頚椎捻挫や腰椎捻挫の神経学的所見

監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎
- Q頚椎捻挫や腰椎捻挫の神経学的所見とは何ですか?
- A神経学的所見とは、頚椎捻挫や腰椎捻挫になり、痛みやしびれ、感覚障害といった症状がある患者に対する神経学的検査の結果です。
頚椎捻挫では、次のような神経学的検査があります。
①ジャクソンテスト
②スパーリングテスト
③徒手筋力検査
④筋萎縮検査
⑤腱反射テスト
⑥知覚検査腰椎捻挫では、ジャクソンテストとスパーリングテストの代わりに⑦SLRテストと⑧FNSテストがあります。
―――― 目次 ――――

頚椎捻挫とは
頚椎捻挫とは骨折や脱臼のない頚部や脊柱の軟部組織の損傷です。むちうちともいいます。頚部挫傷、外傷性頚部症候群、外傷性神経根症などの診断名が付くこともあります。
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腰椎捻挫とは
腰椎捻挫とは骨折や脱臼のない腰部や脊柱の軟部組織の損傷です。腰部挫傷、外傷性腰部症候群、外傷性神経根症などの診断名が付くこともあります。
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神経学的所見とは
神経学的所見とは、頚椎捻挫や腰椎捻挫になり、痛みやしびれ、感覚障害といった症状がある患者に対する神経学的検査の結果です。
頚椎捻挫では、次のような神経学的検査があります。
- ①ジャクソンテスト
- ②スパーリングテスト
- ③徒手筋力検査
- ④筋萎縮検査
- ⑤腱反射テスト
- ⑥知覚検査
腰椎捻挫では、ジャクソンテストとスパーリングテストの代わりに⑦SLRテストと⑧FNSテストがあります。
①ジャクソンテスト
被害者の頭部を後ろにそらせます。肩や腕、指などの痛みやしびれを検査するテストです。
痛みやしびれがあれば陽性(+)、なければ陰性(-)です。
②スパーリングテスト
被害者の頭部を左右に傾けた状態で、後ろにそらせます。肩や腕、指などの痛みやしびれを検査するテストです。
痛みやしびれがあれば陽性(+)、なければ陰性(-)です。
③徒手筋力検査
徒手筋力検査は検査者が手で被害者の筋肉を押す検査です。6段階で評価することが多いです。
5(Normal):運動範囲全体に渡って動かすことができ、最大の徒手抵抗に抗して最終運動域を保持できる。
4(Good):運動範囲全体に渡って動かすことができ、中等度〜強度の徒手抵抗に抗して最終運動域を保持できる。
3(Fair):運動範囲全体に渡って動かすことができるが、徒手抵抗には抗することができない。
2(Poor):重力の影響を除いた肢位でなら、運動範囲全体、または一部に渡って動かすことができる。
1(Trace):筋収縮が目に見える、または触知できるが、関節運動はおこらない。
0(Zero):筋収縮・関節運動は全くおこらない。
3+(3と4の間)、5-(4と5の間)など中間的な評価もあります。
④筋萎縮検査
手や足が細くなっているかを測定する検査です。麻痺などの異常がある部位は筋肉が減り細くなることがあります。
右腕上腕○cm、右腕前腕○cm、左腕上腕○cm、左腕前腕○cmなどと評価します。
⑤腱反射テスト
筋肉の腱の部分をゴムハンマーで叩き、正常な反射があるかを測定する検査です。神経根が障害されていると反応が低下するか、なくなってしまうことがあります。
正常(+)、消失(-)などと評価します。
⑥知覚検査
例えば筆を使って感覚の鈍麻を調べる検査です。異常があると感覚が鈍麻します。
⑦SLRテスト
上向きに被害者は寝ます。膝を伸ばして脚を少しずつ挙げていき、坐骨神経の障害を検査します。
痛みやしびれがあれば陽性(+)、なければ陰性(-)です。
⑧FNSテスト
下向きに被害者は寝ます。膝を曲げていき、腰椎神経根の障害を検査します。
痛みやしびれがあれば陽性(+)、なければ陰性(-)です。
まとめ:頚椎捻挫や腰椎捻挫の神経学的所見
神経学的所見とは、頭痛やめまい、しびれといった症状がある患者に対する神経学的検査の結果です。
頚椎捻挫では、次のような神経学的検査があります。
- ①ジャクソンテスト
- ②スパーリングテスト
- ③徒手筋力検査
- ④筋萎縮検査
- ⑤腱反射テスト
- ⑥知覚検査
腰椎捻挫では、ジャクソンテストとスパーリングテストの代わりに⑦SLRテストと⑧FNSテストがあります。
(監修者 弁護士 大澤 一郎)