
たとえば、平日の昼間に仕事で電話に出られない場合は、「平日は○178時以降に連絡してほしい」と伝えます。家事や育児、通院などで電話に出にくい時間帯がある場合も、あらかじめ事情を説明しておくとよいでしょう。
保険会社からの連絡だからといって、いつでも電話に出なければならないわけではありません。落ち着いて内容を確認できる時間帯や方法を伝えることで、やり取りの負担を減らしやすくなります。
メールやLINEでのやり取りを希望する
保険会社からの電話での連絡が負担になっている場合は、メールやLINEでのやり取りを希望する方法もあります。
仕事中で電話に出にくい、通院や家事の合間で落ち着いて話せない、何度も電話が来ること自体が負担になっているといった場合は、電話以外の連絡方法を希望できないか確認してみましょう。
メールやLINEであれば、自分の都合のよいタイミングで内容を確認しやすくなります。電話のようにその場で返答する必要がないため、落ち着いて考えてから返信しやすい点もメリットです。
また、やり取りの内容が文字で残るため、後から内容を見返したり、家族や弁護士に相談したりするときにも役立ちます。
賠償のルールを理解する
保険会社の説明や提示額に疑問がある場合は、交通事故の損害賠償に関する基本的なルールを確認しておくことも大切です。
交通事故では、治療費や休業損害、慰謝料、逸失利益など、さまざまな損害が問題になります。また、慰謝料の算定基準や過失割合、後遺障害等級認定の結果によって、最終的な賠償額が変わることもあります。
基本的なルールを知っておくと、わかりにくい説明や事務的な対応に振り回されにくくなり、何に疑問があるのか、どの点を確認すべきかを整理しやすくなります。担当者にも具体的に質問できるようになり、納得のいかない説明をそのまま受け入れずにすみます。
もっとも、交通事故の損害賠償には専門的な内容も多く含まれます。すべてを自分で正確に理解しようとする必要はありません。疑問がある場合は、保険会社に根拠を確認し、必要に応じて弁護士に相談しましょう。
弁護士に相談・依頼する
保険会社の対応そのものに納得がいかず、やり取りを続けること自体が大きな負担になっているときは、弁護士への相談・依頼を検討しましょう。
弁護士に相談すれば、保険会社の説明や提示額が妥当か、今後どう対応すべきかについてアドバイスを受けられます。「依頼するかどうかは話を聞いてから決めたい」というスタンスでも問題ありません。
そのうえで正式に依頼すると、保険会社との連絡窓口はすべて弁護士に切り替わります。担当者から電話やメールが来ることはなくなり、被害者は治療や日常生活に専念できます。
加えて、弁護士は法的な観点から、治療費、休業損害、慰謝料、逸失利益などについて適正な金額を主張します。治療費の打ち切りや過失割合についても、根拠を踏まえて反論できます。
自分や家族の自動車保険に「弁護士費用特約」が付いていれば、弁護士費用の多くを保険でまかなえます。実質的に自己負担なしで依頼できることも多いため、まずは保険証券や契約内容を確認してみてください。
保険会社のカスタマーセンターやお客様相談室に報告する
保険会社の担当者本人に不満を伝えても改善されない場合や、担当者に直接伝えにくい場合は、保険会社のカスタマーセンターやお客様相談室に報告する方法があります。
保険会社は、お客様からの苦情にきちんと対応するための社内体制を整える義務を負っています。「いつ、誰に、どのような対応をされたか」をメモにまとめ、具体的に伝えると話がスムーズに進みやすくなります。担当者を変えてほしい、書面で説明してほしいなど、どのような対応を希望するかもあわせて伝えるとよいでしょう。
ただし、お客様相談室への報告をしたとしても、必ず担当者が変更されたり、対応が改善されたりするとは限りません。手応えがなければ、外部の相談窓口や弁護士への相談も検討しましょう。
そんぽADRに相談する
保険会社の対応に困っている場合は、そんぽADRセンターに相談する方法もあります。
そんぽADRセンターは、日本損害保険協会が運営する相談窓口です。損害保険に関する相談のほか、保険会社とのトラブルについての苦情や紛争解決の手続きにも対応しています。
そんぽADRに苦情を伝えると、その内容が保険会社に通知されます。保険会社は、どのように対応したのかをセンターに報告しなければなりません。第三者機関を介することで、保険会社にも一定の対応を促す効果が期待できます。
金融庁に相談する
金融庁には「金融サービス利用者相談室」という窓口があり、保険会社とのトラブルについての相談を受け付けています。電話のほか、ウェブサイトや郵便、ファックスでも受付に対応しています。
金融庁は保険会社を監督する立場にあるため、寄せられた相談内容は金融行政上の参考情報として扱われます。担当者の対応に問題があると感じた場合に、自分の声を監督官庁に届ける方法の1つといえるでしょう。
ただし、金融サービス利用者相談室が行うのは、他機関の紹介や論点整理のためのアドバイスなどにとどまります。個別の交通事故について、保険会社に対応を命じたり、支払額を決めたりする窓口ではありません。
直接的な解決を求める場合は、そんぽADRセンターや弁護士など、別の相談先の利用も検討しましょう。
保険会社担当者に不満があってもしてはいけないNG例
保険会社の担当者の対応に不満があるとき、つい感情的になってしまうのは仕方ありません。しかし、勢いで行動すると、言いたいことが正しく伝わらず、かえって話し合いが進みにくくなることがあります。また、治療費や慰謝料、示談金額などの交渉に影響するおそれもあります。
ここでは、不満があっても避けるべき代表的な3つの行動を紹介します。
加害者に直接連絡をする
保険会社の担当者と話が進まないと、加害者本人と直接話した方が早いのではないかと感じることがあります。しかし、加害者への直接連絡は避けた方がよいです。
加害者が任意保険に加入している場合、保険会社が加害者に代わって示談交渉を行います。加害者本人に連絡をしても、保険会社に任せていると言われるだけで、話が進まないことがほとんどです。
