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自損自弁

自損自弁

最終更新日:2023年9月6日

監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 辻 悠祐

Q自損自弁とは何ですか?
A自損自弁とは、交通事故の当事者が双方保険を適用せず、自分の損害を自分で負担する解決方法です。

次のようなときに自損自弁となることがあります。

  • お互いの損害発生額が少額のとき
  • 保険利用による保険料の上昇を考えると、保険利用のメリットがないとき
自損自弁

自損自弁とは

自損自弁とは、交通事故の当事者が双方保険を適用せず、自分の損害を自分で負担する解決方法です。

自損自弁の具体例

それでは、自損自弁を具体例でみていきましょう。

物損事故で被害車両の損害5万円、加害車両の損害を20万円とします。過失割合は20対80です。

  • 被害者の損害 5万円
  • 加害者の損害 20万円
  • 過失割合 20対80

被害者は加害者に4万円を請求できます。

【計算式】
総損害額5万円×80%=4万円

加害者は被害者に4万円を請求できます。

【計算式】
総損害額20万円×20%=4万円

双方の損害額が同一です。そのため、双方の損害を双方が負担する解決である自損自弁が簡単で望ましいです。

任意保険を利用すると保険料が上がる

双方の損害額が同一でも、任意保険を利用すればよいのではないでしょうか?

双方の最終的な損害額が同額4万円の例のとき、保険を使えば両当事者共に4万円を保険会社から受領できそうです。

しかし、保険を使うと翌年以降の保険料が上がることが多いです。総額10~20万円程度の保険料増額が多いです。たとえば、4万円をもらい15万円保険料が上がるとすると、11万円のマイナスとなってしまいます。

任意保険を使うと保険料が上がるため、双方の損害額4万円の先ほどの例では自損自弁による解決が望ましいです。

保険料が上がるときと上がらないとき

では、保険料は保険を使うと常に上がるのでしょうか?

保険料が上がる保険と上がらない保険があります。一般的には次のような区別です。

保険料が上がることが多い保険

  • ①対人賠償責任保険(加害者の人的損害への補償)
  • ②対物賠償責任保険(加害者の物的損害への補償)
  • ③車両保険(自らの車両の補償)

保険料が上がらないことが多い保険

自損自弁にするか保険を使うかは専門的な判断が必要です。迷ったら、まずは交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。

自分が自損自弁希望で相手が応じないとき

では、自分が自損自弁希望で相手が応じないとき、どうすればよいでしょうか?

交渉を急がず、相手の変化を待つのがよいでしょう。相手から何も連絡がこなくなったときは、事実上相手も自損自弁の解決に応じたといえるでしょう。

相手が自損自弁希望で自分は応じたくないとき

では、相手が自損自弁希望で自分は応じたくないとき、どうすればよいでしょうか?

自分から積極的に動く必要があります。一度自分で立替払いをして相手に請求や裁判をしましょう。また、次のような保険を使って自分の損害の補償を受ける選択肢もあります。

  • ①自らの車両保険
  • ②自らの人身傷害保険
  • ③(業務中や通勤中の場合)労災保険

まとめ:自損自弁

自損自弁とは、交通事故の当事者が双方保険を適用せず、自分の損害を自分で負担する解決方法です。

次のようなときに自損自弁となることがあります。

  • お互いの損害発生額が少額のとき
  • 保険利用による保険料の上昇を考えると、保険利用のメリットがないとき

(監修者 弁護士 辻 悠祐

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