メニュー
交通事故知識ガイド神経系統の機能又は精神の障害

バレー・リュー症候群、耳鳴りと交通事故

今回ご紹介しますのは、主にバレー・リュー症候群についてです。

バレー・リュー症候群

バレー・リュー症状型
横浜市立大学(整形外科)の土屋弘吉教授が、むち打ち損傷の病態をいくつかに分類しました。
そのうちの1つに「バレー・リュー症状型」というものがあります。バレー・リュー症状型とは、頭痛、めまい、吐き気、視力低下、聴力低下などの不定症状が生ずるものです。
もともとは、フランスのバレーとリュー(いずれも人の名前です。)という神経学者が発表したものでした。

椎骨神経(頸部交感神経)の刺激状態によって生じます。
左の図の緑色の部分です。

緑色の交感神経節が損傷することにより、バレー・リュー症候群を発症します。

⑴バレー・リュー症候群というだけでは、後遺障害等級が認定されない

バレー・リュー症候群の諸症状は、自覚症状があり、その訴えがあるものの、検査をしてもその原因となるものが見つかりません。
このような状態ですと、後遺障害等級が認定されることは難しいでしょう。(非該当となります。)

バレー・リュー症候群の症状に苦しんでいらっしゃる方は、整形外科のほかにペインクリニックに通院し、交感神経ブロック療法(星状神経節ブロック注射)を行い、交感神経の緊張をやわらげて血行を良くすることにより、症状の改善を目指していただく必要があります。

⑵耳鳴りは、条件が揃えば、12級相当に認定されることもあります。

①耳鳴り

耳鼻科におけるオージオグラム検査(「ピーと聞こえたらボタンを押す」という検査です。)で30デシベル以上の難聴があることが診断され、ピッチマッチ、ラウドネスバランスの耳鳴り検査(耳鳴りがどのような音域(高さ)で発生しているのか、また、どのような音量に感じているのかを調べる検査です。)で、耳鳴りが他覚的に立証されたときは、12級が認められています。
バレー・リュー症候群でも、耳鳴りの症状が発生することがありますが、難聴を伴うことはなく、星状神経節ブロック療法で改善が得られます。

②自覚症状の訴えと耳鼻科における検査

耳鳴りの症状が生じているのであれば、通院治療先が整形外科でも、その整形外科の医師に、事故直後から耳鳴りの自覚症状を訴えておかなければなりません。
そして、早期に耳鼻科を受診し、オージオグラム検査を受ける必要があります。
症状の訴えがないまま二、三か月経ってしまうと、事故との因果関係が認められなくなってしまう確率が高くなります。