また、加害者と被害者が直接やり取りをすると、感情的になりやすく、トラブルが大きくなるおそれもあります。保険会社側の弁護士が介入し、より硬直的な態度になることも多いです。
柔軟に話を進めるためにも、連絡は保険会社を通すのがよいでしょう。
保険会社からの連絡を無視する
担当者の対応に腹が立っても、保険会社からの連絡を無視するのは避けましょう。
連絡を無視し続けると、治療費や修理費、休業損害、示談金などに関する手続きが進みにくくなります。その結果、解決までの時間が長引くおそれがあります。
また、交通事故の損害賠償請求には時効があります。連絡を無視している間にも時効は近づいてくるため、気づいたときには示談交渉や手続きに使える時間がわずかになっているおそれもあります。
もちろん、仕事中や通院中など、すぐに電話に出られないこともあるでしょう。その場合は、後で折り返す、連絡を希望する時間帯を伝える、メールや書面での連絡を希望するなど、無理のない方法で対応することが大切です。
保険会社とのやり取り自体が大きな負担になっている場合は、弁護士に相談し、連絡窓口を任せることも検討しましょう。
感情的になる
事故後は、けがの痛みや生活への不安から、気持ちが不安定になりやすいものです。そのような状況で保険会社の担当者に不十分な対応をされると、怒りや不信感を抱くのも無理はありません。
ただし、感情的に強い言葉をぶつけたり、勢いで発言したりすると、こちらの主張が正確に伝わりにくくなります。
また、示談金額や治療費、過失割合などについて、冷静に考えないまま返答してしまうと、後の交渉に影響するおそれもあります。
苦情や要望を伝えるときは、「何に困っているのか」「どの対応に不満があるのか」「どうしてほしいのか」を整理して伝えることが大切です。
よくあるご質問
ここからは、保険会社の担当者の対応に関して、被害者の方からよく寄せられる質問にお答えします。
補償を打ち切られた分を加害者に直接請求していい?
法律上、加害者本人に請求すること自体は可能です。
ただし実際には、加害者が「保険会社に任せている」と答えることが多く、本人と直接交渉しても話が進むことはほとんどありません。むしろ、保険会社側の弁護士が介入し、「払う必要がない」「因果関係を認めない」などとより硬直的な態度になることが予想されます。
そのため、補償を打ち切られた場合でも、いきなり加害者本人に連絡するのではなく、まずは保険会社や弁護士を通じて交渉することをおすすめします。
担当者を変えてもらえる?
担当者の変更を希望する申し出を行うことはできます。ただし、必ず変更してもらえるとは限りません。
担当者本人に「変えてほしい」と伝える方法もありますが、もともと態度や対応に問題のある担当者ほど、こうした申し出を真剣に受け止めない傾向があります。
本人に頼むより、お客様相談室など社内の窓口に伝え、組織の問題として扱ってもらうほうが、担当者の変更につながりやすいでしょう。
窓口に伝える際は、いつ・どの場面で、どのような対応に問題があったかを具体的にまとめるのが効果的です。やり取りのメモや録音を残しておけば、説得力が増します。
交通事故紛争処理センターとそんぽADRの違いは?
交通事故紛争処理センターとそんぽADRは、どちらも交通事故や損害保険のトラブルを扱う第三者機関ですが、扱う内容が異なります。
そんぽADRセンターは、保険会社への苦情や、損害保険に関するトラブル全般を扱う窓口です。保険会社の担当者の対応に不満がある場合なども相談できます。
一方、交通事故紛争処理センターは、交通事故の示談について、あっせんや審査を行う機関です。賠償金額や過失割合など、示談の話し合いがまとまらない場合に利用されます。
保険会社の対応や苦情について相談したい場合はそんぽADRセンター、示談金額や過失割合などについて話し合いが進まない場合は交通事故紛争処理センターを検討するとよいでしょう。
担当者の対応が悪い場合、慰謝料は増額できる?
保険会社の担当者の態度が悪いという理由だけで、慰謝料が増額されることは通常ありません。
交通事故の慰謝料は、けがの内容や通院期間、後遺障害の有無などをもとに算定されるのが基本です。そのため、担当者の言い方や対応への不満が、そのまま慰謝料の増額理由になるわけではありません。
もっとも、保険会社から最初に提示される金額は、本来受け取れる相場よりも低いことがあります。「担当者の対応が悪いから慰謝料を増やす」というよりも、「提示された金額が妥当かどうかを確認する」という視点が大切です。
示談金額に納得できない場合は、弁護士に相談し、増額の余地があるか確認してみましょう。
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まとめ:悩んだらまずは弁護士に相談
保険会社の担当者の対応が悪いまま我慢して交渉を続けることは、被害者にとって大きな負担になります。けがの治療に集中したい時期に、担当者とのやり取りでさらにストレスを抱えるのは、誰にとってもつらいことです。
連絡時間の希望を伝える、LINEやメールを使ったやり取りを希望するなど、自分でできる対応もあります。それでも状況が変わらないときや、やり取り自体が重荷になっているときは、弁護士への相談を検討しましょう。
弁護士に依頼すれば、保険会社との連絡窓口を任せることができます。被害者の方が担当者と直接やり取りする負担を減らし、治療や日常生活に集中しやすくなります。また、提示された慰謝料や示談金額が妥当かどうかについても、法的な観点から確認できます。
よつば総合法律事務所では、交通事故の被害者の方からのご相談を多数お受けしています。保険会社の対応に不安や不満がある方は、1人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。

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弁護士 粟津 正博













