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交通事故知識ガイド交通事故と治療Q&A

加害者側の保険会社から「健康保険を使って通院して欲しい」と言われました。どうしたらよいでしょうか。

Q7:加害者側の保険会社から「健康保険を使って通院して欲しい」と言われました。どうしたらよいでしょうか。
A自分の過失が一定以上等の場合、健康保険の利用を推奨します。

(文責:弁護士 大澤 一郎

健康保険と自由診療

保険会社とのやりとり

  • 交通事故の治療には健康保険での診療と自由診療があります。
  • 健康保険での診療は普段病気になった際と同じ診療です。
  • 自由診療とは交通事故独自の診療です。個別の病院の扱いにもよりますが、診療単価が2倍前後のことが多いです。
  • 交通事故の治療では健康保険での治療と自由診療のどちらも可能です。病院の窓口で「健康保険は使えない」と指摘されることもありますが、厳密に言うと事実ではありません。なお、交通事故の診療では、労災保険による診療も別途あります。
    労災保険については以下もご参照下さい。
    交通事故と労災保険
    相手方任意保険、健康保険、労災保険のどれを使えばよいですか?

健康保険を使った方がよい場合

治療費全てを保険会社が支払わない可能性がある場合、健康保険を使った方がよいことがあります。具体的には、次のような場合です。

  • 過失相殺がある事案の場合
    治療費の一部は保険会社が負担しないこととなります。
    そのため、健康保険を利用した方がよい場合があります。
  • 事故と怪我との因果関係に争いがある事案
    治療費をめぐる紛争を増大させないため、健康保険を利用した方がよい場合があります。
  • 素因減額の可能性がある事案の場合
    治療費をめぐる紛争を増大させないため、健康保険と利用した方がよい場合があります。

健康保険を使う必要がない場合

治療費全てを保険会社が支払うことがほぼ確実な場合、健康保険をあえて使う必要はないでしょう。

健康保険利用のデメリット

  • 「(当院では)健康保険は使えない」と病院から指摘され、希望する診療が受けにくくなる可能性があります。
  • 交通事故用の診断書、診療報酬明細書、後遺障害診断書その他の書面の作成を病院が断ることがあります。

健康保険の利用Q&A

Q自由診療と健康保険の場合で治療費が過失相殺でどうなるかのルールを教えて下さい。
A自由診療の治療費が100万円、過失が40%の事案の場合以下となります。
・自由診療の場合
100万円×40%=40万円となります。
そのため、40万円分の治療費が最終的に自己負担となります。

・健康保険の場合
健康保険での診療の場合、自由診療の半額程度の費用のことが多いです。(ただし、病院によります。)
さらに、健康保険の場合、窓口での負担額は30%程度のことが多いです。
そのため、健康保険利用の場合の窓口負担治療費総額は15万円となります。
(計算式)
100万円×(自由診療の半額)50%×(窓口負担額)30%=15万円

そして、過失が40%だとすると、15万円×(過失分)40%=6万円となります。
結果として6万円の治療費が最終的に自己負担となります。

・まとめ
自由診療の場合の自己負担額 40万円
健康保険の場合の自己負担額  6万円

Q自分にも過失がある事故ですが保険会社が100%治療費を支払ってくれています。後で問題になることはありますか?
A後日過失分が最終的な示談額から引かれてしまうことがあります。
【解説】
自由診療の総額治療費100万円、過失割合30%とします。
30万円は自己負担分となります。そのため、最終的に保険会社が提示する休業損害や慰謝料等から30万円分引かれるのが原則です。
Q過失が何パーセント位ある場合、健康保険を利用した方がよいですか?
A事案によるので判断が難しいところです。
【解説】
・計算上の損得だけを考える場合、少しでも過失がある場合には健康保険利用がよいこととなります。
・他方、健康保険利用での通院の場合、病院との関係等がうまくいかないなどトラブルになることもあります。
・50%前後の過失の場合、健康保険利用の方が多いです。
・30%前後の過失の場合、自由診療・健康保険のどちらの方もいます。
・10%前後の過失の場合、自由診療の方が多いです
Q人身傷害保険を使う場合、健康保険利用となりますか?
Aなります。
【解説】
・人身傷害保険は、治療費等が支払われることがある自らの交通事故の保険の特約です。
・人身傷害保険を使う場合、通常は健康保険を使うことが前提となります。
Q素因減額とは何ですか?
A被害者が有していた身体的・精神的な特徴が損害の発生又は拡大に影響している場合に、賠償する金額を決めるに当たり、当該特徴を考慮して損害額を減額することです。
【解説】
次のような病名等で問題となることがあります。
・後縦靭帯骨化症
・椎間板ヘルニア
・脊柱管狭窄症
・骨粗しょう症

まとめ

  • 自分の過失が一定以上等の場合、健康保険の利用を推奨します。
  • 過失50%前後の場合、健康保険利用の方が多いです。
  • 過失10%前後の場合、健康保険を利用しない方が多いです。

(文責:弁護士 大澤 一郎

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